安田章大①【先生】

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ②⑥】 先生は 何も言えんくなってて ただ立ち尽くしてる 向こう 先生の彼氏は全然気付かへんかった 「ほら、○○行こう。ジェットコースターこっちやで」 わざと大きな声で言って 先生の腕を引っ張る 『え？ちょっと』 相手の反応とかはわからへん

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ②⑦】 そんなんどうでもいい ってかあんな男に... なんか変に嫉妬して グッとその距離を近づける 『ジェットコースターはヤダっ…』 とか 先生もちょっとだけ大きな声で通って行く しばらく歩いて振り返るけど もう向こうの姿はみれんくて

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ②⑧】 『ふふふ…』 先生が笑った 『安田君。ありがとう』 握ってた手を離される 「先生…？」 『…ねぇ！飲みに行こう！あ、安田君飲めないけど！』 先生は明るくそう言って 遊園地の出口に向かって行く 「ちょ、先生乗り物何も乗ってないって！」

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ②⑨】 『くー！美味しい！』 ジョッキのビールを一気に半分くらい飲む先生 『ごめんね。いいお店知らなくて』 「いえ…」 『でもここの料理美味しいのよ。何でも頼んで？』 渡されたメニューを適当に捲る 先生は枝豆をつまみにビールを飲み進める

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③⓪】 ちょっと小洒落た居酒屋 初めて入る居酒屋は お酒とタバコの匂いで酔いそうやった 通された個室で 適当に頼んだ料理がどんどん運ばれてく 先生は1人色々話してて ビールはいつの間にか 生絞りのグレープフルーツサワーに変わってて

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③①】 グレープフルーツを絞って 汁がめっちゃ飛んで濡れた机をおしぼりで拭いてる 「先生大丈夫ですか？」 『大丈夫。親譲りで酒豪なのー』 先生の生まれたところは お酒で有名なところやった 『居酒屋ではそのお酒は飲まないの。ちゃんと飲みたいから』

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③②】 なんていうこだわりがあるらしい 先生は早くにお母さんを亡くしてるらしい お父さんとお兄さんが3人 みんなに可愛がられて 女子校に通ってたけど 『家ではさ男しか居ないのよー。女の子なんてできるわけないじゃん。逆にモテたわよ』 なんて笑ってた

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③③】 『男に媚びを売るな！尻にひけ！がうちの家訓ね』 家族の話を楽しそうにする先生 『でも残念ながら男運ないんだー』 最初の彼氏は大学に入ってすぐの合コンで知り合った奴 『処女ってわかった瞬間に女友達に乗り換えられた』 そして次はニート

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③④】 お金は取られるわ 暴力振られるわ 『もー今思えば最悪でしょー』 「いやいや…笑えんし」 そして あいつ 『不倫なんてしないって決めてたのにな』 割り切ってるつもりだったと 『いつの間にか本気になってたのよ』 そう言ってタバコの煙を吐いた

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③⑤】 『奥さんとは仲良くないとかさ。何で信じちゃったんだろうね。2人目だって。あんな子どもにデレデレした顔…見たくなかったなー』 机に頬づえついて グラスのお酒を回してる あの時 すれ違ったときの幸せそうな顔はなくて どっか遠くを見てる感じな顔の先生

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③⑥】 「先生見る目ないわ。あんなん全然かっこよくなかったし」 『ふふふ。本当にね。スーツ姿しか知らなかったしねー』 ちょっと笑ってくれた先生にホッとする そのあとも色んな話した 『大学生活楽しんでねー。あ、いい大学行くんだからちゃんと勉強もしなよね』

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③⑦】 店を出て フラフラしながら上機嫌で歩いてる 俺の前を歩いて さっきから上ばっかり見てて 俺が居らんかったら泣いてるんやろか ってぼんやり思った そっと近づいて ギュって手を握った びっくりした先生 「先生危なっかしいわー」

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③⑧】 笑って手を振って歩く 先生のマンションに着く 「先生鍵は？」 『安田くん部屋まで送ってくれるのー？』 普通に来てしまったけど お酒一滴も飲んでないのに 身体が熱い気がする 『部屋あっちねー』 玄関で、 玄関で帰ればええよな

