C90新刊『太平洋における電子と情報の戦争 1935-1945』書評
- okura_mikura
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風虎通信新刊情報。お知らせが遅くなり、申し訳ございません。コミックマーケット90は3日目(8月14日)西む36bに配置していただきました。今回の新刊は2冊になります。
2016-08-12 02:19:521冊は「太平洋における電子と情報の戦争 1935-1945」です。第2次世界来戦時の日米における、無線、レーダー技術の歴史を社会情勢などを踏まえながら、まとめていただきました。著者はおなじみの水城徹さんです。 pic.twitter.com/yUC9hp5Tdx
2016-08-12 02:20:22今日頒布を受けた頒布物。 pic.twitter.com/oxdL78wBpc
2016-08-14 20:53:33ミリタリ島で頒布を受けたもののなかで、ミリタリーなものはこれだけやも pic.twitter.com/IjriAFzu4C
2016-08-14 21:03:15風虎通信『太平洋における電子と情報の戦争1935-1945』 文面もさることながら、この写真を見た瞬間、以前もっさりさん( @TFR_BIGMOSA )が語っておられた航空機無線機の話と脳内で噛み合って、「うぉぉお!」となるなど。 pic.twitter.com/XRAXag3FZD
2016-08-14 21:10:18"海上では、海という良導体が問題を解決してくれる""海軍はそもそも艦載電気機器の大半が船体に設置してリターンの電線を節約していた""海軍の電気機器のノイズ対策は、船体と海という低インピーダンス導体に甘やかされていたのだ"
2016-08-14 21:20:24"海軍の艦載無線機設計は一貫して接地がシャーシと接続するだけで、電池のマイナス側に接続していなかった""地上を離れると、接地の電位を安定させるのは、筐体シャーシと電気的に接触している寄生容量だけになる"
2016-08-14 21:24:48"だからしばらく飛んでいるとそのうち寄生容量が全て充電されて接地電圧がふらつき始めて、無線機は使い物にならなくなった" もっさりさん( @TFR_BIGMOSA )が書いていた「飛んでしばらくしたら使えなくなる無線機」ってこういう流れだったんすねえ!
2016-08-14 21:28:11「4:日米の化学と電線」とかタイトルからもう直球でビンビンですよ! 日本側の電線の仕様と、それをマイクロ波伝送の導体に用いた際の問題点及びその背景と、至れり尽くせりの内容ですわ pic.twitter.com/djp2y9nHkE
2016-08-14 22:01:46『太平洋における電子と情報の戦争1935-1945』読んでるんだけど、戦前の状況として、対外情勢の悪化による海外からの科学技術吸収の途絶とその影響がこれでもかというぐらい記載されてて、「許して……。もう許してクレメンス……。」ってなる
2016-08-15 00:03:37"日本においては、制御は工学の問題であり、科学界には誰も研究者がいなかった""自動化、機械化の概念は存在し、フィードバック機器の開発もあったが、独立した制御の概念は存在しなかった" 自動空戦フラップとか魚雷のPID制御……は、工学由来か。
2016-08-15 00:20:04"制御工学の不在は、化学プラントや製鉄所において極めて深刻な問題となった""国産鋼の品質の問題には炉内温度の安定の無さがあった""海外ではパイロメーターと組み合わせての温度制御が行われていたが、国内の製鉄所では熟練工の勘が頼りという状況"
2016-08-15 00:41:44荷物整理で戦利品確認してたんだけど、風虎さんの新刊、太平洋における電子と情報の戦争 1935-1945、にすごいな…なんだこれと驚愕してる。労作だし、目のつけどころいいしでびっくりだわ。
2016-08-15 01:00:02コミケの成果 その5 風虎通信 福間晴耕「ソビエト・ロシアの固体燃料式ICBM RT-1からTopol-Mまで」 水城徹「太平洋における電子と情報の戦争 1935-1945」 どちらも力作。 この2冊は当店で委託販売いたします。 pic.twitter.com/eoqhsgy5bZ
2016-08-15 16:15:14水城徹さんの『太平洋における電子と情報の戦争 1941-1945』(風虎通信)読んでるけど「3:日米の無線通信」ですでに日本の科学技術のライフがゼロになって「4:日米の化学」では完全に息をしてない状態で非常に辛い。
2016-08-15 21:59:21水城さんによると1930年代半ば以降、軍需が民間経済を圧迫したため独自の研究開発が行われず、コピー主体の電気工業は理論面が脆弱で海外からの文献流入も途絶えて停滞した。例えばそれ以降の概念であるEMIを知らない日本の機器は、真空管の品質以前にケースの遮蔽がガバガバだった。
2016-08-15 22:21:46もう読んでて気分が暗澹になってくる同人誌で、俺なんでこんなに自分が鬱になりそうになる本買ってんだろ、と思えてきます twitter.com/tsukasafumio/s…
2016-08-16 06:12:33コミケ戦利品 太平洋における電子と情報の戦争 ソビエト・ロシアの固体燃料式ICBM 前者は日本での情報の取り扱いと品質管理が泣けてくる pic.twitter.com/p8zA9I2DV1
2016-08-16 08:47:50宇宙の傑作機については20日17時から販売開始です。 事前の予約が受け付けできませんので、17時のホームページ告知をご覧の上 お申し込み下さい。 よろしくお願いいたします。 pic.twitter.com/PMprIEDalO
2016-08-16 12:00:30宇宙の傑作機別冊「ソビエト・ロシアの固体燃料式ICBM」の委託販売の件ですが、くだん書房さんよりアナウンスが出てるのでそちらをご覧ください。 twitter.com/kudan2002/stat…
2016-08-16 15:16:09水城氏の本を読んでから深田正雄『軍艦メカ開発物語 海軍技術かく戦えり』(光人社)読み直すとなあ...著者は海軍技術中佐で戦後は松下のテレビ事業で技術本部業務部長までやった人なんだけど、水城氏の指摘してる問題点がまさに視点からすっぽ抜けてるのよ...所詮エッセイではあるが...
2016-08-16 15:24:30水城さんの本については中岡哲郎先生の「日本近代技術の形成」(朝日選書)が補助線になります。戦前の日本の電気技術がダメダメだったのは、単なる技術への無理解とかマネジメントの失敗には帰しえない、日本の工業化それ自体に内在する問題がはらんでいました。
2016-08-16 23:02:18明治から大正にかけての日本の工業化は、紡績繊維や製鉄製鋼、蒸気機関などにより達成されました。すでに先行する欧米で確立していた産業技術のキャッチアップだったのです。これに対し電気技術は、明治維新後の1870年代に電話や電球が発明されたという新しい工学であり産業でした。
2016-08-16 23:05:39これが意味するのは、新発明の特許権を握る企業が利益を占有し、巨大化した独占企業の研究所に資金が投入されるというR&Dのサイクルの誕生でした。1879年に最初の電気工学士を送り出したばかりの日本には、この企業間競争に参入する可能性そのものが、最初から無かったのです。
2016-08-16 23:10:03