『#広報艦隊』

艦これ二次創作である。 艦娘は機械であり道具である。 提督はその使用者である。 ※自分用まとめな
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赤肩 @fuyutuki67

臭いがしない、人間ならば必ず臭いが立つ。しかもあの厚着、いつから着ているか分からない状態でこの季節にあの姿で異臭一つない。頼むから別の車両へ行ってくれと願ったが同乗者はよりにもよって私たちの目の前に座ってきた。 #広報艦隊

2016-08-30 02:21:44
赤肩 @fuyutuki67

妙高は臨戦態勢、私は銃の安全装置を云々などまどろっこしい事をせずすぐに飛び逃げられるように身体の重心を傾けていた。「マあマあ、ソんナ物騒な姿勢シないデ下サイよ」分かる、壊れた声だ。発声機器が壊れたか集積言語処理機能が壊れたかは分からないが同乗者は間違いなく壊れている。 #広報艦隊

2016-08-30 02:26:30
赤肩 @fuyutuki67

「アンタを、をー、を、ヲー、を待っテいたンダ」不意を突かれた私を見てカラカラと音で笑ったそれは再度訳の分からない事を発声してきた。「私をですか?」一応会話が成り立つならばまずは会話をする。人間が人間たる業の一つだ。「そう、まずはジーこ紹介。わダしはRE、君のトモダチ」 #広報艦隊

2016-08-30 02:31:58
赤肩 @fuyutuki67

戦艦の砲を持ち空母の艦載機を並べこちらの射程の外から雷撃を放ち潜水艦を叩いてくる存在、敵でトランプを作れと言われれば間違いなくジョーカーに据える存在。ジョーカーとは他の全てが役に繋がらなくてもその一枚でゲームを決められるだけの存在であり、他と絡めばゲームすら壊す存在。 #広報艦隊

2016-09-01 01:57:42
赤肩 @fuyutuki67

「わたしはRE」妙高の雷管を叩くには十分な衝撃だった。しなやかな脚が的に向かい擦り出し、爪先と眼線を合わせ星を固め、撃ち抜くべき場所へ間合いを詰める。脇は絞められ上半身は屈められ右脚は撃ち抜く的の前、左脚は打撃を支える為地面を掴む、曇り無き教本通りの打撃姿勢だ。 #広報艦隊

2016-09-01 02:08:28
赤肩 @fuyutuki67

的は椅子に座った直後、回避は困難。人間と機械の差は多くあるがこの場に限れば身体制御の完全一致を行える者が機械であると断言できる。効果的な打撃を行うに際して真っ先に意識しなければならない部位は拳では無く腕を打ち出す胸部と軸にブレを生じさせず身体を押し出す脚部だ。 #広報艦隊

2016-09-01 02:13:46
赤肩 @fuyutuki67

その姿は鳥のようだった。鳥は飛ぶ際に両翼は挙動誤差が無く、身体が一定角度で固定されている。妙高も同じように己の行うべき行動の最適解を実行した。同乗客の胸元へ致死の一撃を撃ち出した。破裂音が車内を走った。あの間合いで渾身の拳を撃ち込まれる、例え戦艦であっても十分な一撃。 #広報艦隊

2016-09-01 02:22:33
赤肩 @fuyutuki67

しかし妙高は直様次の行動に移った。その同乗者は風に押された暖簾のように身体を捻り横へ倒して妙高の打撃を回避していた。姿勢を戻し身体を戻して間合いを再度取ろうと試みる艦娘を同乗者はニコリと笑い見送った。今の一瞬で返礼するには十分だろうに。「止まれ」私は停戦命令を出した。 #広報艦隊

2016-09-01 02:29:01
赤肩 @fuyutuki67

「オや?てっキリ次ハその脚がクると思ッたんダけどナ」同乗者は長椅子に身体を預けまるで今から昼寝を始めるかのような余裕だった。「殺す時には当たる弾だけを撃て、基本中の基本です」「ザンねン、その脚ナラ枕に丁度良サそウだと」肘を立て手で己の頭を支えている。 #広報艦隊

2016-09-01 02:34:26
赤肩 @fuyutuki67

「先程、妙な事を仰ってましたね」目を逸らし何の事だといった表情を浮かべる同乗者、どこまでも自分のペースで話したいようだ。「ワタしはマジメなんダ」「真面目ですか、ではそんな真面目な貴方に伺いたいのですが先程仰られた”トモダチ”とは一体どういう意味か教えて頂きたいのです」 #広報艦隊

2016-09-01 02:38:25
赤肩 @fuyutuki67

「ソのマまの意味ダよ、トモダチよ」当たり前の事を聞く方が妙だといった表情。「そのまま。生憎私は友人が少ない身でして、失礼ながら貴方の事は皆目見当も」当たり前だ。どこの世界にあんなのと友達の人類がいるか。両者の歯車は噛み合っていないどころか接触すらしていないようだった。 #広報艦隊

2016-09-01 02:42:55
赤肩 @fuyutuki67

「ヒドイ、ワタシは君の、ノ事は良ク知ってイるよ。あーアー、チョッと待っテくれ喉の調子ガ」そう言うと目の前のそれは自分の口に手を入れ喉の辺りを指で弄り始めた。「あ、あっ、ガー……はァン♡」指の引き抜いた時漏れ出た声には色艶が戻っていた。 #広報艦隊

