とよねさんの「小説について語ろう!」

とよねさんが小説のことについて語ったり、質問に答えてくれたりしたことをまとめています。※随時更新 とよねさんの小説ブログ「冷凍されたオシドリとチューリップ人の王国」  http://reitouoshidori.blog.fc2.com/
書籍 小説 文学 小説の書き方 創作談義 創作について 竹の子書房
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# はじめに

・文中に例として出てくるとよねさんの著作はこちら、
 「冷凍されたオシドリとチューリップ人の王国」
 http://reitouoshidori.blog.fc2.com/
 ――に掲載されています。

・文章の「演出方法」について
とよね @Toyo_ne
「文章読んでてなんか怖い」とか、「ホラーじゃないのに怖い」と言われることがよくあるけど、不安感を煽る小説文の書き方って確かにあって、私が気付いたやり方では「文章が成立する程度に主語を抜く」っていうのがある。
とよね @Toyo_ne
これに気付いたのが『壊れた太陽の王国』だったか『Magic flare』だったか忘れたけど、『Lirica』のときには応用できるようになっていた。『失語の鳥』なんかそうで、あの「何が起きてるか分からないけど確実に全てが悪いほうに向かってる」感は、主語が少ない文章で成り立ってる。
とよね @Toyo_ne
画像がその例で、文章を冒頭から読んでた人は「主人公(テス)は両手を縛られて拘束されているから手を動かす動作をしたり喋っているのは女だけだ」というのがわかるんだけど、抜粋すると誰が動いて誰が喋ってるのか途端にわかりづらくなる。 pic.twitter.com/lTlcS9bZfF
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とよね @Toyo_ne
あとアクションシーンとの兼ね合いが難しかったけど、相手との遠近感もできる限りぼかしている。カメラを持って場面を見てそれを文章に書き起こしているのだとしたら、明らかにカメラに収まり切らない場所にあるものや出来事も書いてある。そういう違和感の積み重ねで「不安になる文章」ができている。
とよね @Toyo_ne
たぶん、私のこの書き方は、国語の教科書とか文章読本的な基準では十中八九「悪文」と言われることになる。 でも私は小説文に決まりはないと思ってる。よく叩かれてる絵文字や顔文字だって、それが表現したいニュアンスにもっともふさわしいと思うなら迷わず取り入れればいいと思う。
とよね @Toyo_ne
私の文章の書き方は自分の身体感覚、今の話では「近視・乱視」という一部分から成り立っているなあって思う。身体感覚と文章は切り離せない関係にあるなあと。そういう微妙な技術は読んでるだけでは気付かないし気付かれない。
とよね @Toyo_ne
こういうことを話すのは、他の人にも試してもらいたいからなんだよね……もしよかったら。
とよね @Toyo_ne
キャラクター小説書いてる人は無意識にわかってると思うけど、得体が知れない登場人物の「得体が知れない感」って、台詞数と内面描写の比率で決まるところが大きいと思うんだ。よく喋るのに心理描写がないか、あっても乏しければその感じが出る。こないだ公開した小説の椙山光がそうなんだけどね。
>こないだ公開した小説の椙山光 

「虹よ、契約の虹よ 〈彼方の年代記〉」
 http://reitouoshidori.blog.fc2.com/blog-entry-372.html
 第三話 今日も世界は美しい ~3 months ago~
 ――こちらに登場するキャラクターのこと

とよね @Toyo_ne
あと言うまでもない事だけど、一人称小説が成功するかどうかは、ほぼほぼ主人公と作者の相性で決まるよね。
最初の質問 ・「会話」について。
クロミミ @kuromimigen
@Toyo_ne もしよかったら、「会話の続け方」、「会話と会話を繋ぐ地の文に気を配っていること」を教えて下さい。
とよね @Toyo_ne
【1】先ほど頂いた2つのご質問うち、まず「会話の続け方」についてお話ししたいと思います。小説の中の会話には必ず目的があるはずですが、それは ①キャラクターを提示するため ②物語を提示するため ③背景(世界やバックストーリー)を提示する為 の三つに分けられると思います。
とよね @Toyo_ne
【2】と言っても、その三つが明確に分かれているわけでなく、三つの要素を含みつつその比率が違うという場合が大半じゃないかと思います。 私が自作の小説の中で好きな会話文を、次のツイートから引用してお話しさせていきたいと思います。
とよね @Toyo_ne
【3】例としますのは拙作『〈アースフィアの戦記〉鳥籠ノ国』12章3節の会話文です。次のツイートから未読の方のための説明も少し交えさせて頂きます。 pic.twitter.com/5mWQVv9A6x
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とよね @Toyo_ne
【4】例に出した場面に登場する人物は二人。一人目はハルジェニクという男性で、過去についカッとなって幼馴染の婚約者を強姦のうえ殺害し、父上にもみ消してもらったというアレな経歴の持ち主。二人目のイノイラはその弱みを握った親族の一人で、事情があって金をせびりに来たわけですね。
とよね @Toyo_ne
【5】ストーリーライン作成段階で、この二人の会話シーンを入れる目的は以下のものでした。 ①ハルジェニクの生い立ち~殺人事件に至るまでの内的な経緯の説明。 ②実際の事件の全貌を明らかにする。 ③会話の末にハルジェニクにイノイラを殺害させ、ストーリー上での扱いの転機とする。
とよね @Toyo_ne
【6】さっきの3つの分類でいうと、「背景の提示」がまず第一にあり、その次に「キャラクターの提示」「物語の提示(この会話によって物語が次の段階に進むから)」がある。 で、「その会話場面を挿入するそもそも目的」を明確にすると、「何を話させるか」「どう繋ぐか」が大体見えてくる。
とよね @Toyo_ne
【7】つまりこの明確化によって、「会話の続け方」の問題はあらかた解決しちゃうわけです。あとは自分が実際に人と会ったとき、どう会話するかを当て嵌めていくといい。 まずは挨拶をすると思うんですよね(好意的か否かは別として)。なので、
とよね @Toyo_ne
【8】例文から流れだけ抽出すると、「挨拶→近況報告→相手の用件を伺う→それを受け入れるか否かによって相手との関係性を過去に遡って提示(目的①の達成)→その勢いで回想シーンに突入(目的②)の達成」で、このあとまた会話(祝儀を巡る交渉)に戻るんだけど、もうこのときには読者にとって、
とよね @Toyo_ne
【9】ハルジェニクとイノイラの関係は、登場シーンからもう変わってしまってるんですね(「二人の関係が変わった」んじゃなくて、「読者から見て二人の関係の見え方が変わった」のであることに注目)。画像は回想シーン後の会話。 pic.twitter.com/V0vEgup1Z9
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とよね @Toyo_ne
【10】で、そういうプロセスを経て「変わってしまった関係性」の中の会話文によってイノイラがハルジェニクに劇物をのませ、ハルジェニクはブチギレてイノイラを殺してしまう(目的③の達成)。「読者から見て変わった二人の関係」だったのに、実際に二人の関係が変わってしまう。
とよね @Toyo_ne
【11】そこにある種の「小説と読者のキャッチボール」というか、快感があると思うんですよ(私だけかもしれないけど)。
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