- shiroboshi2
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「ドーモ、はじめまして!ディセプションです」下卑た声がアイサツをした。アウトライダーはアイサツを返す。「ド、ドーモ、ディセプション=サン……アウトライダーです」「ヒャヒャ、ピカレスク=サンを殺したところまでは評価してやろう……薄汚れたサンシタにしてはよくやったとな」11 #S57Ninja
2019-02-06 23:34:13「……貴様らは何者だ。アマクダリ・セクトか?」アウトライダーは問う。ディセプションは嘲笑した。「違うなァ。違うぞォ……ヒヒッ」「……イヤーッ!」アウトライダーがスリケンを投擲する。「アイエッ、ヤメロ!」ディセプションは素早く回避。12 #S57Ninja
2019-02-06 23:42:19「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」アウトライダーは通常のスリケンと炸裂スリケンをランダムに投擲。「チィーッ!イヤーッ!」ディセプションは近くの壁に張り付く。すると、その身体が壁に吸い込まれるようにして消滅した。フシギ!13 #S57Ninja
2019-02-06 23:49:24警戒しながら、周囲を見渡すアウトライダー。ディセプションの姿は何処にも見えない。傷口から溢れ出る血が、彼の意識を乱す。(チィーッ、冗談じゃねぇぞ……こんなケチな依頼で命を落とすなんざ……)カラテを構え続けるアウトライダー。ドクロめいた月が彼を見下ろす。14 #S57Ninja
2019-02-06 23:54:25ZBRアドレナリンを注入するアウトライダー。その時、彼は己に向けられた視線に気づいた。視線の方へ振り返る。闇夜に溶け込むような漆黒のカラスが、彼を見つめていた。屍を晒すのを待っているかのように。「……クソが……イヤーッ!」苛立たし気にスリケンをカラスに投擲。15 #S57Ninja
2019-02-07 00:05:05カラスは翼を広げ、飛んだ。スリケンが宙を切る。漆黒のカラスは月の光を浴びながら、飛んでいく。「……?」アウトライダーは顔を顰めた。空に戻ることなく、再び地に降りていくカラス……そこに立つ影。漆黒の鳥は佇む影の肩に乗る。16 #S57Ninja
2019-02-07 00:11:30影は歩き出した。アウトライダーの方へ、ゆっくりと。アウトライダーは舌打ちする。またしても新手……それもニンジャだ。彼のニンジャ第六感がそれを告げている。「ドーモ、はじめまして。アウトライダーです」先手を取ってアイサツするアウトライダー。17 #S57Ninja
2019-02-07 00:19:34「ドーモ、アウトライダー=サン。エンプティネスです」影は淡白にアイサツを返した。雪のような白い髪と白い肌。華のような紅い眼。黒一色の、ローブに似たニンジャ装束。口元は襟で隠されている。背丈と外見は少年のようだが、放つアトモスフィアは子供の持つそれではない。18 #S57Ninja
2019-02-07 00:24:50影は歩き出した。アウトライダーの方へ、ゆっくりと。アウトライダーは舌打ちする。またしても新手……それもニンジャだ。彼のニンジャ第六感がそれを告げている。「ドーモ、はじめまして。アウトライダーです」先手を取ってアイサツするアウトライダー。17 #S57Ninja
2019-02-07 21:31:42「ドーモ、アウトライダー=サン。エンプティネスです」影は淡白にアイサツを返した。雪のような白い髪と白い肌。華のような紅い眼。黒一色の、ローブに似たニンジャ装束。口元は襟で隠されている。背丈と外見は少年のようだが、放つアトモスフィアは子供の持つそれではない。18 #S57Ninja
2019-02-07 21:34:32「次から次へと……!」アウトライダーはカラテを構え、エンプティネスを睨みつける。「やめておけ」エンプティネスは短く言った。その声は、少年のような外見とは裏腹に、低く、成人男性らしい声であった。「アァ?」アウトライダーが片眉を吊り上げる。19 #S57Ninja
2019-02-07 21:43:26「貴様のカラテは俺に劣る。その上、数の差がある。こちらは二人だ」言いながら、エンプティネスはアウトライダーの右側方を指差した。アウトライダーは電撃的速度でそちらを見る。彼の目に映ったのは、今まさにスリケンを投擲しようとするディセプションの姿であった。20 #S57Ninja
2019-02-07 21:49:47「……ケッ!命拾いしたなァ……」ディセプションは不服そうに言い、構えを解いた。アウトライダーは訝しむ。「何のつもりだ」「貴様に用はない。殺すつもりもない」抑揚のない声でエンプティネスは言う。「貴様の雇い主に用がある。契約を放棄しろ、フリーランス・ニンジャよ」21 #S57Ninja
2019-02-07 21:56:02「契約の破棄だと?何をバカな。俺はヨージンボーだぞ」アウトライダーは苛立たしげに吐き捨てた。フリーランスにとって契約の達成は実際重要だ。況や、利害で雇い主を裏切るような者を誰が雇うのか?そのような真似をすれば忽ちのうちに干され、闇社会からの信用を失うことだろう。22 #S57Ninja
2019-02-07 22:03:54表社会で生きてゆけず、闇社会でも生きてゆけずとあれば待ち受けるのは暗黒の未来。そんな末路は真っ平御免だと、睨め付けるアウトライダー。そんな彼を見つめながら、エンプティネスが静かに言った。「アウトライダー=サン。俺は仲間を集めていてな。ニンジャの仲間は好ましい」23 #S57Ninja
2019-02-07 22:11:12「ア?」首を傾げるアウトライダー。エンプティネスは続ける。「フリーランスの世界を捨てろ。ネオサイタマの雑多な野良ニンジャとなって、俺と共に来い。『ウゴノシュ』へ」そして彼は黒い手袋に覆われた手を差し伸べた。「負け犬のヨージンボーが生きてゆくための道だ。断るなら死ね」24 #S57Ninja
2019-02-07 22:19:31「……」アウトライダーはもう一本ZBRを己に打ち込んだ。そして暫し顎に手をやり、思考し……エンプティネスの前に歩み寄った。そして彼の差し伸べる手を取った。「来てくれるか」「……セプクする勇気も……殺される勇気も、持ち合わせてないもんでな」25 #S57Ninja
2019-02-07 22:24:11エンプティネスは頷いた。いつの間にかその傍に移動していたディセプションが不満を露わにしながら舌打ちをする。それを意に介さず、エンプティネスがアウトライダーに言った。「さて。用があるのは貴様の雇い主……ナオダカ=サンだ。案内してもらおう」「……あぁ」26 #S57Ninja
2019-02-07 22:29:08了承しながら彼の心に一抹の不安が過る。果たしてこれで本当によかったのか?生き残るための選択として、雇われ者の業を捨てることは正しかったのか?「アウトライダー=サン」低い声が促す。アウトライダーはZBRを更にもう一本自身に打ち込み、彼らをナオダカの元へと導き始めた。27 #S57Ninja
2019-02-07 22:33:01