居酒屋関係者の方へ

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kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:1】武蔵野市の駅から離れたとある一角に非常に繁盛している個人経営の居酒屋があります。私は今まで駅から離れて繁盛している居酒屋を見かけたことがありませんでした。そこでなんでこんな外れに店を構えているにも関わらず流行っているのか?興味を持って入ってみた。

2011-02-12 21:13:11
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:2】その店では、料理もまずくはないが非常に良いというわけでもなく、料金も一般のチェーン店の居酒屋よりも高くメリットがあるわけでもない、またマニュアル的なサービスも一般の居酒屋とたいして変わらず違いというものが見られなかった。

2011-02-12 21:13:37
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:3】しかし、一つだけ他の居酒屋と全く異なっているものがあった。それはスタッフである。スタッフの魅力といってもよいかもしれない。しかし、それはあくまでも仮説であり検証するにはスタッフが全員辞めなければ分からない。

2011-02-12 21:15:09
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:4】しかし幸運といってはそのお店に対して失礼だが、その仮説が最近になってようやく検証できた。なぜなら、そのスタッフが全員辞めたからである。そして、それからというものその居酒屋は日に日に、お客さんが減っていった。もちろん、平日だけではなく土日もである。

2011-02-12 21:15:46
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:5】そこで、私はもう一度居酒屋に入ってみた。そこでは料理や料金、サービスも以前と変わらないままであり、その周りに代替品となるような居酒屋ができたわけでもない。また、時期的にもリーマンショック後の不況のままである。そして唯一の違いはスタッフが変わったということである。

2011-02-12 21:16:20
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:6】もちろん、このスタッフとはどちらもアルバイトのスタッフである。もちろん全く同じ内部・外部環境があるわけではないので、他にも要因が考えられるかも知れないが、変わったと明らかに感じられるのはスタッフだけだった。

2011-02-12 21:17:45
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:6】その後、その居酒屋は値下げしたり努力はしているがお客の入りに関しては効果がないようだ。

2011-02-12 21:18:24
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:8】私はこのことから、少なくともその居酒屋では顧客は単に料理や料金、サービスを求めにやってきていたのではなく今まで働いていたスタッフの魅力に惹かれ、それがために会いに居酒屋を訪れ、そして話をするためにやってきていたのだと思った。

2011-02-12 21:18:46
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:9】その居酒屋では顧客満足度に最も貢献していたと思われるスタッフが全員いなくなったため、競争力が一気に低下し、その居酒屋の最大の魅力が失われてしまった。

2011-02-12 21:19:55
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:10】その反面、駅から離れた場所といったように地理的に競争優位を確保できない所でも、人材次第で居酒屋は流行るのだということを改めて感じさせられた。

2011-02-12 21:20:11
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:11】ヤンカールソンという人が書いた著書に「真実の瞬間」という本がある。これはお客様とスタッフが接するほんのわずかな時間が企業評価に繋がるというものである。つまり、お客様の顧客満足度に大きな影響を与えるのはほんのわずかな「真実の瞬間」にあるというものである。

2011-02-12 21:20:51
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:12】従って、「真実の瞬間」の質を引き上げることが企業の競争力向上に貢献する。例えば、居酒屋に行ったときに料理を注文したとき、そして料理を持ってきてくれた時が「真実の瞬間」だ。よくおじさんがスタッフに話しかけている光景を居酒屋で見かけるが、これも真実の瞬間である。

2011-02-12 21:21:35
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:13】そしてこの真実の瞬間の質がどのレベルかによって、その顧客がリピートしてくれるかどうかに大きな影響を及ぼす。例えば、あなたはこのような経験をしたことがないだろうか?「なんだ、あの店員の態度、こんなとこもう2度と来ない」と誓った経験である。

2011-02-12 21:22:51
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:14】この瞬間その人は2度と店には来てくれない。特に、回転数で稼ぐことの出来ない居酒屋店にとってはかなりの痛手となる。

2011-02-12 21:23:13
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:15】逆にプラスの方向に大きな影響を及ぼす例として以前、高校時代の友人と話していたときにこんなことがあった。

2011-02-12 21:26:11
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:16】F君「前に行った○○居酒屋で接客してくれた人覚えてる?」M君「覚えてるよ」F君「この前、○○居酒屋に行ったんだけど俺の事覚えてくれてたよ」F君「まじで!俺が行った時もあの子、俺の事覚えてくれてたよ」

2011-02-12 21:29:04
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:17】これは、友人が以前に行った居酒屋に入った時に自分の顔を店員が覚えてくれていて感動していた話であり、その友人に会うたびにその話を聞くが現在でも頻繁に通っているようである。つまりある店員が覚えてくれていたというレベルの高い真実の瞬間があったためリピートに繋がっている例だ

2011-02-12 21:30:49
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:18】この瞬間、居酒屋に行くときはそのお店に行くというよりもあのお店の顔を覚えてくれていたスタッフに会いに行くということ変わっている。この事実は非常に大きい。なぜなら、居酒屋同士のお店は比べることができるが、人材は比べることができない。。

2011-02-12 21:34:58
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:19】つまり、この差は競争の渦に巻き込まれるか否かを決める大きな要因となる。つまりブルーオーシャンとレッドオーシャンの違いである。

2011-02-12 21:36:08
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:20】そして居酒屋とう業界は他の業界と比べて顧客の滞在時間が長いため真実の瞬間の回数が他の業界よりも多い。従って、居酒屋にとって差別化をする上でも真実の瞬間は非常に重要なものである。

2011-02-12 21:37:57
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:21】そして視点を日本の居酒屋業界に移すと個人経営の居酒屋はチェーン店の攻勢もあり苦境に立っている。チェーン店の強みである料金や料理、店の作りといったハード面では個人経営はかなわない面が多い。しかし、チェーン店にも真実の瞬間を左右する人材の質という点で弱みがある。

2011-02-12 21:39:24
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:22】日本の居酒屋チェーン店では「真実の瞬間」を生み出すスタッフはほとんどが給料の安いアルバイトで構成され、サービスにおいてもマニュアル通りのサービスばかりが重視されている。

2011-02-12 21:40:24
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:23】また、クレドも作るということに重点が置かれ、精神を植え込むという目的が達成されていない。これでは、真実の瞬間を左右する人材自体が流動的となる上、サービスも形式的なものとなり顧客とのリレーションシップを築けない。また築けたとしてもすぐに崩れ去ってしまう。

2011-02-12 21:41:04
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:24】従って、個人経営の生き残り戦略は一つ。居酒屋チェーン店の弱みであるスタッフに力を入れることである。価格にそれほど左右されない層をターゲットとしハード面からソフト面に強みを切り替えること。

2011-02-12 21:43:20
kitabayashi takuya @kitabayashitaku

【人材:25】現在の個人経営においてはチェーン店を見習うなどしているため中途半端なものになったり、せっかくの強みとなり得るソフト面を打ち消しているように思われる。料理や料金、店の作り、マニュアル化したサービスといったものは比較的真似しやすい。

2011-02-12 21:44:27