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高橋源一郎氏の5夜連続「小説ラジオ」ほぼ日ust

「メイキングオブ「さよなら、ニッポン ニッポンの小説2」」 第一夜、「生涯に一度しか文章を書かなかった老人の話」 第二夜、「神話的時間について」 第三夜、「一度だけの使用に耐えうることば」 続きを読む
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高橋源一郎 @takagengen

「文章」31・我々はどうだろう。祖父や祖母を、亡くなるとすぐに忘れてしまうわないだろうか。「老い」を恐れ、目につかぬところに追いやろうとしてはいないだろうか。センの「文章」に守られ、まるでセンがつい最近まで生きていたように感じる、センの家族のことを考える時、ある感慨に襲われる。

2011-02-15 01:34:50
高橋源一郎 @takagengen

「文章」32・センの未熟な「文章」には、圧倒的な何かが存在している。もし、ぼくたちが字を知らず、文章を書いたことがないとして、そのためにだけ字を覚えようとするメッセージがあるだろうか。あるいはそれを伝えたい相手がいるだろか。その相手のためにだったら死んでもいい思えるような誰かが。

2011-02-15 01:37:24
高橋源一郎 @takagengen

「文章」33・ぼくは、そんな「文章」を書きたいと思う。生涯、一度も文章を書かず、書こうと思いたった時、まっすぐそれを目指した、センのような文章をこそ書きたいと思うのである。その文章を送り届けたい相手がいるのならば。以上です。雪の夜、深夜まで聞いてくださってありがとう。お休みなさい

2011-02-15 01:40:12
高橋源一郎 @takagengen

みなさん、おやすみなさい。ぼくは、家に帰ります。では、また明日。

2011-02-15 02:23:36
高橋源一郎 @takagengen

おはようございます。れんちゃんが起きて来るなり「わあ、まっしろだあ!」と喜んでいました。白い火曜日ですね。

2011-02-15 07:05:13
高橋源一郎 @takagengen

@yu_miri_0622 周囲の状況やいままで柳さんの手で書かれたお子さんの性格からいっても、お子さんの言う通りだと思います。こういうことはよくあります。うちの奥さんが我がことのように怒っておりました。「断固戦って下さい、真実は必ず明らかになります」と伝えてくれといわれました。

2011-02-15 13:50:08
高橋源一郎 @takagengen

なので、本日も「小説ラジオ」を「ほぼ日」からやります。 RT @1101complus: 本日も、高橋源一郎( @takagengen )さんをお迎えする準備が、整ってまいりました。23時頃?かな?ゆるゆる中継がはじまりまーす。 http://ow.ly/3WF8u (りか)

2011-02-15 21:39:47
高橋源一郎 @takagengen

なので、本日も「小説ラジオ」を「ほぼ日」からやります。 RT @1101complus: 本日も、高橋源一郎( @takagengen )さんをお迎えする準備が、整ってまいりました。23時頃?かな?ゆるゆる中継がはじまりまーす。 http://ow.ly/3WF8u (りか)

2011-02-15 21:39:47
高橋源一郎 @takagengen

いま、れんちゃんとしんちゃんをお風呂に入れたので、もうすぐ自宅から予告編の予定。では、後ほど。

2011-02-15 21:40:42
高橋源一郎 @takagengen

「午前0時の小説ラジオ」・「メイキングオブ「さよなら、ニッポン ニッポンの小説2」2・今晩の予告編1・昨晩は、雪の中、「ラジオ」を聞いていただいてありがとう。今夜は二晩目です。タイトルは「神話的時間について」です。

2011-02-15 22:01:01
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」・今晩の予告編2・鶴見俊輔さんのあまり知られていない本に「神話的時間」があります。地方の小さいな出版社のものだし、鶴見さんも講演を一本しているだけの本なのでした。でも、ぼくはこの本の中で、鶴見さんがおっしゃっている「神話的時間」についてずっと考えてきたのです。

2011-02-15 22:04:33
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」・今晩の予告編3・人間はかつて「神話的時間」を生きていました。でも、やがて社会を産み、文明を産み、「神話的時間」を失います。だが、完全に失ったわけではなかった。鶴見さんは、子どもと老人は、成人が失っている「神話的時間」を持っているのだといっています。

2011-02-15 22:06:46
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」・本日の予告編4・では、ぼくたちは、その「神話的時間」を取り戻すことはできるのでしょうか。いや、そもそも「神話的時間」を生きる、ということは、どういう経験なんでしょうか。そのことを、今晩は、ゆっくり考えてみたいと思います。

