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べいひでお(なんかしあわせ) @Veyhideo

@ayuran 島の大人たち、特に父の世代は人の気持ちを察するのに長けている。クロッシングを重ねれば僕も分かるようになるのだろうか。総士の瞳が隣を歩く芹を映す。アルタイルと一合合わせた勇気ある島の戦士。コアの守護者。今となっては記録にしか残っていない全盛期のファフナーパイロットだ

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@ayuran 現状、得難い戦力であることに間違いない。戦士としてもアルヴィススタッフとしても効率的に運用しなければ。(違う！)難局であることは彼女も理解してくれる。(よせ！)きっと協力してくれる、いや、協力するしかないはずだ。(止めろ！)思考がネガティブな悪循環に陥って行く。

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@ayuran 「総士君？大丈夫？」救いの手は悪しき思考の対象者から齎された。どうやら足が止まっていたらしい。「すみません。少し、考え事を。」それならいいのだけれど、と芹は言うと「ほら、着いたわよ。」と岩戸へと総士を促した。ワルキューレの岩戸。ブリュンヒルデシステムが置かれる場。

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@ayuran そして島のコアが眠る座でもある。「開けるわよ。」岩戸が開く。海底で10余年の歳月を経ても、ここのシステムは問題ない様だ。部屋の中央に配置された人工子宮(コアギュラ)に小さな胎児が浮かんでいる。新たな島のコアだ。芹が強化ガラスに手を当てる。「こんにちは。織姫ちゃん」

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@ayuran そう声をかけた芹の胸を、違和感がじわじわと覆っていく。「・・・あれ？織姫ちゃんじゃない？」「そうですね。コアは新たな生命の循環に入りました。」違和感に気付いた芹に総士が肯定の言葉を投げる。「うーん、『新しいコア』じゃなぁ・・・。3番目だから三姫ちゃん・・・とか？」

べいひでお(なんかしあわせ) @Veyhideo

@ayuran 「流石に安易すぎでは…。」総士の返しに芹は不服そうにむうっと呻ると「総士君も一緒に考えてよ。」と言った。「僕がですか！？」そうそうと期待を隠そうとしない笑顔で彼女は回答を促す。まいったな。そう呟きつつも、促されるまま思考に入っていく。名前を受け継ぐのは悪くない。

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@ayuran 織姫。織。居る。織る。「居織・・・とか。」「あなた達が付けた名前ならどんなものでもコアは喜ぶわ。」総士が回答した刹那、二人の前に、コアに寄り添うように青白い影が降りてきた。島のコアの前任者。「織姫ちゃん！」そう、皆城織姫の思念体だ。駆け寄った芹が織姫に手を伸ばす。

べいひでお(なんかしあわせ) @Veyhideo

@ayuran 「ごめんね。芹ちゃん。肉体はもうないの。」決して届くことのない芹の手を両手で包み込む。「ごめんね、芹ちゃん。あなたから沢山のものを奪ってしまったわ。」「そんなことないよ。そうだとしてもそれは私が選択した結果だから。」かぶりを振り、泣いて謝る織姫を優しく否定する。