茂木健一郎氏(@kenichiromogi)が語る「傘」

茂木健一郎氏が傘の思い出を連続ツイートしたものをまとめました。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(1)これから話すのはあまりにもロマンティックで甘いが、本当のことなのである。小学校3年生の私は、ひどいガキで、古野とか種村と暴れまわっていた。給食に出るローヤル・ゼリーが余らないかと狙っていた。

2011-02-19 07:12:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(2)余ったローヤルゼリーを吉岡先生からもらうと、古野とぼくはよろこんで、「ローヤルゼリーのそうじやさん〜!」と歌っていた。とにかく、ろくでもないガキだった。

2011-02-19 07:13:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(3)休み時間になると、校庭にうわーっと出て、ハンドベースボールをした。マジで打つとかなり痛い。それでも、わーわーがやがや打ちまくり、走りまくっていた。

2011-02-19 07:13:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(4)そんなオレたちと、女子との接点は全くと言ってよいほどなかった。オレも、別にどの子が好きとか、そういうことは全くなかったのである。ある雨の日の放課後までは。

2011-02-19 07:14:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(5)ある雨の日の放課後に何が起きたか、さてお立ち会い、まあまあ、まて、ちょっとお茶でも飲んで、ゆっくりしようよ。はあ。

2011-02-19 07:15:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(6)その日、オレは放課後の教室でなぜか一人残っていた。校庭を見ると、雨がしとしと降っている。そんな中を、Nさんが黄色い傘をさして帰っていくのが見えた。Nさんは、同じクラスで、今思えばクレオパトラのような人だった。

2011-02-19 07:16:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(7)Nさんが、雨が降る校庭を黄色い傘をさしてひとり帰っていくのを見ていたとき、突然、オレは、「ああ、この人がものすごく好きなんだ」と気付いた。それは、ワルガキだったオレにとって、驚愕の発見であった。0.1秒の間に、脳が「アハ体験」したのである。

2011-02-19 07:17:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(8)なぜ、オレは、あの時、Nさんに対する自分の感情に気付いたのであろうか。雨なのか、校庭なのか、黄色い傘なのか、それとも、珍しく教室にひとり残っているという、メタ認知をうながす環境ゆえなのだろうか。

2011-02-19 07:18:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

傘(9)オレがNさんの黄色い傘を見つめていた教室は、古い情緒ある木造の建物の中にあった。今はそれも取り壊されて鉄筋コンクリートになってしまった。あの時の時空と今のオレは、記憶という糸を通して辛うじてつながっている。

2011-02-19 07:19:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「黄色い傘」についての連続ツイートでした。みなさんは、どんな時に「この人が好きだ!」と気付きましたか? @kenichiromogi でつぶやいてね! ハッシュタグは #mlv (moment of love)にするのダ!

2011-02-19 07:21:07