2016-09-01 02:48:33
赤肩 @fuyutuki67

「すまないね、ここ、感じるのさ」指先で喉元をなぞりながら目線を溶かすそれを私は極力視界から消し回答を待っていた。「あー、何の話だったかな」「”トモダチ”の意味です」茶番だ。「君と私はトモダチだ、ただそれだけの意味だが?」こいつどこまで。「そんな怖い顔しないでくれよ」 #広報艦隊

2016-09-01 02:53:51
赤肩 @fuyutuki67

「いや、待て、あー、正確では無いか。言い換えよう。君と私は良いトモダチになれるのさ」「そうでしょうか?カフェで語らうより殺し合う関係の方が私と貴方にはよく似合うと思うのですが」「カフェか、いいね。今度のデートはそれにしよう」上機嫌で一方的な会話を進めている。 #広報艦隊

2016-09-01 03:03:27
赤肩 @fuyutuki67

「……質問を変えましょう。何故友人になれるのですか?」なんとかこちらのペースにしなければ脳が煮立つ。私はそう考えて、地雷を踏んだ。「この前、街で君と艦娘が歩いているのを見つけてね。その時少し機嫌が悪くて君を吹き飛ばして遊ぼうと後をつけたんだ」 #広報艦隊

2016-09-01 03:07:43
赤肩 @fuyutuki67

『吹き飛ばす』冗談でも比喩でも無い文字通りの意味に聞こえた。それが遊びの範疇か、実力からすれば十分な遊びだ。「でも貴方は私を吹き飛ばさなかった」「そう!」急に目を見開き興奮しながら身体を起こす。「君はあの艦娘を路地裏に連れ込んで……思いっきりブン殴っていただろう?」 #広報艦隊

2016-09-01 03:12:24
赤肩 @fuyutuki67

見られていた。こいつは私を見ていた。いや、それがどうした。なにも「いやー、私たち以外にあんな殴り方するやつがいるとは思わなくてビックリしたよ!てっきり犯すものだと思ってサイコウの瞬間で吹き飛ばそうとしてたらこれだ。あれ何?そういうプレイにしては気合い入っていたよね?」 #広報艦隊

2016-09-01 03:17:29
赤肩 @fuyutuki67

「いえ、そのような事ではありませんよ。私はただ壊れた機械を治すために叩いていただけです」何の為だかは分からないがこいつは私を追い詰めようとしている。ならば私はいつも通りの対応に徹すれば良いだけだ。「ンー?それ叩いて治るの?」妙高を指差しながら首を傾けている。 #広報艦隊

2016-09-01 03:21:43
赤肩 @fuyutuki67

「治りますよ。彼女も治って今では理想的な状態にまで戻りました」入力した事以外できない存在、自らを失った艦娘を彼は理想と言った。「そうなのか、いや分からないがいいや。話を戻そう、まずは連絡先を教えてくれ」「……何故?」「トモダチだから」「何故?」「夜は君の声を聞きたい」 #広報艦隊

2016-09-01 03:27:16
赤肩 @fuyutuki67

「残念ながらお教えすることはできません。理由は二つ、貴方は友人ではない、私は友人を選ぶ、以上です」話を続けるだけ無駄だ。トモダチとやらもこちらを弄ぶ為の戯言だろう。そろそろ妙高を動かして提督として最良の行動に移りたい。「君の友達、全部死んでるのにか?」 #広報艦隊

2016-09-01 03:32:15
赤肩 @fuyutuki67

刹那、脇に吊るした銃を抜き目の前のクズに向かい引き金を引いた。銃声が響き床に薬莢が落ちる。高い金属音が鳴ると同時に次弾が装填され俺はもう一度引き金を引いた。そして弾丸が二発ともクズの腹へ捻じ込まれたのを確認すると妙高へ命令した。「それを壊せ!!」しかし妙高は動かない。 #広報艦隊

2016-09-01 03:39:16
赤肩 @fuyutuki67

周囲を敵小型艦載機に囲まれていた。少しでも動けば車両ごと破裂させられる量の爆装を見せつけられた妙高は主人の護衛を優先して完全に動かない事を最良と判断していた。そして艦載機の主であり腹に手をあてているそれはうっとりとした表情で私を見つめていた。 #広報艦隊

2016-09-01 03:44:18
赤肩 @fuyutuki67

「その顔は初めてみる。殴っている時も仕事をしている時も食事をしている時も、夢に魘されている時も君はそんな表情を見せてくれなかった。それにこんなプレゼントまで」弾は腹部、丁度臍の下辺りに当たっていた。既に傷は塞がり長椅子に僅かなシミが残っている。「熱かったけど嬉しいよ」 #広報艦隊

2016-09-01 03:48:21
赤肩 @fuyutuki67

「今の弾がどこに入ってるか教えてあげよう。私の一番大切なところ、私の子宮を今も焼いているよ」「喧しい、そんな部品は無いだろ」「あるさ。なんなら見せてあげようか?」”RE”は腰に手を回しナイフを取り出して腹へ切っ先を付け微笑む。「結構だ。殺してから見る」 #広報艦隊

2016-09-01 03:53:46
赤肩 @fuyutuki67

次は胸へ撃ち込もう。銃を構え直したその瞬間、手元にあった銃は小型艦載機の機銃で弾き飛ばされた。「誘ってくれるのは嬉しいけどここじゃヤ、ベッドの上が、いやソファーの方が良いな。密着できる」積み、か。長椅子へ腰を落とし軽くなった懐から煙草を取り出し口に咥えた。 #広報艦隊

2016-09-01 03:59:14
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