フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #6「桐葉隊」

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「フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #5 「瘴気」」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1026124

2016-09-19 02:52:42
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(バケグモから助けた生存者をラッタに預けて、俺達3人は森のレベル3へと入った。瘴気が濃くなり本格的に危険になるところだ。谷に渡されたロープを渡ろうとしたところで、桐葉さんから連絡が入った。向こうでも一人、繭に捕まった生存者を助けたらしいが…?)

2016-09-24 00:20:40
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俺はリュックのケーブルを外すことにした。付けたまま渡んのは危険だし長さも限界だ。向こう岸には替えもある。腹の高さの石碑に偽装したコンソールで先輩が作業をしている。その隣で一度リュックを下ろし、ケーブルを抜こうとしたところで通信が入った。

2016-09-24 00:21:48
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「桐葉さん?遅かったな?」 一度倒した連絡は有ったが、それから30分間も通信が無かったんで何事かと思ってたところだ。 『悪いな。こっちも本部も…色々混乱しててな』 「どうしたんだ?」 『繭から助けた生存者なんだが…』 桐葉さんの言葉に俺達は耳を疑った。

2016-09-24 00:22:07
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フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #6「桐葉隊」 実況・感想タグは #禁森実況 です。

2016-09-24 00:25:43
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-約40分前(1時半頃) 『生きてたらこっちで助けるから安心しな…っと見えてきたぜ。後でな』 日高桐葉は、数百メートル前方の佐祐里達との有線通信を終えた。60m先にはバケグモの集団が見える。佐祐里達がやり過ごした一団だ。彼女達が除雪した道を利用し、移動速度が上がっている。 1

2016-09-24 00:28:48
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本来なら後続集団もろとも、佐祐里達や両翼の4隊と協力して包囲殲滅の予定だったが、事情が変わった。佐祐里達が後続集団に見つかったのだ。想定外が重なったやむを得ない事態だった。怪我の功名でこの集団は包囲するまでもなく殲滅出来たのが幸いだ。あとは目の前の先行集団だけ倒せば良い。 2

2016-09-24 00:39:15
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既に両翼の部隊はドローンと信号弾の連絡を受け、桐葉達の中央部隊へ集まりつつある。交戦開始には間に合うまいが、撃ち漏らしを仕留めて貰うことは出来る。敵の数は大型5、小型17。佐祐里達が倒した大型3・中型6・小型20と同程度。問題はこちらの戦力が佐祐里達4人より低いということだ。 3

2016-09-24 00:45:32
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桐葉隊は6名。人数・経験は佐祐里達に勝るが魔力量や耐魔力などで劣る。これは生得的な部分が大きく、鍛えて伸ばすのは難しい。大げさに車で例えると、プロが乗る中古一般車と初心者の最新スポーツカーの様な差である。実際は、そこまで極端な差ではなく、例えば桐葉と恵里はほぼ互角程度だが。 4

2016-09-24 00:52:18
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更に佐祐里隊には、一人で手数を増やせる片桐春夏がいる。彼込みの同隊は実質6・7人以上いるも同然だ。人数でも彼らに負けていると言っても過言ではない。桐葉隊は本来なら射撃で牽制しつつ後退し、左右の援軍を待ってから安全確実に倒すのが上策だろう。だが今は佐祐里達との合流を急ぎたい。 5

2016-09-24 00:58:29
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『あと50メートルを切りました』 樹上の隊員、田畑義奥(よしあき)からの通信だ。楽進盤より精度は落ちるが、誰でも使える汎用レーダーと、目視による観測だ。 「数は?」 『報告より少なそうですね。大型3と小型8は確認できます。残りは少し横に行ったっぽいです』 6

2016-09-24 01:07:25
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汎用品では正確な数や強さまでは分からない。本来はこれ程の大群が突然出ることは稀なので、それで充分でもあった。本部の探知機群をここに集中してもらいデータリンクすれば、楽進盤を軽く上回る精度も出せようが、北東の謎の反応は勿論、森全体への警戒が疎かになるのでそうもいかない。 7

2016-09-24 01:17:53
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「全部蹴散らしちまうつもりだったが、残りは横に任せるか」 『こっちにしたら好都合でしょ?』 副通信手・高柳保葉(やすは)はショットガンの具合を確認する。 「まあ、そうだけどよ…折角あたしらで全滅してやる気になってたのにな…」 桐葉は小さく舌打ちしながら双剣を軽く打ち合わせる。 8

