茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1905回「外国人に過剰わさびのどこが問題だったのか」

脳科学者・茂木健一郎さんの10月3日の連続ツイート。 本日は、感想です。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート1905回をお送りします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

2016-10-03 07:37:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

大阪のすし店が、外国人にだけ過剰わさびを出していたということで、炎上、謝罪している。今朝は、このニュースについて、考えてみたいと思う。

2016-10-03 07:38:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

まず、すし屋で、外国の方が「普通」よりも多くの「わさび」を要求すことはしばしば見られる事象である。すし屋さんで、別皿に山のようなわさびをつけて、おいしそうに食べていらっしゃるのを何度か見かけたことがある。今回の店側の対応には、そのような背景はあることはあるのだろう。

2016-10-03 07:40:34
茂木健一郎 @kenichiromogi

一方で、「すし」の文化に対する外国の方の理解度が急速に深まったことは事実である。箸の使い方にしても、ネタの好みにしても、どんどん洗練されてきている。だから、外国の方だからといって、みんながみんなわさびを大量に欲しがるわけではない。

2016-10-03 07:43:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

つまり、今回の店の対応でいちばんまずいのは、外国人だからといって、機会的、一律に、大量のわさびをつけてすしを提供した、という点にあると思う。よりきめ細やかな、一人ひとりのニーズに合わせた対応をしていれば、このようなことにはならなかった。

2016-10-03 07:44:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

一人ひとりに向き合うことは、実は難しい。人は、ある特定の属性にもとづいて、他人を判断しがちである。「外国人」だからと言って、大量のわさびを提供する、という機械的判断は劇画的でわかりやすいが、似たような話は、日常生活の中で、実はたくさんあるように思う。

2016-10-03 07:46:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

結局、店側が結論したように、わさびを要求されたら別皿で提供するというように、「オプション」で最初から出していたら、何の問題もなかった。他人の個別性を尊重することは、「オプション」を提供することであるという、一般的な原則がそこには見て取れると思う。

2016-10-03 07:47:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート1905回「外国人に過剰わさびのどこが問題だったのか」をテーマに、6つのツイートをお届けしました。

2016-10-03 07:48:33