ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ 【7:ポラライズド】 #4

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

アガメムノンはニンジャスレイヤーのチョップをいなし、電光で白く染まったショートフックで脇腹を抉りに行った。ニンジャスレイヤーは左手を打ち下ろして逸らし、心臓に突きを繰り出した。アガメムノンは身をひねりながら沈めて躱し、メイアルーア・ジ・コンパッソを繰り出した。

2016-07-29 13:44:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」メイアルーア・ジ・コンパッソの回転の中から偃月刀めいたデン・スリケンが生じ、ニンジャスレイヤーの胴体を水平切断しようとした。ニンジャスレイヤーはブリッジからのバック転で回避し、ヌンチャクのイアイで二発目のデン・スリケンを弾き逸らした。KABOOM!背後の壁が抉れた。

2016-07-29 13:49:11
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーはヌンチャク・ワークの中から数枚の赤黒スリケンを生み出し、アガメムノンに連続投擲した。アガメムノンは雷光の盾を虚空に生じ、それらを防いだ。「イヤーッ!」雷光の盾は四つの花弁となって飛散し、それぞれが恐るべきデン・ブンシンとなって襲いかかった。

2016-07-29 13:51:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イイイイヤアアーッ!」ニンジャスレイヤーはヌンチャクを振り回してデン・ブンシンを迎撃する。アガメムノンは高く掲げた右手に稲妻をまとい、足元の床に叩きつけた。KRA-TOOOOOM!アガメムノンを中心として、半球状のデン・スフィアが急速に育ってゆく。ニンジャスレイヤーは走る。

2016-07-29 13:54:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イイイイイヤアアアーッ!」ニンジャスレイヤーはデン・スフィアにスリケンを連続投擲しながら間合いを離し、飲み込まれまいとする。デン・スフィアは無慈悲に拡大してゆく。ニンジャスレイヤーは回避を諦め、腕を交差し、中腰になって待ち構えた。アガメムノンは哄笑した。DOOOOM……。

2016-07-29 13:56:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」手勢のペイガン464と共に回転ジャンプで着地したサブジュゲイターは、十字陣形をつくって全方位からのアンブッシュに備えながら、ヨロシ・ヘッドオフィスのクリアリングを行った。数名のペイガン464は高速匍匐前進をしながら広がり、ブービートラップの解除を行っていく。

2016-07-29 14:05:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ガオン!鉄パイプを加工したバンブー・トラップが天井の穴から降り注ぐ。「イヤーッ!アバーッ!」ペイガン464の一人がサブジュゲイターの頭上へ回転ジャンプし、ハリネズミめいた死体と化して主人を守った。「サヨナラ!」爆発四散を振り返りもせず、サブジュゲイターは重セキュリティ区域へ進む。

2016-07-29 14:07:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

バイオニンジャの気配はない。当然のようにオフィスにはヨロシ駐在社員の惨殺体が散乱し、酸鼻な光景が広がっていた。血塗れのパンチシートやオフィス用紙類、マキモノ類。「何が狙いだ?そして、どこへ向かった?」サブジュゲイターは眉根を寄せ、数秒間沈思黙考した。やがて彼はハッと目を見開いた。

2016-07-29 14:11:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

黒漆塗りのUNIXデッキがマチェーテで破壊されている。サブジュゲイターはペイガン464に指示を出した。その者がハンドヘルドUNIXのセットアップを行う間に、彼はデッキのカバーを引き剥がし、ハードディスクを摘出した。無傷だ。「獣め」彼は呟き、ハードディスクをペイガンの腕に繋いだ。

2016-07-29 14:15:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

腕部モニタにウサギとカエルの進捗バーが展開する。結果を待つまでもない。サブジュゲイターには既に彼らが向かった先の見当がついていた。「7分11秒前にアクセスされたデータファイルがあるドスエ」合成マイコ音声が報告した。「盗みとったな。何をだ?」だが今はまだその内容は知らずともよい。

