茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1877回「ビートルズの中の、ポール・マッカートニーだからこそできたこと」

脳科学者・茂木健一郎さんの9月5日の連続ツイート。 本日は、随想です。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1877回をお送りします。文章はその場で即興で書いています。本日は、随想です。

2016-09-05 08:05:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

ビートルズの楽曲の中で、『イエスタデー』や、『ヘイ・ジュード』、『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』は、何か特別な感じというか、アルバムで聞いていると、そこだけ、別の時間が流れだすような、そんな気持ちになる。

2016-09-05 08:07:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

これらの楽曲は、つまりはビートルズというよりも、ポール・マッカートニーがつくったのであり、彼が歌うのであり、そこには、ポールの個性がにじみ出ている。だから、レノン=マッカートニーの楽曲や、みんなで演奏する楽曲とは違った、はっとするような時間がある。

2016-09-05 08:09:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

『イエスタデー』や、『ヘイ・ジュード』、『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』は、「ビートルズ」名義ではなく、「ポール・マッカートニー」名義でも良かったはずだ。それでも、これらの楽曲が、ビートルズ名義で発表され、聴き継がれていることには、それなりの意味があるように思う。

2016-09-05 08:10:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

端的に言えば、「ポール・マッカートニー」単独ではなく、「ビートルズ」の中の「ポール・マッカートニー」だからこそ、生み出せたもの、醸し出せるものがある気がする。それは、考えてみると、ふしぎなことではある。

2016-09-05 08:11:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

グループの中で、個性を響き合わせて、みんなで力を合わせてなにかをつくる。それが、ある瞬間に、ふっと、ひとりで語り始めて、その人の個性が際立つ。しかし、その個性は、そのグループの中にあるからこそ、より素敵な佇まいを持つ。そんな不思議な時の流れが、あるように思う。

2016-09-05 08:12:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

脳の学習はつまりはパターン学習だから、ビートルズのアルバムを聞き、その中で、ふとポールの単独の楽曲が現れる時のたたずまい、そのみずみずしい雰囲気、そしてまたグループワークに戻っていく、その調子、流れを脳に叩き込むことは、人生における個と集団の関係のすばらしいレッスンになるだろう。

2016-09-05 08:14:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1877回「ビートルズの中の、ポール・マッカートニーだからこそできたこと」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。

2016-09-05 08:15:14