フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #4 「分隊」

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「フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #3 「生存者」」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1023347

2016-09-12 02:00:16
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「フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 まとめ」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1024051

2016-09-13 23:04:04
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「皆さん!これからのことを話します!こちらへ」 先輩が呼び掛けてきた。時々無線から聞こえた会話によると、女には後ろでクモ退治をしてることは話し、連中の持ってる繭のことは黙ってた様だ。繭の中身が無事でもこの女の彼氏とも限んねぇしな。俺達は二人のいる、俺らがさっき隠れてた穴に入った。

2016-09-13 23:18:36
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フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #4 「分隊」 実況・感想タグは #禁森実況 です。

2016-09-13 23:19:00
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雪穴は戦闘の余波とその後の処理で広くなっていた。5人でも広く座れる…長居はしねぇが。全員が座ると先輩が話しだした。 「これから隊を2つに分けます」 「「えっ!?」」 恵里達が驚くのも無理はねぇ。これから先はさっき以上に危険な可能性もあるんだからな…いや、そうするしかねぇのか。 1

2016-09-13 23:25:14
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「礼太くんは、この方を山小屋へ連れて行って下さい。残りの3人で北東に向かいます。後ろの承認を得てからですが…」 桐葉さんはさっきの俺ら同様、一時的に通信を切ってる。勘の良い妖怪だと電波や僅かな機械音にも気付くから念の為だ。数分すりゃ復帰すんだろう。 2

2016-09-13 23:34:44
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「待ってくれよ先輩!この人を置いてから、俺も…」 「桐葉さんたちでも、あの数を全滅させて小屋に着くには早くて20分はかかります。その間一人には出来ません」 山小屋は安全だが万一のこともある。何より未だに怯えてる女の様子を見れば、置いてけねぇのは明らかだ。錯乱しても危ねぇ。 3

2016-09-13 23:40:46
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「でも男と二人きりじゃこの人も…」 「お前、先輩は隊長で恵里はバーサ…最高戦力だぞ?」 恵里がきょとんとこっちを見てる。危ねぇ。何を言おうとしたか気付かれたら命は無かった。恵里は誉められたと思ったのか照れてやがる。先輩は俺を呆れと諌めの混じった目で見てる…はい、気を付けます。 4

2016-09-13 23:46:20
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「でもそれならハルだって…」 「俺にはコイツを使うっつう大事な仕事がある」 鞘に収めた双剣を指差す。この先は雪はマシになるが、代わりに枝の広い木が密集してる。空中に足場を作れる俺の刃の重要性は、むしろ高くなる。俺がいねぇ場合は、代わりにもう2・3人いねぇと危ねぇくらいだ。 5

2016-09-13 23:50:28
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「それにお前、そこそこバテてんだろうが。ついでだから休め」 「さっき寝たばっかだし…」 「もう、ラッタったらったったら……ってば冷静に考えてよ」 「お前の滑舌も冷静になれや恵里」 子供の舌で呼びにくい名前だからこんなアダ名になった筈だと思ったが、それを呼び損ねてどうすんだ。 6

2016-09-13 23:56:34
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「…よく考えてよ。ハルのほうが女の人襲いそうな顔してるじゃない」 「おい」 なんてことほざきやがる。 「確かに」 「ラッタてめぇ」 目付きキツいとか乱暴そうとかは言われるけど、そりゃねぇだろ…。 「………」 先輩も無言のまま神妙そうな顔で頷く。いっそ殺ぜチクショウ。 7

2016-09-14 00:06:20
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「…まずテメェから犯ってやろうか恵里」 「なっ!人前でなんてこと言うの!…あ、アレおかしいな剣が抜けない…しまったどうしよう抵抗できない」 ほざきやがれ。模擬戦の時、俺の剣を素手で全滅させた女が何を抜かす…。ゴム製の刃だったとはいえ、あの後で俺は泣いちまったんだぞ。 8

2016-09-14 00:11:49
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「あの…」 女が話しかけてきた。いけね。ふざけてる場合じゃねえ。 「3人だけで先に行く…んですか?」 なんつうか手探り感がある喋り方だ。恐れと敬意と大人目線での子供への態度が混ざってる。年下で命の恩人…でも化物をぶっ殺せる得体の知れねぇ化物連中を相手にしてんだから仕方ねぇか。 9

