140ssログ7月

やまたに @mw_snc

何色にしますか。目の前で前田がそう問われる。青をくれますか。答えに秋田が青色の短冊を渡す。本丸の入口に大きな笹が飾ってあるのだ。青江さんもどうですか。水を向けられて青江は頷いた。参加するのも悪くないと思いながら。有無を言わさず緑の紙をもらったのには困ってしまったけれど。(石かり)

やまたに @mw_snc

ほら。薬研が短冊を寄越す。願いなんてないですよ。そう言うなって。おかしなくらい勧めるから、仕方なく筆を執る。願い些細なことだ。だって、叶えたいのは天ではなくこの男なんだから。はい。笹ではなく彼に渡せば迷わず中を見て。他に願うなよ、と口吸い。だから、天になんて願いませんて。(薬宗)

やまたに @mw_snc

兄者のお側にいられますように。かっちりとした字を笹の間に見つけて髭切は笑った。隠れるように小さな字のくせに、隠す気がない言葉を選ぶものだ。髭切は自分の笹をその短冊の紐にくくる。弟の願いが叶うように。書いたのはそれだから、ここに吊るすべきだ。さて、あの子は見つけるだろうか。(髭膝)

やまたに @mw_snc

淡黄色の短冊を前に膝丸は悩む。願い事なんてない。いや、兄者の幸せとか、兄者の願いを叶えるようとか、あるにはあるのだ。けれどそれは、兄から駄目だと言われてしまった。たまにはお前のことを願いなさい。言われても、思い付くのは。兄者が欲しい。流石にそれは傲慢だ、と紙を丸めた。(髭膝)

やまたに @mw_snc

青江さん。呼ばれて振り返る。僕はもう書いたよ。いいえ、これを。秋田の手のひらに乗せられた短冊には六文字。にっかり青江。見せた方がいいかと思ったんです。そう。そうだね。笑みが引きつる。むんずと掴んで部屋に走って。君ね、あれは欲しいものを書く場所でも伝言板でもないんだよっ。(石かり)

やまたに @mw_snc

願い事は、聞かれて光忠は短冊を見せた。やっぱりこれだよね。笑う顔は朗らかで。その分、審神者は居たたまれない。叶えられるようがんばるよ。うん、頑張ってって青江くんにも伝えてね。にこり。眼帯の奥の瞳は笑ってはいないのだ。『まずは数珠丸さんが早く来ますように』(みつくりみつ、になる)

やまたに @mw_snc

見せてくれないよなぁ、と思いながら審神者は倶利伽羅に話しかける。なあ、願い事はなんにした。すると、案外あっさりと。ん。見ていいのか。あんたにも叶えて欲しいんだ。意外な答えに、おや、と覗いて。おお、任せろ。叶えるさ。『光忠が明日も無事で笑っていますように』(みつくりみつ)

やまたに @mw_snc

薬研、お前の願い事は。問いかけに子供は大人びた顔で笑う。言えねぇなぁ。無茶なことか。無茶も無茶だ。けらけらと笑いながら薬研は笹にそれを結んだ。見えるぞ。俺は忠告したぜ。そう言われても、見たくなるのが人の性だ。『宗三の目釘ひとつ、刃零れひとつすら俺のものになったらいいのに』(薬宗)

やまたに @mw_snc

僕の願いが見たいんですか。近寄っただけで読まれた。見たい、出来れば叶えてやりたい。少しだけ怖いと審神者は思うけれど。楽になりたいとか書いてあったらどうしよう。いいですよ、どうぞ。ああ、真逆の願いで胃が痛い。『僕があのひとの存在する未来を望んではならぬと忘れませんように』(薬宗)

やまたに @mw_snc

青江の願いは。審神者の露骨な質問に、内緒、と笑う。叶えてやれるかもしれないだろ。君が叶えることじゃないなぁ。無理だと彼は首を振る。叶えたいならこっちをね、差し出されたのはどこぞの大太刀の名前入りだった。『あのこと香川へ旅行に行くための休暇が欲しいな』(石かり)

やまたに @mw_snc

願いを聞いて回ってるそうだね。御神刀が柔らかく笑う。ついでだ、祈祷で協力してくれよ。審神者の望みに彼はなお微笑んで。そうだね、一枚くらいは私が代わりに叶えてあげよう。武骨な指先は正確にその一枚を抜き取った。『また一年、彼と仲良くいられますように』(石かり)

