フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #2 「繭」

0
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #1 「交戦」 - Togetterまとめ togetter.com/li/1021823 @togetter_jpさんから

2016-09-08 21:48:07
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

(バケグモの群れを隠れてやりすごそうとした俺達だが、向こうのドジとこっちの判断ミスからやむ無く交戦する。ちっこいのを蹴散らし、後はでかいの3匹だけだ。背中に繭みてぇのを背負ってる奴が一匹いんのが気になっけど…ともかく油断せずにぶっ倒すぜ!)

2016-09-08 21:49:39
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

恵里は俺の刃と樹上を連続で飛び渡って撹乱し、最後の中グモを行き掛けに瞬殺、大グモの一匹の脚を半壊させる。同時に俺達も最後の小グモを全滅させた。大グモどもは俺達の足止めに加えて仲間を踏み潰さねぇ様ににしてたから、今追いついたところだ。殺気が強まってんのは気のせいじゃねぇだろうな。

2016-09-08 21:50:08
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

残った大クモは、今恵里に脚を斬られたのと、繭みてぇ塊を背負ったの、そして他より2割増しででデケえの、の3匹だけだ。第一陣の連中が引き返してくる様子も後続がいそうな様子もねぇ。 「さあ、一気に勝負をつけましょう。油断しないで!」 先輩の掛け声と共に決戦が始まった。

2016-09-08 21:52:12
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #2 「繭」 実況・感想タグは #禁森実況 でお願いします。

2016-09-08 21:53:02
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「恵里ちゃんは繭を背負ったクモをお願いします!礼太くんは大型を足止めして下さい。手負いは私が。片桐くんはすみませんが礼太くんを中心にサポートお願いします!」 先輩が指示を伝えなからレコードを空中へイジェクトする。周りに随行させてるサポートメカがこれを回収し、別のを放り投げる。 1

2016-09-08 21:55:43
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

俺もダメになった9枚の刃の代わりを剣本体から追加で切り離す。合計18枚を3匹に振り分けて放つ。これに合わせ先輩もレコードを装填。電子音が響く。 <fire /ペネトレイト!> 炎属性と貫通効果による徹甲弾。火が体内へ貫通してそこで留まり延々敵を苛み続ける割とエゲツねぇ奴だ。 2

2016-09-08 22:09:58
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

手負いのクモは左脚が前から3本まとめて切られている。残りは5本。1本だけでも意外に動けっから全部落とすのが理想だ。6本の刃を2組に分け、3枚の刃で脚1本を取り囲んで同時攻撃。これで右前脚2本を同時に落とす。バランスを崩し頭側へ崩れ落ちたクモへ先輩が容赦なく射撃を叩き込む。 3

2016-09-08 22:15:29
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

手強そうなのと戦うラッタには9本を回してやる。常に3本は足場用にする。3本ありゃローテで延々跳ばせっからな。残り6本で柔らかい部分を次々に切り裂く。致命打には程遠いが人間だって蚊柱に纏わり付かれて平気な奴はいねぇ。注意力を削ぎ、木の密集した方へ誘導する。 4

2016-09-08 22:23:36
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

ラッタはビームを抑え気味にして、打撃メインでヒット&アウェーを繰り返す。正直、やろうと思えばラッタ一人で瞬殺出来なくもねぇが、コイツらで終わりって訳じゃねぇ。これから北東に行くんだから余力を残してもらわねぇと。このデカブツは他2匹を仕留めてから4人で確実に殺るんだ。 5

2016-09-08 22:27:05
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

恵里には最低限の3枚だけ回した。繭の中身が例え小グモの大群だろうが爆弾的なもんだろうが、恵里なら一人でも負けねぇだろうし援護自体要らねえかも知れねえが、万一にも雪の上に落ちたらヤバいからな。…つってもさっきのジャンプで2枚蹴り壊されてっからあんま無必要に回したくねぇ。 6

2016-09-08 22:34:30
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

俺本体は、東側の先輩のところへ一跳びで行ける距離で様子を窺う。北のラッタにも二跳び、南の恵里には三跳びで行ける。この辺の瘴気濃度だと刃の操作範囲が20m程度だから等間隔を保ちてぇし、そもそも何分も連続で飛ばせねぇ。代わりを出して、刃を剣に戻して魔力を補給しなきゃいけねぇ。 7

2016-09-08 22:38:35
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

今、刃でなく俺自身が跳んで3人の誰かを助けに行くのは難しい。先輩と恵里どっちかのとこに跳べば、もう片方に送った刃が操作射程外になる可能性が高い。ラッタのとこなら二人を援護射程内に収められそうだがな。一番助けが要らなそうな恵里から離れてんのはそういう訳だ。 8

