白野つゆりの記録 黄昏町の怪物

黄昏町の怪物
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千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 「ごめんなさい…ごめ、なさ…」 未練、執着、恋、全部 焼かれたはずのそれらは、灰の中から蘇ることを許されない。 『思い出しては、だめ…私達は、そう決めたから』 優しい手が私の肩に触れる。

2016-08-15 13:35:38
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 私達、そう、私と、貴方…幾たび超えてもあの人を、想い続けた私達は、 想いも恋も何もかも、此処ですべてを忘れ果て、 そうして還ると決めたのだから。 行こう、逝こう、きっと炎も想いもすべて、黄昏に還して溶け消える。

2016-08-15 13:36:21
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa そうしてまた、この黄昏に生まれくる。

2016-08-15 13:37:00
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 廊下の先へと歩き出す。 黄昏の葬列、粛々と。 廊下の先の空の色、赤々と燃える黄昏の、渡り廊下の其の先に、 待ち受ける■を望みながら。

2016-08-15 13:37:23
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa …さようなら、私を独りにしなかった、貴方。 暗転。

2016-08-15 13:37:51
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 死亡五回目、【魂-2】 【魂3/力1/探索1】『猫目(探索+1、力+1)』

2016-08-16 18:48:55
千紗🔞 @et_vulnerant

[ハンドアウト]気が付くと、君は土手に座っている。口の中が甘い。キャラメルを食べていたようだ。《開始地点[町]shindanmaker.com/541547#黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541552 垢間違った

2016-08-14 00:29:32
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa ごお、と、風が、川べりを駆け抜けていく。 眼を開ける。 背の高い彼岸花に埋もれる様に、膝を抱えて、座り込んでいた。 口の中にほのかに残る、甘い味。 いつかしょーこちゃんと二人で食べた、キャラメル。

2016-08-15 17:59:56
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa …忘れていないことに、安堵して。 立ち上がって、胸から下げたペンダントを開く。 ぱちん、と 軽い音を立てて開いたその中には、私と、しょーこちゃんと…それから 歪に、焼け焦げた跡…風に煽られて、飛んで往く欠片。

2016-08-15 18:00:30
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 「…さよなら」 黄昏の空を仰いで、この恋にお別れを。

2016-08-15 18:01:23
千紗🔞 @et_vulnerant

[町]狭い路地に立ち塞がる異形の男。「通行料、貰おうか」《アイテムを1つ渡すなら見逃され力8以上は勝利【魂+1】、それ以外は死亡【魂-1/異形『棘(力+2)』『猫目(探索+1、力+1)』のどちらかを入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547

2016-08-14 00:29:55
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 川沿いの土手に沿って歩く。 風が髪を巻き上げて、銀色の髪が茜に染まる。 ざわざわ、ざわざわ、葉擦れの音。 懐かしい、音。 それは私の記憶にはなかったから。 少し、悲しくて。 逃げる様に、黄昏と影の落ちる町並みへ、往くことにした。

2016-08-16 18:36:29
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 寂れた商店街の、シャッターの下りた店の間。 しょーこちゃんと行こうと思っていた喫茶店の、 その入り口によく似た路地裏があって、 ついふらりと、足が向いた。 臙脂色の煉瓦のアーチを潜って、 アイビーの垂れる、石造りの壁沿い。

2016-08-16 18:36:45
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa そう、こんな風に、好奇心に駆られて迷い込んだ、 あの喫茶店の、入口が、すぐそこに… 足早に、いつしか駆け足になって、 飛び込む様に見た曲がり角の向こうには。

2016-08-16 18:36:55
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa …ただの煉瓦の壁だけが、まっすぐ続く、薄暗い路地。

2016-08-16 18:37:02
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 「そう、だよ、ね…ここに、あるわけが」 此処は黄昏の町。 夜も朝も訪れない、黄昏のままに時を止めた、町。 『何がないって?』 唐突に掛かる声に、俯いていた顔を上げる。 ぱっと、目につくのはその腕、 いつか私を救ってくれた、鬼のそれ。

2016-08-16 18:37:18
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 猫の様な光彩の瞳が、私をじっと見つめている。

2016-08-16 18:37:36
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 『なぁ、人の話聞いてるか?』 「あ、の…ごめん、なさい」 苛立った様に掛けられた言葉が、少しだけ怖い。 でも…まともに話が出来るのは、 あの病の匂いのする場所であった、彼以来で。

2016-08-16 18:37:47
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 「知っている、お店のあった場所と…ここが、よく、似ていて…」 『そうかよ、そんだけか』 「…はい、それだけ、です」 『で?』 なんだろう…何を求められているのか、分からなくて困惑する。

2016-08-16 18:38:03
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 『お前さぁ、ここ通るの?』 「えと、いえ…」 通るのは、いけないのだろうか。 なら、引き返して… そんなことを考えるうちに、その人は舌打ちする。

2016-08-16 18:38:12
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 『もっとはっきり喋れ!うぜぇ!』 だん、と、壁を叩くその人の腕。 ひび割れ落ちる、壁… 息を呑んで、後ずさる、急なその激高が、恐ろしい。 『イライラするんだよお前!』 大股で、此方に近づいてくるその人。

2016-08-16 18:38:21
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 『泣けば許されると思ってんのか?ここで、そんな考え通じると思ってるのかよ』 腕を掴まれる、走る痛み。 「ごめ、なさ…」 痛い、怖い…どうして、私を怒るの、私が何か、悪いことをしたから。 吐き捨てる様に、その人は笑う。

2016-08-16 18:38:38
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 『謝られてもな、俺は今怒ってる、見ればわかるな?』 こくり、頷く、腕はまだ、離してもらえない。 『だったらわかるだろ、なんか寄こせ』 『そうだな…ここを勝手に通ろうとした、通行料、ってやつだ』

2016-08-16 18:38:53
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 「私…なにも、もって、なくて…」 痛みに顔をしかめつつ、言っても、 その手の力は強まるばかりで。 「い…たい…」 『あ?あるじゃねぇか。それ、寄こせ』 「え…?」 つと、指さされたのは私の胸の…ペンダント?

2016-08-16 18:39:04
千紗🔞 @et_vulnerant

@garetisa 「どう、して…」 咄嗟に、疑問。 『魂が籠ってる。そういうもんは、特にな』 たましい。 唇の端を吊り上げる様に、哂うその人に、 似つかわしくない単語。

2016-08-16 18:39:13
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