2016-07-29 14:19:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ZZOOOM……ヘッドオフィスが揺れた。破壊を免れたモニタが、ジグラットの最重要区域、空中庭園の状況を映す。今まさに戦闘の最中か。トランスペアレントクィリンの極めて禍々しいスペクトル光は、ただ映るだけでモニタに不可逆の焼けつきを作る。サブジュゲイターは目を細めた。「これはこれは」

2016-07-29 14:23:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼はペイガン464を振り返り、命令を下す。「イヤーッ!」一体が即座に複腕を生やし、クアドラプル・イアイドで強化ガラス窓を瞬時に切断した。サブジュゲイターは凍てつく空の下へ飛び出した。去り際、彼はトランスペアレントクィリンの方向を一度振り返った。激烈な戦闘。ここからでもわかる。

2016-07-29 14:28:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

大師のイクサの趨勢をこのまま見届ける時間はなく、まして加勢に出る気など、露ほども無し。「フォレスト・サワタリめ」ビルからビルに飛び渡りながら、サブジュゲイターは心中呟く。「結果的に私と同じ地へ向かうか。不快ではあるが、どちらにせよ貴様は地下のセキュリティを破らねばなるまい」

2016-07-29 14:31:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」ヤモトは狂ったようにチリングブレードに打ち込んだ。捨て鉢ともとれる攻撃だったが、真にカラテにタツジンしたニンジャであれば、それが両刀の相互の重みによってぎりぎりのバランスをとる大胆かつ精密なワザマエと判る。チリングブレードもその次元のニンジャだ。

2016-07-29 14:38:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼はマッタを繰り出しながらヤモトの攻撃をいなし、時間を稼いだ。異常気象下、空気中に漂うコリ・ニンジャ・クランのカラテ粒子はコリ・ケンを再び強靭な刃に鍛え直し、氷で塞いだ傷をじわじわと癒し、イクサに臨む力を取り戻させた。チリングブレードには今、覚醒を果たした女王の愛が共にある。

2016-07-29 14:43:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼らの現在のミッションは、マルノウチに集まった衆愚の粉砕だ。ニンジャ数名の力をもってすればそれは容易い筈だった。ローニン・リーグにはニンジャのヨージンボがいたが、人数で勝り互角のカラテを備えたアマクダリの精鋭によって任務遂行の妨げにならないレベルに抑えられる。その筈だった。

2016-07-29 14:48:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

しかし予想は覆された。様々な要因がアマクダリを阻んでいる。アルゴスに関わる高次の機密もあれば、チリングブレードの目の前で生じた明らかな問題もあった。ハイデッカーの機能障害は何だ?そして何よりこのヤモト!いきなり加勢に現れたこのニンジャだ!「イヤーッ!」「グワーッ!」

2016-07-29 14:57:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チリングブレードの肩が裂けた。ヤモトの二刀にまとわりつくオリガミの蝶は斬撃軌道を隠し、対応を困難にしている。チリングブレードは裂けた肩を押さえ、凍らせて止血した。「つくづく邪魔な女、厄介なジツよ……だが増援を待つ俺の仕事は……成ったぞ!」

2016-07-29 15:01:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ」頭上から飛び降りた白い髪のニンジャがアイサツした。「サクリリージです」ニンジャは己の胸に手を突き刺し、血塗れの肋骨を引き抜いた。ナムサン。これが彼のカタナなのか!「二対一……これをどう戦うかのォー……」「……カラテだ!」ヤモトの瞳が桜色に燃えた。

2016-07-29 15:05:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チリングブレードは獰猛に目を見開く。「いや、三対一!」「ドーモ。アンブレラです」桜吹雪の舞い散る夜空から、カラカサを開いたニンジャがゆっくりと降り来たった。今やこの地点の周囲にはヤモトのオリガミが乱れ狂い、キンカク・テンプルの色彩と相まって、アノヨじみた乱気流を作り出していた。

2016-07-29 15:07:25
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「役者は揃った。もはやフーリンカザン我にあり」チリングブレードは苛立たしげにオリガミの風を一瞥する。「チィー、何だ?貴様のこのジツは……このふざけたジツもすぐに止めてやる……」しかしヤモトは叫び返した。「三人でも!四人でも!五人でも!十人でも連れてこい!来い!ニンジャ!」

2016-07-29 15:11:49
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