BBB劇場【メタルガルド戦記】#1

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

「スゴイ騎士殿」訓練所に駆け込んできた軽装の男が、装飾鎧の騎士の前に跪いた。伝令のエンデューロである。「ジューテイ国王陛下よりこれを」彼は書状を取り出し、恭しく差し出した。「ありがたい」鎧騎士はテッカメンポを外す。隠されていた赤茶けた長髪と端整な男の顔が露わになった。

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

彼は階級スゴイ騎士、名をブラッディスウェットという。彼は代々鉄鉱山で働く貴族の家に生まれ、将来のツルハシグランドマスターの地位が約束されていた。だが、鉄鋼暦873年の悪疫流行で両親が死亡し、その際のゴタゴタで彼の家は権威を失った。慈悲なき貴族社会は、彼から未来を奪い去った。

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

ブラッディスウェットはエンデューロから書状を受け取った。書面には『ホシイヒトハヤメクル』とだけ書かれていた。「陛下がお呼びだ」エンデューロに礼を告げ、ブラッディスウェットは更衣場へ移動。鎧をキャストオフした。そして礼服に着替え、腰に細身の剣を差し、国王の座す鉄の城へと向かった。

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

（取締役会行為のため中断 続きは後日に致します）

ジューテイオン @juteion_smynin

『重金属』『音がかなり大きい』 #BBBtxt

ジューテイオン @juteion_smynin

エンデューロ＝サンダー！ブラッディスウェット強そうな！ #BBBtxt

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

【AAAHDDUB】

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

訓練場から城までは城下町を通り抜ける必要がある。「スゴイ騎士殿だ」「ワースゴイ」「ナンカスゴーイ」人々が道行く彼を見とめ、口々に賞賛する。彼の階級は礼服のマントに大きく書かれた『スゴイ』のルーンカタカナが示している。「ただのスゴイ騎士じゃないぜ……。見ろあの筋肉……屠竜の騎士だ」

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

ブラッディスウェットは人々の賞賛を背に姿勢を正し、決断的に前へ。通りの家の屋根に寝転がってリンゴを齧っていた軽装の女剣士が、気怠げに彼を一瞥した。「あれが屠竜の騎士……なるほどのう」跳ねるように屋根の上に立ち上がる。「確かに筋肉はあるが、あの竜を殺すほどのワザマエ者か……？」

アジャイトー @agito710515

古風な喋りの女 #BBBtxt

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

「テメッコラー！」彼女に向かって怒号が飛んだ。見下げれば、屋根の下に黒の鎧の集団。「アイエエエ！」市民が悲鳴を上げる！彼らは一斉に邪悪なボウガンを構えた！「冗談かの？」「テッコラー！」斉射！彼女はリンゴを投げ捨て、迫る矢に向かい手を翳した。「マ・ジツ！」一瞬で矢が蒼炎に包まれた！

アジャイトー @agito710515

いいねぇ、この世界だと蒼い炎はよく馴染む #BBBtxt

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

「我輩を追ってきたか？権力の犬に過ぎぬオヌシらに我輩が倒せるか？マ・ジツ！」彼女はさらに鎧の集団に手を翳す！「グワーッ！」今度は鎧の集団が燃え上がる。蒼い神秘的な炎に。「アイエエエエエ！？」市民が逃げ惑う！「む、騒ぎを起こすのは本意ではない」彼女は屋根を跳び渡り何処かへと消えた。

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

ブラッディスウェットは背後で起こった騒ぎに気付き、振り返った。既にそこには黒鎧の集団も女剣士も存在しなかった。ブラッディスウェットは地面に転がっている齧りかけのリンゴを拾い上げようとし、そのあまりの冷たさに取り落とした。地面にぶつかったリンゴは、小さな音を立てて粉々に砕け散った。

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

----------

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

玉座にて上等なステーキ肉を喰らうが、我らがジューテイ王である。「ブラッディスウェットはまだか」「まだ10分しか経っておりません」大臣ニンジャが答える。「そうか」王は付け合わせのジャガイモを頬張る。「マ・ジツ研究の進捗は」「進捗ダメです」「そうか」王は瑞々しいトマトにかぶりつく。

アジャイトー @agito710515

グワーッメシテロ！ #BBBtxt

キャスカール @H_u_s_k_a_r_l_

進捗ダメです #BBBtxt

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

「マ・ジツ。創造神に乞いその全能の一部をもって世界を書き換える技術……その研究が芳しくないということは、我らがメタルガルドの民の信仰心が足らぬということか」「やはり大聖堂を一つ潰して精肉工場にしたのはマズかったのでは」「先王の無計画な大聖堂乱造の……」そのとき、扉が叩かれた。

アジャイトー @agito710515

先王も今の王も結構エゴ強めね？ #BBBtxt

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

「ブラッディスウェットが参りました」「入れよ」扉が開き、礼服のスゴイ騎士が首を垂れて入室した。「大臣」ジューテイ王が食べ終わった皿を押し付ける。「しかし騎士風情と陛下のみにするわけには」「席を外せと言っているのだ」「アッハイ」大臣は渋々、皿を厨房へと運んで行った。「頭を上げろ」

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

ブラッディスウェットが顔を上げると、ジューテイ王は玉座でなく目の前にいた。「よく来てくれたな」「陛下ご機嫌」「ヤメロ、俺は今、王じゃなく、お前の友人だ」目の前の男は笑みを見せた。「ドーモ、ジューテイオン＝サン。ブラッディスウェットです」彼は立ち上がり、対等なアイサツを行った。

アジャイトー @agito710515

ユウジョウ #BBBtxt

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

「要件から言うぜ。お前の2階級特進が認められた」ジューテイオンは辞令を渡した。「議会の貴族連中が渋って時間が掛かったが、これでお前も晴れてテンサイ騎士だな」「俺がテンサイ騎士……」「何せ街を騒がす竜を倒したんだからな！お前を騎士に任命した俺に間違いはなかったってわけだ」

ブルータルブラインドビースト @aaahdduBBB

力無き貴族となったブラッディスウェットを救ったのは、盟友ジューテイオンであった。ジューテイオンは彼をニンジャ騎士に推薦し、センキョで王位を得てからはそれとなく彼を重用した。「個人の贔屓は世論とかに悪いんじゃないか」「それを実績で納得させてるのがお前だろうが！自信持てよ」