Anniversary

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1 今日って何の日だったっけ？ すばるに聞いても知らないって言うし。 何だっけなー。 スケジュールには何も書いてないし。 誰かの誕生日だったっけ？ んー？ 『…あ！』 思い出した！ 「わかったん？」 …… 「おい」 …あー。 『…何でもない』 …あれかー。

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2 「何やねん」 『何もない』 頑なに言わないからイラついてる。 本当は興味なかったのに、多分もう意地。 『…知り合いの誕生日』 「…何で隠すねん」 何でって言ってるけど、もう分かっちゃったでしょ。 眉間に皺寄せて凄く機嫌の悪い顔してるもん。 あー…やっちゃった…。

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3 むっつり黙ったまま仕事に行った。 メール送っても返ってこない。 怒ってる。 いや、拗ねてる。 …同じか。 そのまま夜になって、帰っては来て。 無言で食事してお風呂入って寝室。 『…あの、…』 横たわる背中に声をかける。 『…ごめん、ね』

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4 何の反応もないから、諦めて隣に潜り込んで、背中を合わせて目を閉じた。 すぐにごそごそ動いて背後から抱きしめられる。 ちょっと安心して小さく息を吐いた。 「…毎年毎年…何回同じ事すんねん」 『…うん、ごめん』

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5 手がパジャマの裾から入ってきて胸を揉む。 乳首を指で転がす様に摘ままれて跳ねる体を、包むように力が込められる。 『ふッ…んっ、ぅ…怒って、る…？』 「…もういい加減こんなんで怒ったりはせんわ」 でも、気分悪かったんだよね。 嫉妬？ ごめん。

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6 そのまま朝まで。 焦らされたり止めてくれなかったり優しかったり激しかったり。 上も下も溺れそうに溢れて。 足の先から頭のてっぺん髪の先まですばるで汚されて、肌には痛いくらいの痕が無数に散った。

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7 頭がぼーっとして、何言われたりされてるのかわからなくなってたけど、はっきり覚えてるのがある。 「お仕置き」 「もう毎年思い出してもええよ」 「その度にこうしたる」 「年に一回、俺のもんって刻み込む日、な」 気持ちよすぎて苦しいんだけど、何か凄いふわふわして聞いてた。

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8 お仕置きなのにこんなに幸せでいいのかな。 もしかして夢かな。 ゆらゆら揺れる頭と体で思ってた。 次の日、溶けたまま目が覚めた。 すばるはいなかったけど、体中に纏わりつくすばるの残滓が嬉しくて、シャワーも浴びずに一日過ごした。

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9 昨日はあの人の誕生日だった。 でも、すばるに塗り替えられちゃったな。 ある意味記念日？ ふと香るすばるの匂い。 肌を思い出して背中がゾクリと震える。 知らず、笑みがこぼれた。