横浜市の教科書副読本の何が問題でどういうアクションがおこなわれているかよくわかるまとめ #朝鮮人虐殺記述削除を許すな #横浜市教育委員会
- tanakazuhiko
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問題の経緯
2012年
波紋広がる横浜市立中学の副読本 歴史記述めぐる処分に研究者ら抗議の声(神奈川新聞)
横浜市教育委員会が市立中学校で配布した2012年度の副読本「わかるヨコハマ」をめぐり、騒動が起きている。関東大震災時の朝鮮人虐殺の記述について、一部市議が「歴史認識などに大きな影響を及ぼしかねない」と反発。市は手続きの不備などを理由に関係職員を処分した。
この対応に、複数の研究家や市民団体が「歴史的事実をふまえず、議会の一方的な批判に従うのは教育の中立公正への信頼を損ねる」と抗議の声を上げている。
神奈川新聞 2012年12月30日
http://www.kanaloco.jp/article/55804
副読本2012年版の記述に対する攻撃<改訂・回収から溶解処分へ>2012年〜
横山議員による記述への攻撃が最初でした(市議会常任委員会「こども青少年・教育」2012年7月19日)。産経新聞(6月25日付)がすでに副読本の記述を問題視する記事を一面トップで掲載していました。
横山議員の批判と要求は次のように整理できます。
批判
- 「軍隊、警察が虐殺」は、我が国の歴史認識や外交問題に極めて大きな影響を及ぼす。
- 関東大震災の殺害は「虐殺」とは言わない。「虐殺」の語句使用は不適切。
- 内容改訂に関する文書決済がない。
要求
- 2012年度版の記述を改訂すること
- 2012年度版はすでに配布しているので、それに対する教育的配慮を行うこと
- 2012年度版を回収すること
関東大震災研究ノートNo.118
2013年
右派が副読本歴史記述に介入した問題:横浜市(きょういくブログ)
副読本は、横浜の歴史や自然などについて記述されているという。問題になった記述は、関東大震災時の朝鮮人虐殺の記述について、軍と警察が虐殺に関与したとするものである。2012年度の副読本でこの記述が登場した。
しかし同年、虐殺関与を否定する立場の一部右派市議が市議会でこの記述を問題視し、教育委員会担当者はその場で「修正」を約束した。そして後日「2012年度版副読本改訂に決裁を受けなかった」と言いがかりをつけ、編集に関与した職員を処分した。
きょういくブログ 2013年1月2日
http://kyouikublog.wpblog.jp/2926.html
中学副読本で市民の会、横浜市教育長に回答要請書提出(神奈川新聞)
横浜市の中学生向け社会科副読本「わかるヨコハマ」の関東大震災時の朝鮮人虐殺に関する記述をめぐる問題で、市民団体の「歴史を学ぶ市民の会・横浜」(北宏一朗代表)は22日、山田巧教育長宛てに、同会の質問状に対する「正式回答要請書」を提出した。
市教委は同会が昨年11月に出した公開質問状の個別の質問には答えず、教育基本法に盛り込まれた愛国心教育を大切にするという趣旨の簡素な回答を今月9日、郵送で寄せていた。
北代表は「私たちの疑問は放置されたまま。きちんと答えてほしい」と話している。
神奈川新聞 2013年1月23日
http://www.kanaloco.jp/article/55061
横浜・副読本「虐殺」を削除――朝鮮人「殺害」に(週刊金曜日)
副読本は二〇〇九年度から一一年度まで、「自警団の中に朝鮮人を殺害する行為に走るものがいた」といった記述だった。昨年度から「軍隊や警察、在郷軍人会や青年会を母体として組織されていた自警団などは朝鮮人に対する迫害と虐殺を行い」と改訂されている。
ところが一二年六月二五日付の『産経新聞』が一面で「横浜市教委 書き換え」というタイトルで、「議論がある」部分を改訂したなどと批判。七月には自民党の横山正人市議が市議会で「『虐殺』という表現は中学生の副読本にふさわしくない」と攻撃し、山田巧前教育長もこれを認めて、「誤解を招きかねない」と、再改訂を確約した。
週刊金曜日 2013年7月9日
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=3475
2015年
市議会定例会(2015年2月24日)の質問と答弁
小幡議員は、グローバル人材育成の視点から市長、教育委員長、教育長それぞれに質問し、新副読本作成への答弁を引き出しています。
<教育委員長への質問>
日本及び本市の近現代史を学習することの重要性についての見解。
今田忠彦・教育委員長
- 近現代史学習は重要。残念なことに戦後教育の中では十分ではなかった。
- 歴史の光と影をバランスよく教え、学ぶことが大切。自国の歴史、文化を語れない若者では国際社会の舞台で通用しない。
- 誇り得る開国の地横浜の輝かしい歴史や伝統をしっかり学び、理解し、尊重しながら、我が国や国際社会の発展に貢献する人材になってほしいと期待している。
関東大震災研究ノートNo.118
2016年
関東大震災の朝鮮人虐殺 副読本の記述削除検討 横浜市(朝日新聞)
横浜市教育委員会が、独自に発行する中学生向けの副読本から、関東大震災直後に起きた朝鮮人虐殺についての記述をなくす方向で検討していることがわかった。研究者らは「史実をないがしろにしている」などとして9日、市教委に内容の変更を申し入れた。
市民団体「歴史を学ぶ市民の会・神奈川」が、今年度中に発行予定の副読本の原稿案を情報公開請求したところ、関東大震災の説明のうち、朝鮮人虐殺に関する記述がなかったという。
朝日新聞 2016年9月9日
http://www.asahi.com/articles/ASJ9865KRJ98ULOB00N.html
貴教育委員会に対して以下の要望をします。
- 政治家の教育介入による新副読本作成を断念し、「わかるヨコハマ」を復活させること
- 復活版「わかるヨコハマ」はちゅうがく一年生全員に配布すること。
- 復活版「わかるヨコハマ」には、関東大震災時における朝鮮人・中国人虐殺を改めて明確に取り上げ、災害時に流言・デマに流されない注意を記述すること。
歴史を学ぶ市民の会・神奈川
2016年9月12日
「朝鮮人虐殺」記述なし 横浜市、中学生向け副読本原案(神奈川新聞)
横浜市教育委員会が新たに作成中の中学生用副読本の原案に、関東大震災における朝鮮人虐殺に関する記述がないことが分かった。
市教委は「(朝鮮人虐殺の記述を)入れるか否かは検討中」と説明するが、これまでの副読本ではデマを信じた軍隊・警察や自警団に朝鮮人が虐殺・殺害された史実が記載されてきた。
市民団体は「このままでは教訓を学ぶ機会が奪われる」と歴史教育の後退を懸念する声が上がっている。
神奈川新聞 2016年9月10日
http://www.kanaloco.jp/article/198383