2016-09-24 01:29:31
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『もう、桐葉ちゃんってば』 「『ちゃん』はよせ…」 保葉は桐葉の年下の幼馴染でもあるので、どうにも気安い。僚勇会は地元の人間ばかりなので、全体にそういう空気はある。それでも20台半ばで、年下にちゃん呼びされるのは流石に辛い。何度言っても止めてくれないので困る。 9

2016-09-24 01:33:28
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『そろそろ、通信機切る?』 先程の片桐達と同様、敵から隠れる為の処置である。バケグモは特に電波に敏感でもないが、奇襲するなら通信を切っておくに越したことはない。少なくとも音は減らせる。どの道、今は他の隊と共闘は出来ない。それに通信をせずとも仲間と初撃を合わす程度は容易だ。 10

2016-09-24 01:41:34
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『俺は配置いいぜ、桐葉ちゃん』 小隊最年長の40代、副隊長の笠井将雄(あきお)は後ろの広葉樹の樹上で狙撃銃を構え、敵を覗く。 『俺もOKだ。桐葉ちゃん』 斧を持つ30代、熊切幸市(こういち)は桐葉と反対側の木陰から指でウインクとサインを送ってくる。 11

2016-09-24 01:50:46
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ふー、と桐葉はインカムに入らないように溜息を吐く。周りの年上がことごとく「ちゃん」呼びだから保葉も止めないのだ。 「よし、通信機オフだ。あたしか熊切の兄ちゃんの攻撃で戦闘開始。後はいつもの流れで。霜夜は適当なところで通信機再起動だ」 『あの、適当なところというのは…』 12

2016-09-24 02:00:28
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隊最年少19歳の訓練生、高柳霜夜(そうや)は専用リュックを背負う通信手だ。目立つトーチは既に切っている。今は先程まで幸市が動かしていた除雪機を脇へ運んでいた。彼の言葉に桐葉は3秒考えて答えた。 「あたしらが2・3匹片付けたら、だな。繭を助けるのに連携しなきゃなんねぇからな」 13

2016-09-24 02:04:44
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『はい!分かりました』 「声が大きい」 『す、すいません…スイッチ切ります』 霜夜は慌て気味に通信機を切った。そそくさと除雪機を木陰に運び、その影に隠れる。霜夜は片桐よりは年上だが、彼より経験は浅く能力も低い。可能な限り戦闘を避けるよう厳命されている。武装も最小限だ。 14

2016-09-24 02:10:36
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敵が20m先まで迫る。保葉はドローンで今の観測情報を両翼へ送ってからショットガンを構え直す。1分とせず交戦となるだろう。背後から奇襲するのも良いが、出口側へ逃げられては困るし、そもそも包囲が出来ない。帰り道に巣でも張られては面倒極まりない。正面から真っ向勝負だ。 15

2016-09-24 02:15:10
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少し話が戻るが、この中央部隊・桐葉隊の構成について説明しよう。各小隊は六人前後。構成員のポジションは、隊長・副隊長、通信手以外は隊によってまちまちである。通信手を副隊長が兼ねる隊も珍しくない。通信手の役割は通信ケーブルと照明具の運搬とドローンや信号弾の打ち上げである。 16

2016-09-24 02:19:44
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この中央部隊の通信手は両翼や先遣隊より仕事が多い。彼らや本部との通信の中継役になるからだ。そこで通信手を二人設け、運搬役とドローン係に分け、前後との通信自体は主に隊長が行う。ここまでは桐葉隊以外の中央担当部隊も共通のことだ。 17

2016-09-24 02:27:40
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桐葉隊は、若手エースの一人である桐葉が隊長である。双剣の使い手で単独の戦闘力は僚勇会でも五指。戦技指導力も高いく、年の近い20代前後を中心に慕われ、年上から可愛がられる。指揮は大雑把ながらも堅実で敵を確実に仕留める。やや好戦的ではあるが、決して味方を危険に晒す無茶はしない。 18

2016-09-24 02:33:09
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彼女をフォローする副隊長はベテランの笠井将雄。能力値は低いが、戦術上邪魔な敵や隠れた敵を見出し、口よりも引き金で味方に知らせるタイプである。熊切幸市は桐葉並に好戦的な斧使いで、彼女と討伐スコアを競ったりもする。実力では年下の彼女に追い抜かれながらも相性が合う。 19

2016-09-24 02:36:40