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ③⑨】 鍵を開けて 中に入ってく先生 靴を脱いでるのを見つつ 「先生…俺…」 『安田くんはいってー』 「え？いや、あの…」 『いいじゃん。いいじゃん』 促されるまま中に入ってしまう 先生はそのまま寝室に入っていって ベッドに寝転がった

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④⓪】 「あの、先生俺…」 『水…』 「え？」 『水ほしい…』 「え？ちょっと待っててくださいね！」 俺はキッチンに走って 冷蔵庫を開ける ミネラルウォーターのペットボトル持って寝室に戻った 「先生水もっ…」 500mlのペットボトルを床に落とした

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④①】 「なっ、何してるんですかっ」 俺は慌てて後ろを向く 『安田君、今日のお礼にエッチしてもいいよ』 「いや…あかんでしょ！」 『安田君初めて？私じゃ嫌かな？』 ベッドの上 下着姿の先生が居って 嫌じゃないけどさ… そりゃ何回も想像した先生の身体やけどさ…

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④②】 チラッと見るとまだそのままの姿の先生 「あのっ…あかんって…そんなん…」 『はぁーあ。つまんないの。安田くんもう帰っていいよ』 「先生…？」 もう一度見ると 顔を逸らして ちょっと震えてる先生 「ちょっと失礼します」

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④③】 着ていたジャケットを先生に掛けて 後ろから抱きしめる 『もう帰ってって言ったのにっ…』 「こうゆう時は1人にしたらあかんって…」 『何よそれ…』 最初は静かに すぐに声を出して泣きだした先生 抱きしめる事しか出来ひんかったけど 先生が泣き止むまでそうしてた

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④④】 『ごめんね…』 どのくらいたったかわからへんけど 先生はそっと離れて行って 部屋着に着替えた 『ちょっとスッキリした。ありがとう。安田君』 「いえ…」 『終電なくなっちゃうから…もう…』 「今日はここに居たらダメですか？」 『ダメよっ…高校生なんだから…』

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④⑤】 「うち、放任主義なんで、メール一本でよう大倉んちとか泊まるんで大丈夫っす」 それに… “1人にできないです” って言ったら 『何よ。一丁前に安田君らしくない』 って軽く鼻摘まれた 「あの、先生？」 『何？』 俺の落としたペットボトルを拾ってる先生

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④⑥】 「俺、先生の事が好きです」 『そ、そう…でも私は今は…』 「本気です。今は返事は要りません。卒業式まで。それまで考えてください」 『や、その…』 「年上がダメなら、年下で試してみたらいいやん」 困った顔の先生に近づく ちょっと引いた先生を捕まえて抱きしめる

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④⑦】 「まだ2カ月あるから。先生も本気で考えてや？」 『わ、わかったから離れてっ…』 ちょっと顔の赤い先生にニタニタが止まらへん 「今日のお礼は、一晩抱きついて寝る事と…」 『何…？』 ちゅっ… 「ファーストキス。さしてもらうこと」

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④⑧】 呆然としてる先生が面白い その後は シャワーを借りて これでもかってくらい先生に抱きついて眠った 先生より少しだけ早く目が覚めて 寝顔も見れて幸せな朝 「先生。振ることを前提にしたらあかんからな」 『何よそれ…』 「ま、2か月あるしな」

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ④⑨】 『安田君…人変わったみたい』 「そりゃ、今チャンスやしな。じゃ、また明日」 高校生活の最後 授業が無くなろうと関係なく学校に向かう 先生は案の定俺を避けるけど そんなんお構いなしに屋上に強制連行する日々 そして迎えた卒業式の日…

クラゲの秘密のお部屋 @04_kurage

【先生 ⑤⓪】 体育館に入って先生を探したら 紺色のワンピースを着てて 目があったけどすぐに逸らされた 昨日 “明日、屋上で待ってます” って送ったメールに返事はなかった 校長先生の話も 来賓の挨拶も 全然頭に入って来なくて 式が終わって教室に戻る