気鋭の地政学者が語る:国際政治から観る、「コントロール」・「意識」・「イメージ」

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Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

今さらながら、今回のエジプト危機と、ウォルト本を訳した時に実感したことがつながったので、ここでメモ代わりに一言。世界中のどの国の人々も、例外なく「我々の政府は外国勢力にコントロールされている」と感じるものだということ。これには例外無し。

2011-02-14 01:11:53
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

もちろん私はこのような「外国が自分たちの国をコントロールしようとしている」というのは、ある程度までは事実だと考えているし、実際にそういう動きはあるとは思うのだが、問題なのはこの考えの中に「コントロールされている自分たちは完全に無力な存在である」という前提が散見できること。

2011-02-14 01:17:56
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

これを日本の例で考えてみると、たしかにアメリカや中国の中に「日本の政治をコントロールしたい」と考える勢力があるのは事実であろう。ただし彼らがどれほど自分たちの「思い通り」にコントロールできているかどうかと冷静に考えてみると、「それほどできていない」というのが妥当なところかと。

2011-02-14 01:25:29
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

なんといっても、日本人というのは外から見ると、かなり不可思議な独自のロジックで動く、意味不明な非西洋人なのだ(苦笑)人間というのは自分というひとりの人間をコントロールするのでさえこんなに苦労するのに、集団、しかも一億人以上の国家となれば、その困難さは想像を絶するものだ。

2011-02-14 01:28:49
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

しかしあらためて言うが、「日本をコントロールしたい」という勢力は確実に存在する。ただしその意思を実現させるためには、日本側にもそれに呼応する勢力がいなければならないし、さらには日本側からもその勢力を「遵法戦略」などでコントロールできるのだ。つまり「タンゴは一人じゃ踊れない」のだ。

2011-02-14 01:32:59
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

ここで私自身も肝に銘じておかなければならないのは、「日本だってコントロールしている」、「日本だって相当パワフルなアクターである」という事実。単に外国勢力からコントロールされているだけの無力な存在だったら、これだけ長年にわたって世界第二位の経済規模を維持できるはずはないかと。

2011-02-14 01:37:43
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

そのような事情から、私を含む日本の論者や識者たちの最大の問題点として挙げられるのは、彼らが国家戦略を論じる時に「日本は外国に完全にコントロールされている無力な存在である」という前提から無意識に語ることが多いこと。これは一面で真実なのかも知れないが、それでも完全な事実ではない。

2011-02-14 01:55:24
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

「日本は外国にコントロールされている無力な存在だ」と考える場合の最大の害ととして挙げられるのは、これが「サード・イメージ的」な見方、つまり「自分たちでは何もコントロールできない」という無力感を生むこと。そのロジックとして、今の状況は「自分ではない誰かさんのせい」ということになる。

2011-02-14 02:11:59
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

「誰かさんのせい」にするというのは精神的には楽なんですが、ここでの問題は「自分たちが頑張れば状況を変化させることができる」「自分たちには選択肢がある」という思考を奪ってしまうこと。ここはあくまでも「ファーストイメージ」的に「自分の運命を変えることができるのは自分だけ」と考えたい。

2011-02-14 02:15:43
Okuyama, Masashi ┃奥山真司 @masatheman

長くなったので、以下のことは数日以内にブログのほうにまとめようかと。

2011-02-14 02:17:15