ダイアン・コイル「GDP――〈小さくて大きな数字〉の歴史」 @WARE_bluefieldさんと@ysttさんの書評

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『経済データと政策決定』、著者の労力に頭が下がる、って意味ではピケティと同種の本ではないかと思う。ということでちと引用。

2015-08-20 20:02:15
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「同様の傾向はアメリカやイギリスでも確認できる。したがって、90年代の財政政策の効果が低下したとは必ずしも言えない。GDPの作成基準の変更が推計結果に影響を与えているとみることができよう」P106

2015-08-20 20:04:42
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「1990年代の財政支出乗数を推計すると、評価時点で利用可能な統計データにより得られる結果が大きく異なる可能性がある。63SNAを基準にみれば、93SNA(固定基準年方式)への変更で乗数は低下傾向となり、連鎖方式への移行で再び乗数は上昇する状況にある」(続く)

2015-08-20 20:02:59
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「補正後予算と前年度決算との関係でみると、公共事業の増額を含む経済対策が実施された1992、93、95および98年度はプラスに転じている。」(続く) pic.twitter.com/yp2jPReiqZ

2015-08-20 21:30:37
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(続き)「特に92~93および98年度は大幅なプラスとなっており、補正予算編成時点での経済対策の浮揚効果は期待されていたと考えられる」(続く) pic.twitter.com/tuumBhedD9

2015-08-20 21:31:37
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(続き)「しかし、当年度決算を前年度決算と比較すると、1991~93および98年に大幅なプラスとなったが、他はおおむねマイナス基調である」(続く) pic.twitter.com/QhEcI8Y79L

2015-08-20 21:32:43
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(続き)「92、93年度の経済対策による補正の積み増し(公共事業費ベースで20.09兆円)や、95年度は大型対策(公共事業費ベースで6.54兆円)が実施されたにもかかわらず、マイナスとなっている」(続く)

2015-08-20 21:33:27
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(続き)「98年度はプラスになったものの、公共事業費で15兆円を超える対策としては、かなり小幅な伸び率となっている。つまり、決算でみれば、90年代前半はまだしも、90年代後半が拡張的な財政政策であったか判断がつかない状況となっているのである」(終) p123-125

2015-08-20 21:34:22
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「大規模な補正予算編成は、当初策定段階では大きな経済効果が期待できるが、実際には積み残しが増えている。このような状況が90年代の財政政策への評価を定性的に弱め、また東日本大震災後の予算と執行額との差異となって表れているのかもしれない」 p154-155

2015-08-20 21:35:56