やまたに @mw_snc

やあ、主。髭切が手を振る。願いは書いたのか。聞けば彼は、もう手元にないよ、と。なら。笹の方へと歩き出すと、違うと止められて。僕の短冊は弟にあげちゃった。趣旨をわかっているのかいないのか、彼は晴れやかにそう言った。『僕の可愛い弟に今夜たくさん好きだと言ってもらえますように』（髭膝）

やまたに @mw_snc

お前の短冊は。展開を予想しながら膝丸に問う。兄者が持っていったぞ。ああうん、予想通りだ。この兄弟は笹の仕事を奪う気か。髭切で叶えられることなんだな。審神者の確認に彼は大きく頷いた。兄者に叶えて欲しいことだ。『兄者が楽しく毎日を過ごせますよう。それと、俺の名を呼んで欲しい』（髭膝）

やまたに @mw_snc

願い事はなんだ。質問に獅子王がからっと笑う。アイス一年分。可愛い願いだ。しかし、冬も食べる気か。一日四本で夏の間に終わるだろ。あ、可愛くない。所詮彼も平安刀だった。年寄共は可愛げがないなぁ、と思う審神者の後ろで短冊が揺れている。『三日月と離れることがありませんように』(じじしし)

やまたに @mw_snc

俺には願いを聞かんのか。寂しいなぁ、と三日月が呟く。天下五剣は自力で叶えられると思います。主はなんと冷たいことよ。泣き真似まで取り入れて。はいはい、獅子王とのことかな。いいや、それは自分で叶えられるぞ。自信ありげに彼は笑った。『皆、無事に過ごせるように』（じじしし）

やまたに @mw_snc

やまたにさんの数珠丸チャレンジ 1．いつものCPとドロップで140字 2．いつものCPはその時誉れを取った刀に準じる（薬宗、石かり、髭膝） 3．薬研くんは厳しいのでいち兄代打 4．宗三ちゃんも無理だったら江雪さんを呼ぶ 5．戦拡か140字に飽きたら一旦終了 6．数珠丸さん来て

やまたに @mw_snc

@mw_snc 夕刻、洗濯物を間違えられていた。白い布を片手に山姥切は彼の部屋に行く。青江はいるか。脇差部屋には物吉だけがいて。青江さんなら、石切丸さんの部屋だと思いますよ。そうか、と立ち去る前に問いかける。行っても大丈夫だろうか。昼まで待った方がいいですよ。（石かり＋山姥切）

やまたに @mw_snc

@mw_snc 石切丸。青江の声がする。昨日はごめん。謝罪の言葉はらしくない気弱さを滲ませていた。いいや。石切丸は答える。私の方こそ君を傷つけたね。泣き出しそうな声に、僕の方がと重なる声。どうやって青江の目をかいくぐって逃げようか、大太刀の影で小夜は溜息を吐いた。（石かり＋小夜）

やまたに @mw_snc

@mw_snc きちんと虎を躾けろ。厳しい口調で言われて五虎退は泣き出しそうだった。あの薬研兄さんがそう言うなんて。指を噛まれても、大事な薬瓶を割られても気にするなと笑ってくれたのに。一体、虎くんは何をしたんでしょう。問いかけに薬研は口を開く。宗三の唇舐めやがった。（薬宗＋ごこ）

やまたに @mw_snc

@mw_snc 鼻歌が聞こえる。機嫌がいいね。声に青江が顔を上げる。石切丸の。言われてすぐに惚気話だと気がついた。まぁ恋の話なら風流か、と聞く体勢になれば続けて。石切丸の頬に畳の痕がくっきりと付いていてね、昼寝かな。そんなくだらない事で喜ぶのだから恋は美しいのだ。（石かり＋歌仙）

やまたに @mw_snc

@mw_snc おきたくんの子だ。そう髭切に呼ばれて安定は戸惑った。その名は覚えられるのか。それなら普通に覚えて欲しい。確かに沖田くんの刀だけれど何か用かな。ううん、弟を探してて。ああ、と言いかけて意地悪を返す。兄者の子なら、厩だよ。彼はおかしそうに笑った。（髭膝＋安定）

やまたに @mw_snc

@mw_snc 青江にね、私だけ見てほしい。相談は背丈の割に可愛いくて光忠は微笑んだ。色んな刀と仲がいいから。声は平安刀らしくないほど余裕がない。それに助言していくと彼の顔は晴れて。そして最後に、彼は笑う。これで青江は私のものだ、ありがとう。三条の大太刀の顔で。（石かり＋光忠）