2016-09-08 22:47:04
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

…なんて色々考えたが、杞憂で終わりそうだ。俺が手負いの奴の脚を全滅させる間に、先輩は糸と毒の発射口を焼き払い、今は6枚の刃を飛び渡りながら剣モードで全周から斬り付けてる。 「ここはもう大丈夫です!」 止めを任せて6枚を剣に戻し、恵里に視線を移す。 9

2016-09-08 23:00:29
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

恵里もこっちと同じく脚と発射口を全滅させ、繭ごと敵を縦に真っ二つにしようとし…止めた。 (止めた?) 俺は慌てて、待機させてた刃を飛ばし、近くの樹上へ急ぐ。跳躍力が増したままの蹴りが容赦なく綺麗な刃を粉砕する。恵里は後ろ宙返りで、俺が飛び乗ったばかりの枝の上に着地した。 10

2016-09-08 23:06:49
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「うおっ…!なんだよ恵里!」 まだしなってた枝に揺れが加わり、危うく転げ掛かる。 「ねぇハル…あの繭…そもそも何?」 恵里が剣で繭を指差す。 「何って…小グモじゃねぇのか?バケグモ系が持ち運ぶ繭みてぇなのっつったら、そんぐらいしか心当たりねぇけど?」 11

2016-09-08 23:12:00
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

恵里は神妙な顔で、顎に手を当てながら続けた。 「ちょっと動いてたんだけど…」 「そりゃ動くだろ」 「なんていうか…クモにしては妙に二足歩行動物っぽい形っていうか…人間っていうか…」 「…それを早く言えよ!」 言われてみりゃ確かに大人一人分くらいのサイズだ。やべぇぞ。 12

2016-09-08 23:17:05
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

並列思考を総動員して策を考える。よし決めたぞ。 「恵里、鞘使え」 「え?うん」 俺は拾ってた恵里の鞘のロックを外して2つ目のダイヤルを回し、再ロックする。 <ファイヤー!シャープ!スキッピング!> やかましい電子音が鳴り響く中、恵里は鞘に納刀する。 13

2016-09-08 23:23:24
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「これで遠当て出来る。お前、今度は援護に回れ」 デカブツの弱点は直接戦ってるラッタのほうが詳しい筈だ。既に援護射撃中の先輩と共に恵里も離れて援護したほうが良さそうだ。 「うん。ハルは?」 「繭をバラす」 「あっ」 恵里の返事を待たずに俺は死に損ない目掛け、樹から飛び降りた。 14

2016-09-08 23:30:27
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

クモの体にS字刃を2本深く突き刺し、その上に乗る。剣の先端に傷みかけの刃を付けて繭を浅く割く。どっちが頭だかもよく分かりゃしねぇ。 「おい!生きてるか!無事か!なんか叫べ!」 クモに蹴りを入れてその体ごと繭を揺らす。辛うじて胸らしき場所は分かるが、輪郭がはっきりしねぇ。 15

2016-09-08 23:38:36
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

俺が繭と格闘してる間に、ラッタ達はデカいのと戦っている。俺も並列思考と16枚の刃で援護してるが、4本掛かりでも足が斬れねぇほど頑丈でやがる。なんとか2本落として12の単眼の2つも潰したが、俺単独ではそん程度だ。サシなら別の手も使えんだがな…いや負け惜しみじゃねぇよ? 16

2016-09-08 23:43:29
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「せりゃああっ!」 恵里の振りぬいた剣からS字のエネルギー波が飛ぶ。なんせ初めて使う技だ。ラッタのいるクモの前方や先輩のいる左前方への誤爆を恐れてか、離れた尻の糸発射口狙いの様だ。見事に命中し断面が燃え上がる。あれ、始めてだよな? 「跳んで!」 恵里が叫ぶ。 17

2016-09-08 23:51:20
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

ラッタがクモの上へ飛ぶ。糸はもうねぇ。代わりに毒液がを吹きつけられるが…。 <cyclone/シールド!> 風の盾に阻まれ、毒液がクモの顔にぶっかかる。暴れるクモの口に三連続でS字波が命中する。口から炎で焼かれたのともう一種類の煙が上がる。溶解液が内側に掛かったんだろう。 18

2016-09-08 23:57:41
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

クモが悶えて大暴れする。ラッタはしがみつきながら殴りつける。その隙に俺と先輩の総攻撃で、左脚がようやく全滅し… 「せりゃああっ!」 恵里の一撃で右側3本が吹っ飛び、こっちも全滅。自信無くすぞチクショウ。デカブツの巨体が地面に落下する。衝撃に備え、ラッタは高く跳び上がる。 19

2016-09-09 00:01:56