2011-02-15 22:08:21
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」・本日の予告編5・ところで、昨日は糸井重里さんの事務所からUST中継をさせていただきました。すごく面白い経験でした。というか、終わった直後、糸井さんと、直前に話したことについて話したのも、ほんとうによかった。なんだか、「小説ラジオ」をふたりでやっているみたいでした。

2011-02-15 22:11:05
高橋源一郎 @takagengen

「小説ラジオ」・本日の予告編6・今日も、キイボイードをうっているところを中継していただきながら、おしゃべりします。では、午前0時に、またお会いしましょう。

2011-02-15 22:12:42
高橋源一郎 @takagengen

「午前0時の小説ラジオ」・「メイキングオブ「さよなら、ニッポン ニッポンの小説2」2・「神話的時間について」1・鶴見俊輔さんは、ある時、聖書の時代には、聖書のことばを、人々はどんな風に読んだのだろうと考えた。たとえば、「荒野で神は人々にこう言った」と書いてあるとしよう。

2011-02-16 00:00:00
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」2・ぼくたちをそれを「お話」として読む。人々は、「神」に出会ったのではなく、雷か何かの自然現象に恐れおののき、勘違いしたのだと。でも、そう思ってしまうのば、ぼくたちが「神話的時間」を忘れ、「日常的時間」に生きるようになったからだ。人々はほんとうに神に会ったのである。

2011-02-16 00:02:46
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」3・古い時代、神話が生まれた時代、人々は、神や精霊や妖精や話す動物を見た。あるいは、感じた。感じたから「神話」として残した。でも、ぼくたちには、それが見えない。感じられない。ぼくたちは「日常的時間」しか知らないから? そうではない、と鶴見さんはおっしゃる。

2011-02-16 00:05:15
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」4・いまも「神話的時間」を生きることはできる。それを生きる人間は存在している。たとえば、子どもがそうだ。簡単な例をあげてみよう。親が何かを言う。すると、小さな子どもは、すぐにそれを真似る。真似るだけじゃない。まるで、最初からそのことばを知っていたかのように振る舞う。

2011-02-16 00:09:00
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」5・子どもは、ただ親のことばを真似ているのではない。子どもは、まだ自分と他人の区別が完全にはできない。だから、他人がしゃべっていることと自分がしゃべっていることの区別もできない。だから、親と同じことをしゃべる。ちょうど神話が生まれたころの人々がそうだったように。

2011-02-16 00:11:54
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」6・別の例をあげよう。チェスタートンという作家は「童話より前の段階がある」と言っていた。「お兄さんがドアを開けて入ってきました」というところで、子どもは「わっ!」と喜ぶ。でも、親は、子どもが何を喜んでいるのかわからない。まだ話は何も始まっていないのだ。

2011-02-16 00:15:31
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」7・鶴見さんはこう書いている。「子どもはね、一歳半頃、「汽車」って言うと、「走れ、きしゃ、きしゃ」っ言うのを非常に愛好していて、「すれちがい!」って言うのをものすごく喜んだ。最初これを理解できなかったんですね私は。「すれちがい!」って言うだけでものすごく喜ぶんです」

2011-02-16 00:18:45
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」8・ただ汽車が通りすぎるだけで、子どもは感動する。それは、なぜだろう。「「歩く」「話す」「眠る」「駆ける」、そういうことが全部ものすごく愉快に感じられる状態があるらしい。ことごとく一歳の子どもにとっては新しいわけです。それはすべて新しく愉快で心躍る体験です…」

2011-02-16 00:21:51
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」9・「…それが「神話的時間」です。そのことを理解できるようになったときに、親もまた神話的時間に戻ってそれを共有する。それが重大なんです」。ここに難しいことは何もない。なぜなら、ぼくたちは、「それ」を知っているからだ。過去に「それ」を持っていたこと覚えているからだ。

2011-02-16 00:23:49
高橋源一郎 @takagengen

「神話的時間」10・小さい頃、夏休みが永遠に続くほど長いように感じなかっただろうか。それが「神話的時間」だ。原っぱに横たわり、青空を眺めていたら、あまり青く、深いので落ちそうに思えて、そのままじっとしていたことはなかったか。その時、ぼくたちは「神話的時間」を生きていたのである。

2011-02-16 00:27:02
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