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はち公。 @funkastic_8er
1 [愛されたい] その欲求は乾くことなく この乾きを癒せるのは ただ1人・・・運命の人 [愛されたい] その出会いまで 僕達はあがき、叫び続けるから だから 君に出会えたその時には どうぞ 僕を愛して その出会いまでに傷ついた 僕らに 愛を #僕らに愛を pic.twitter.com/HVv7V7Bg4l
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2 ・・・いつからだったろう 定期的に見る お決まりの夢 私はその中で 痛む胸を抑えながら 必死に手を伸ばし その人の名前を呼んでいて ────でも 誰の名前なのかはわからなくて その人が 涙で滲んだ世界の向こうで 私の名前を呼び返す 『栞乃!!』 #僕らに愛を
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3 《栞乃!かーーの!!》 「ふぇっ」 夢現から 私を現実に引き戻したのは 「裕・・・くん?」 幼なじみのその人だった 《ったく、早めに来て正解やったわ》 「うー?」 《うー?ちゃうわ! 栞乃、お前今日が何の日か 忘れてるやろ?》 今日? はて #僕らに愛を
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4 ゆっくりと カレンダーに目を向けると 太めの赤ペンで ぐるぐる丸がしてあって 【入学式】 「・・・げ」 その傍らには おろしたての制服が佇んでいる 《30分やるわ それまでに用意出来へんかったら お前おいて俺、先行くからな?》 「・・・あい(泣)」 #僕らに愛を
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5 フルスピードで着替えて 用意された朝ごはんをかきこみ まったく・・・と呆れて笑う 母さんに見送られながら 私は家を飛び出す すると 隣の家の前に 自転車に跨って私を待つ裕くんがいて 《30分・・・と、2分オーバー 明日同じ事したら置いてくかんな?》 #僕らに愛を pic.twitter.com/ro9VyqC8x1
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6 そう言って笑う 彼の自転車の後ろに 私はちょこんと飛び乗った 《ちゃんと掴まりや?》 「うん!」 返事と共に 自転車は走り出し ぐんぐん スピードを上げる 《大丈夫?》 その速さを気遣ってくれる裕くんに 「うん!気持ちいいレベル!」 と返した #僕らに愛を
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7 自転車が向かうは 私の新しい学舎 ・・・2つ年上の裕くんは その学校の先輩にあたる 歩くには少し遠いけど 自転車ならそんなもん この道のりをこれから毎日通うんだ ・・・しばらくの自転車時間の後 《ほれ、着いた》 目的地について 私はそれから降りる #僕らに愛を
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8 「ありがとう、裕くん!」 《いえいえ》 慣れた手つきでそれを 駐輪場に片付ける彼を見守っていると 遠くから 聞き慣れた声 〈かーーの!!〉 その声にハッとして振り返る 「彩香!おはよー!」 視界に飛び込んだのは 中学で出会った 親友の彩香だ #僕らに愛を
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9 〈栞乃!早くクラス割り見に行こ!〉 「うん!」 《彩香ー、あほ栞乃頼んだで?》 〈あいよー、まかしとき♡〉 ワイワイとやり取りした後 裕くんは真っ直ぐ玄関へ 私と彩香は そこから少し離れた掲示板に向かう その後姿を 見ていた存在には気付かなかった #僕らに愛を
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10 ────クラス割りは散々なもので 彩香とは離れ離れ (しかも1組と10組とか・・・遠い) ため息をつきつつ 向かった教室の黒板に書いてあった 自分の座席に足取り重く向かう (大丈夫かなぁ・・・私) 中学は ずっと彩香と一緒で おかげで楽しかった #僕らに愛を
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11 彩香は明るくて 自然と人に囲まれるキャラ だけど私は・・・ 人見知りで 彩香の後ろに隠れてるタイプ (でもな!このままはダメやもん! 頑張れ私!) ふん!っと気合を入れて顔を起こすと ・・・バン 目の前のイスに 大きな音を立ててカバンが置かれた #僕らに愛を
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12 「へ・・・」 驚いて そのカバンから そこに伸びた手から その先にある その人を見る 「あ・・・」 するとその人もこっちを見つめてて (・・・え!?何!?) 気のせいかと思ったけど その視線は逸らされることなく 思わず私も 見入ってしまう #僕らに愛を
