日々改ざんされる記憶に人格上の価値はなく、何十年たっても変化する事のない思考パターンのみが人格の実体であるということ

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生命情報保存研究所 @rodan670

昨日の自分であった者 昨日の自分の体に宿っていた魂と 今日の自分の人格とが 完全に同一のものであるかどうかを証明することは まだ誰も成しえてはいない

2016-07-26 21:32:30
生命情報保存研究所 @rodan670

人間の思考というものは睡眠によってどうしても途絶する 一生を眠ることなく過ごせる者 眠りに落ちてなお覚醒した意識を保ち続けられている者は存在しない 眠っている間、人の意識はあるいは無となり あるいは夢の働きで散々にかき混ぜられる

2016-07-26 21:37:11
生命情報保存研究所 @rodan670

ひどく意味不明な悪夢から目覚めた瞬間 人はしばらく自分が回帰した現実を現実とみなす事ができず 呆然と視線をさまよわせ 数秒の後にどうやら今まで自分が見ていたものこそが非現実であると悟り 平行して昨日や、それ以前の記憶を取り戻し これによって過去の自分と今の己とに連結点を見出して

2016-07-26 21:39:28
生命情報保存研究所 @rodan670

意識上失われた時間の亀裂にまやかしの橋をかけ あくまで自分が連続した存在であると思い込もうとするが もし夢から覚めた段階の「自分」が初期化されたPCのようなもので その「自分」とは別のところにあるただの保管庫から取り出した ソフトウェアという名の記憶情報を

2016-07-27 07:49:32
生命情報保存研究所 @rodan670

そのつどインストールされ直しているだけであると仮定すれば その存在は決して切れ目のない直線などではありえない事となる もし目覚めた瞬間偽の記憶をインストールされれば その人間は偽りの思い出に即した思考を開始し おそらくは本来の己がたどったものとは異なる行動を始めるであろう

2016-07-27 07:50:23
生命情報保存研究所 @rodan670

そして、人間の記憶野というものは、CD-ROMのように精密なものではない。覚醒している瞬間にも移ろい、まして夢というフィルタを掛けられるとあちこち好き勝手に編集され、または抜け落ち、気がつけば原型を完全に失っている。 ならば人は朝起きるたびに微細なレベルで偽の記憶を植えつけられ

2016-07-26 21:55:05
生命情報保存研究所 @rodan670

少しずつ昨日の己と乖離してしまっているのである。 この時睡眠をはさんだ前後の自分は重ね合わせても微妙に一致しない別人となってしまっている。 その上でなお、自分が自分という形を持った存在であると信じたいならば

2016-07-26 21:57:53
生命情報保存研究所 @rodan670

人はその核を記憶が少々改変されようとその影響を受け付けない いわばOSとも言うべき部分に求めるしかなくなる どれだけ時を隔て、どのような状況下に置かれていようと、人には気づけばたどり着いている同じものの考え方を、一つや二つは必ず有している

2016-07-26 22:02:21
生命情報保存研究所 @rodan670

生活上の経験や、テレビのニュースと接したことが原因で ふと零れ落ちた思考が 何年も前、まったく違うシチュエーションで沸き出でたものと同じだと感じることがあれば それこそが間違いなくその人間を連結した存在足らしめる 人格上の軸である

2016-07-26 22:05:37
生命情報保存研究所 @rodan670

この軸を見つけ出す上手段としては 日記が重要となる その日その日に内面に生じた種々の思考を 箇条書きでもいいのでつづりだしていき 後日年単位で俯瞰すれば 必ず内容の重複は確認される そうやって抽出されたものは 全体の文章量の数十分の1にも満たないだろうが

2016-07-26 22:08:13
生命情報保存研究所 @rodan670

その人間の魂の座は間違いなくそこにある ゆえに人格の保存は まずはこの核なる部分を優先的に切り出すところから始められなければならないし 場合によってはそれで十分足りうることもある

2016-07-26 22:09:33