赤と黒と白と

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赤と黒と白と 1 私には大好きな人がいる 歌が上手くてかっこ良くて面白くて 「すばる? 私のこと好き?」 『なんでそんな当たり前なこと聞くねん?』 「なんとなくね笑」 違う 本当はもう二度とすばるに会えないと思ったから

2015-09-20 22:04:09
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赤と黒と白と 2 そんな嫌な予感が本当に的中するなんて思わなかったけど… (百合花?ちょっといいか?) 普段は仕事で忙しいお父さん お父さんは白川グループの取締役 白川には跡を継ぐ事ができるのが私しかいない 「なに?」 (実は百合花に紹介したい人がいるんだ 彼だ)

2015-09-20 22:06:35
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赤と黒と白と 3 【どうも 横山裕です】 (彼はこう見えても横山銀行のご子息でね百合花にはピッタリだと思うんだ) 私は家のために 白川を継ぐためにも自分が好きではない人と結婚しなければならないことはわかってた でも、私はやっぱりすばるがいいの すばるじゃないとダメなの

2015-09-20 22:06:58
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赤と黒と白と 4 (せっかくだからあとは2人で仲良くしなさい) 「すいません 父が突然」 【全然です! 実は僕ら初対面じゃないんですけど覚えてないですよね?】 「すいません…」

2015-09-20 22:08:00
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赤と黒と白と 5 【ためでいいですよ! 実は今年の春のパーティで会ってるんです 百合花さんお父さんとご一緒でしたよね?】 「そうだったんですか!? わかりました。 では横山さんもタメでお願いします!」 【ありがとう! そう言ってくれたら楽やわ】

2015-09-20 22:08:38
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赤と黒と白と 6 「横山さん関西の方なんですか?」 【もともとは関西やねん 横山さんとかじゃなくてもっと楽に接して 年もあんまり変わらんねんし】 「わかった! 裕くん!」

2015-09-20 22:09:01
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赤と黒と白と 7 【あの時から俺は百合花さんの事が気になっててん 急な話でびっくりしてると思うけどこれだけは覚えといて 俺は百合花さんと結婚も考えてる】 裕くんはとっても良い人 でもね 私はやっぱりすばるが好きなの 家族を犠牲にして好きな人とずっと一緒にいること

2015-09-20 22:09:42
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赤と黒と白と 8 家族のために好きな人から離れること どっちが辛いのかな? pic.twitter.com/kWBIi2gN1H

2015-09-20 22:11:13
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赤と黒と白と 9 あれからも裕くんは私に優しく接してくれる 一週間が経って今日は裕くんの家族と私の家族で食事会があった 私なんていてもいなくても構わない お父さんと裕くんのお父さんが2人で仕事の話をするだけ 私はその話をわかっているかのように笑って頷くだけ

2015-09-21 21:01:14
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赤と黒と白と 10 それが私のしなければならないことだから 【ほんまに親父も勝手でごめんなぁ】 「全然! 勝手なのはお父さんも同じだから笑」 【それにいきなり俺と結婚とかもわけわからんやろ? 百合花さんにとったら初対面の男なんやから笑 まずは友達として仲良くして】

2015-09-21 21:01:38
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赤と黒と白と 11 「ありがとう」 【もしかして彼氏とかおらんかった?】 「えっ?」 【百合花さん綺麗やから】 裕くんの言葉に私は俯く事しか出来なかったから すばるのことは大好き でも私とすばるが結婚したらすばるは不幸になる

2015-09-21 21:02:11
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赤と黒と白と 12 私と結婚することはすばるから音楽を取り上げること ここですばると別れた方がいいのかな? すばるは私のことをなにも知らない 私が白川の娘であることもすばるには本名も伝えてなかったから

2015-09-21 21:03:29
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赤と黒と白と 13 でもね、私のことを白川の娘としてではなく好きになってくれたのはすばるだったよ きっと最初で最後の人だと思うから こんな気分なのに私が向かったのはライブ会場 今日はすばるのライブだったから