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13 沈黙を破ったのは その人の声 『・・・栞乃?』 ・・・え? 私の名前 知ってる? 『栞乃・・・やんな?俺・・・分かる?』 え、え? この人? 「ごめん・・・わかんない」 思わず正直に答えると その人はふって笑って 『そか。ならええわ』 #僕らに愛を
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14 そう答えると 私に背を向けて 前の席に座った ・・・私は慌てて 事前に配布されていた名簿を見る 目の前に座った彼の名は 【安田章大】 (やすだ・・・しょうた?) 記憶を遡っても ピンと来なくて ────それが 私と彼の 新しい【始まり】だった #僕らに愛を pic.twitter.com/dbYcGGDo2G
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15 私の前の席の安田君は 不思議な人だった いつも大きなギターケースを抱えてて だけど軽音部ではなくて 明るく染まった髪を 先生に怒られつつも 成績は上の方で 人の興味を引きつけるのに 誰にも興味を示さない一匹狼で ・・・何より私への態度が、なんか #僕らに愛を
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16 「ひぁっ!」 教科書忘れて慌てていたら 『ん』 って貸してくれて 「安田君大丈夫なん?」 そう聞いたら 『今日の分 ノートに写してあるから大丈夫』 なんてすごく優しかったり (あれ、次移動!) 移動教室に困ってたら 『俺の後、ついてき』 #僕らに愛を
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17 そう言って 少し前を歩いてくれたり ・・・優しい人? なのに 「ねぇ、安田君」 『ん?』 「私達、どっかで会ったことある?」 『・・・なんで?』 「だって・・・私の下の名前知ってた」 入学式の時 私の名前を 呼んだことに触れると #僕らに愛を
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18 『・・・あれはすまん 気のせいや』 それ以上何も 言ってくれなかった ──────〈安田章大・・・ねぇ?〉 中学からずっと一緒の 彩香に聞いても 何もピンと来なくて 〈裕くんも知らないの?〉 「うん。たぶん知らない 聞いても、さぁ?って・・・」 #僕らに愛を
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19 〈じゃあ・・・人違いちゃう?〉 「うーん・・・」 なんか納得いかないけど 思い当たらないものはしょうがない そう思ってため息をついてたら 〈へーぇ?〉 目の前の彩香が笑ってて 「・・・なに?」 〈いやー?〉 「なんよ!」 〈いやぁ、ね?〉 #僕らに愛を
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20 〈栞乃が、誰かに興味持ってるん 何気に初めて見たかもw〉 「え・・・」 〈中学ん時もさぁ 好きな子おらんかったやん?〉 「や、そうやけど・・・」 〈最近はほら、安田の話題多いw 今日はノート見せてくれたとか こんな話したとかw〉 「それは・・・」 #僕らに愛を
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21 その時の感情を 恋と呼ぶには まだまだ未熟な気がしていた ────だけど 少なくとも 確実に 私の心の中に 安田君が どんどん 広まっている事は 自覚していた #僕らに愛を pic.twitter.com/Ku5bAmsYO4
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22 ただ・・・ 正直あの頃の私には悩みがあって 〈栞乃ー!ご飯食べよー!〉 毎日彩香と昼ご飯を食べるのだけど 彼女に誘われる度 [不釣り合いだよねw] って陰口を言われている事に 気づいていたし 《俺も今日、一緒してええか?》 #僕らに愛を
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23 たまに裕くんも 一緒に食べると大変で [何あの1年。また横山君とおるよ] [あの子、毎朝 横山君と通ってるんやで] 女子からモテまくりの裕くんと居ると 先輩に睨まれたりして 〈・・・気にせんくてええよ、栞乃 言わせとけ、あんな性悪ども〉 #僕らに愛を
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24 彩香はそう言って 睨み返してくれてたけど 「うん・・・」 私は小さくなる一方だった 結果・・・ クラスでは一緒に居られるような 仲良しも見つけられず (さすがに・・・キツイなぁ) 彩香がいない休み時間は ひたすら本を読んで誤魔化した #僕らに愛を
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25 ひとりで居る事にようやく慣れてきた 1年の秋になると 「あ・・・」 新手が出てきて 〈栞乃?どうしたん?〉 「ん、なんでもない!」 靴とか荷物を置いてるロッカーに たまに・・・その・・・メモがあって [ブス!目障り!] [横山君から離れて] #僕らに愛を
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