2016-09-14 00:18:10
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「はい。貴方の彼氏さんや他の方も捕まっている可能性がある以上、一刻も早く救出しなければなりません。取り敢えずは偵察だけで、実際救出に入るのは、後ろが片付いて合流してからになると思いますが」 先輩は淀みなくはっきり話す。途中、言い聞かせる様にラッタに目をやる。アイツも頷いた。 10

2016-09-14 00:21:52
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「無理はしないで…ね?あの人は心配だけど…でも…それで…貴方達に何か…う…でも…」 後半は嗚咽混ざりだが言いてぇことは分かった。本音としちゃ自分を置いてでもすぐ全員で突撃して欲しいくらいだろうぜ。 「大丈夫!こう見えて私達強いですから!」 恵里が鞘のままの剣を掲げて応える。 11

2016-09-14 00:31:20
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「こう見えても何もお前は強くしか見えねぇよ」 「え!…ま、まあ!そうよね!」 照れながら自慢げに胸を反らして見せる。瑠梨ほどじゃねぇが結構あるのが少し揺れる。誉めたわけじゃねぇが、貶したつもりもねぇしまあいいや…先輩の目線が痛ぇ。 12

2016-09-14 00:33:42
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それから先輩は、森の入口の大隊長…ラッタのじいちゃんに連絡を取り、計画の承認を貰った。基本は中央部隊の桐葉さんか部隊長のラッタの父ちゃんに指揮権があるが連絡が取れねぇんでな。で、生きてりゃ20人規模の生存者だと人手が足らねぇんで、待機要員を召集して救助に備えることになった。 13

2016-09-14 00:40:35
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更に3分ほどして桐葉さん達の通信が回復すると、この話を伝え両翼への言付けを頼んだ。ちょっと繰り返しになるが、森の入り口と桐葉隊、俺達は一直線に通信ケーブルで繋がってるが、両翼へは信号弾やドローンを使うしかねぇが、俺達からは遠い。桐葉さん達中央部隊がその担当だ。 14

2016-09-14 00:45:32
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「それじゃあ礼太くん。よろしくお願いします」 「はい!じゃあ行きますよ」 話がまとまったところで、ラッタは腰を屈めて後ろ手を広げる。背負っていくつもりだ。大人しく先輩のプランに従うつもりだ。桐葉さん達が到着した時の状況次第で、一人ですぐ来るか全員で来るかを決める予定だ。 15

2016-09-14 00:54:39
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女がラッタの背に乗ろうとしたが、先輩が止めた。 「もう!ダメですよ礼太くん、胸が当たっちゃうじゃないですか!」 「え!いや!そんなつもりじゃ…」 何言ってんのこの人。 「私は別に…」 ほら、女本人もこう言ってる。 16

2016-09-14 00:58:01
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「いいえ、ダメです。ここは両腕で抱きかかえていって下さい」 「それ余計ダメじゃないですか!?」 俗にお姫様抱っことか言うやつだろそれ。 「ホラあれですよ、おんぶだと雪に下半身が浸かっちゃいますしね」 言われてみりゃそうだが、今取ってつけたみてぇな理由な気がすんな…? 17

2016-09-14 01:03:03
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「じゃあ…抱えてきますけど…それで良いですか?」 「ええ大丈夫よ…大丈夫です。お願い…します」 ラッタは遠慮がちに問いかけてから、そっと女を両腕に抱えた。山小屋で新しく付け替えた通信ケーブルの横を、俺達が付けてきた足跡の上を、より深い足跡で逆向きに上書きしていく。 18

2016-09-14 01:09:45
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二人が30mほど離れた辺りで俺達も歩き出した。除雪機は取りに戻らねぇ。どうせすぐ使えなくなるんでな。代わりに恵里が先頭に立ち、熱の出るロッドを使って積もった雪を割いていく。流石に魔力残量が不安だったのか、歩き始める前に回復薬を飲んでた。普段はあんま飲まねえんだけどなコイツ。 19

2016-09-14 01:13:31
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「ところで先輩、さっきのは何だったんです?」 クモ共は桐葉さん達が始末した筈だ。小グモ1・2匹は残ってるかも知れねぇが、そん程度なら確かに腕が塞がっててもラッタは殺れる。とはいえ、雪も積もってんのに両腕を塞いじまうには、さっきの理由は弱い。 20

2016-09-14 01:15:42