2015-09-21 21:04:36
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赤と黒と白と 14 箱こそ小さいもののすばるの歌を聴いた人は泣いたり笑ったり叫んだりいろんな感情にさせてくれる あの時も私はこんな気持ちだった 17年前私が高2の時の文化祭 そこにすばるがステージに立っていた

2015-09-21 21:05:23
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赤と黒と白と 15 (35歳の誕生日で百合花には結婚してもらうからな こんな家でごめんな 百合花) 「仕事のためだもの仕方がないわ それに私はこの家に生まれたことを後悔してない。 だから謝らないで」 (そうか)

2015-09-21 21:05:59
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赤と黒と白と 16 お父さんの申し訳なさそうな顔 お父さんはいつも私の我儘を聞いてくれた 高校も 色眼鏡で見られたくなかったから苗字も変えて知り合いがいないこの永東高校に入学した そんなわがままを叶えてくれたお父さん だから決めたの 私もお父さんのお願いを聞くって

2015-09-21 21:06:45
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赤と黒と白と 17 頭ではわかってたけどやっぱり自分の好きな人と結婚したかった 『お前はなんでそんな顔してんねん?』 「へっ? 私ですか?」 『他に誰がおんねん もうライブも終わったぞ』 「ごめんなさい 今すぐ出ていきます」

2015-09-22 20:31:42
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赤と黒と白と 18 『別に俺らはかまへんけど なんか迷ってることあったらちゃんと消化しな自分が潰れんで?』 あの時のすばるはそう言ってくれた すごく安心感があって私の1個上とは思えない落ち着きだった 「あの!」 『どーしてん?』

2015-09-22 20:32:27
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赤と黒と白と 19 「自分の運命が生まれた時から決まってる人っているんですか?」 『すごい家やったら決まってるんやろうな 誰が悪いわけではないけど』 「関西の方ですか?」 『笑 今さらか笑 関西やけどなんで?』

2015-09-22 20:33:19
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赤と黒と白と 20 「どうして東京に来たのかなぁって笑 変なことを聞いてすみません」 『別にえぇよ 簡単な事やで俺にはもう居場所がなくなったから』 「えっ?」 そんな事を言ってるのにどうして笑っていられるんだろう?

2015-09-22 20:34:02
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赤と黒と白と 21 『お前が言ってた質問、俺も逆の意味で決まってるんかもしれへんなぁ 俺はおったらあかん存在やから なんでやろ? お前やったら変なことも言ってまうわ』 おったらあかん存在ってどうゆうことなんだろ? 『そういえばお前の名前知らんかったわ 名前なに?』

2015-09-22 20:34:29
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赤と黒と白と 22 「佐藤百合花です あなたは」 『俺は渋谷すばる』 「すばる…さん」 『すばるでえぇよ』 「わかりました!」 これがすばると初めて会った時の事 すばるの歌声を聞いたら自分も頑張って生きよう! そう思えるの

2015-09-22 20:35:13
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赤と黒と白と 23 それまでは自分の人生うまく消化出来なかった 私だけが不幸な様な気がして裕くんはそう思ったことなかったのかな? 親たちの勝手な都合で定期的に裕くんと会うことになってる 「ねぇ裕くん?」 【おん? どーしたん?】

2015-09-22 20:36:33
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赤と黒と白と 24 「裕くんは自分の人生でうまく消化出来なかった事ってある?」 【あったよ笑】 「そーなの!? 意外だなぁ!」 【ホンマ? 子どもの時はとにかく家を継ぐのが嫌で仕方がなかった 友達もみんな金持ちの息子って認識やから良くも悪くもそればっか笑】

2015-09-22 20:36:54
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赤と黒と白と 25 「でも今は自分が継ぐことは嫌じゃないんでしょ?」 【近くに住む男の子が俺の意識を変えてくれてん その人はもう引越ししてどこにおるんかもうわからんけど】 『どんな人だったの?」

2015-09-22 20:37:38