BBB劇場【メタルガルド戦記】#1
- ahiruchan_phi
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「ところでそろそろ聞かせてくれよ、お前の竜討伐の話をよ」ジューテイオンは床にアグラした。およそ王らしくない振る舞いである。「街をカラテシャウトで騒がせたあの巨竜、バタリングラム・ドラゴンの話を」ブラッディスウェットは辺りを見回し、他に人がいないことを確認して座り込んだ。「ああ」
2016-08-14 17:12:37しかし、おお、見よ。ブラッディスウェットの警戒を掻い潜り、窓にびったりと張り付き部屋の中の様子を窺う軽装の女剣士を。厳重な警備をものともせず、身一つで城の最重点にまで忍び込んだというのか。そして彼女はいかなる目的で、ここで鼻息荒く王と騎士を垣間見しているのであろうか!
2016-08-14 17:15:57正直、ドラゴンは予想外だった 私そのままのやかましさでドラゴンのサイズになってみろ、そりゃ討伐されるわ #BBBtxt
2016-08-14 18:28:13黒鉄の城下町は堅牢なメタル外壁に囲まれ、非常に高い防衛能力を備える。しかしその壁は法と無法を隔てる、可視化された境界線でもあった。夜な夜なカラテシャウトを吼えては人々の安眠を脅かす巨竜バタリングラム・ドラゴンは、西の壁のすぐ近く、仄暗く巨大な森の中に現れた。
2016-08-19 21:47:34ブラッディスウェットはスゴイ鎧とニンジャソード、ニンジャシールドの装備でドラゴンと対峙した。彼は竜を討つために、この森に足を踏み入れたわけではなかった。西の森には、メタルガルド騎士の聖地とも呼ばれる石碑がある。類い稀なる戦闘の才を持ちながら若くして命を落としたとされる騎士の墓標。
2016-08-19 21:51:25その参拝の帰り、急にブラッディスウェットの視界が暗がった。それが背後に立つ竜の巨体により、森に差す僅かばかりの太陽の光さえ遮られたためである、と理解するには時間が必要だった。「Yeeearttt!」大気震わすカラテ咆哮に身が震え、足が竦むまでの一瞬。咄嗟の行動が生死を分けた。
2016-08-19 21:55:53ブラッディスウェットは体を伏せた。バキバキと音を立てながら、何か巨大なものがブラッディスウェットの背を掠めた。それは巨竜が引き抜き、周囲を薙ぎ払った、森の巨木であった。一刻遅れて、薙ぎ払いに巻き込まれ折られた周囲の木々が倒れてきた。ブラッディスウェットは地面を転がり、回避した。
2016-08-19 21:59:32バタリングラム・ドラゴンは折れた巨木を捨て、両手を合わせた。アイサツをするかのように。ブラッディスウェットは一瞬迷ったが、アイサツを返した。「ドーモ、ブラッディスウェットです」竜を中心とした円形空間の木々が無残、薙ぎ倒されている。巨竜の暴力にブラッディスウェットは戦慄した。
2016-08-19 22:03:07「Yeeearttt!」竜はそばにあった比較的破損が少ない巨木を担ぎ上げ、ブラッディスウェットに向かって突進してきた。ブラッディスウェットは反射的にニンジャシールドを構えた。直後、シールドに巨木が叩きつけられた。受けきれぬ。「グワーッ!」騎士は蹴られた小石の如く、宙を舞った。
2016-08-19 22:07:16