真偽再検証 2ch発の『RPGモンスターパクリ認定画像』に信憑性は存在したか-『ドラゴンズクラウン』と『FGO』

【バイラルメディアへの一切の転載をお断りします】 このまとめは真偽も定かではないまま9ヶ月以上前から続いていた「パクリ疑惑」への問題提起として制作したものです。 「2015年開始のスマホゲー『FGO』のモンスターが2013年の『ドラゴンズクラウン』のモンスターに見てくれが大変よく似ている」という名目で作られた比較画像。しかし挙げられたモンスターはどれも、RPG定番のクリーチャーで…?
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『FGO』モンスター パクリ決めつけ糾弾 炎上経緯について・前編

2016年1月下旬頃 

RPGソーシャルゲーム『Fate/Grand Order(以下FGO)』のエネミーと2013年に発売されたコンシューマーRPG『ドラゴンズクラウン』のモンスターのデザインを『パクリ検証画像』の体裁で並べた画像が匿名掲示板で作成される。

この時作成された画像はゴシップ系アフィリエイトブログ等に転載され、拡散された。

その9ヶ月後(2016年9月上旬)

2016年9月4日
 『FGO』プレイヤー A氏が、人気ゲーム作品の盗用問題・トレス疑惑と、盗用疑惑を無視して楽しむファンを風刺する漫画を自身のツイッターに投稿。
数千RT・Favの反響を得るが、内容に反感を覚えたユーザーからのリプライ攻勢をも受ける。

9月7日未明
 「名無し」の語呂合わせで2016年9月に新規作成された匿名アカウント『すぐに消します(@774 )』がA氏の風刺漫画にかかるリプライツリーに、「FGOにもパクリありますよ」と、半年前に作成された匿名掲示板発祥の『ドラゴンズクラウン』比較画像を流用して返信。A氏、『FGO』モンスターにかかる疑惑をFGO運営に問い合わせる。

A氏が匿名アカウント『すぐに消します』から提供された比較画像を使用し、自身のツイッターで『ドラクラ』『FGO』のモンスターデザイン類似に言及。『FGO』公式に疑惑の問い合わせを行った際の運営からの返答を公開。
A氏、フォロワーに「この画像に少しでも疑問を持ったら運営に質問して」と、『FGO』モンスターパクリ疑惑への問題提起を呼びかける。

その後A氏のもとに更に、2016年9月に新規作成された複数の匿名アカウント群から、『FGO』に関連する真偽不明のパクリ疑惑の糾弾を煽るリプライが寄せられる。

当方が9月に行った再検証結果 まとめ

774氏らのFGOパクリ認定デマについて @shingi_kensho

【再検証結果 ワイバーン】 ワイバーンはイギリスの紋章から生まれた架空生物です。そのため、『FGO』でも『ドラゴンズクラウン』でもワイバーンをワイバーンとしてデザインする限り、必ず似通った造形になります。 pic.twitter.com/NGlhAlQL0K

2016-10-09 21:53:59
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774氏らのFGOパクリ認定デマについて @shingi_kensho

【検証結果 まとめ 1/4】 ドラゴン:完全に言いがかり。無理矢理「ドラクラ」側に色を合わせた捏造まがいの検証画像が使用されていた。 pic.twitter.com/SqjUgNWjcE

2016-09-25 19:55:24
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774氏らのFGOパクリ認定デマについて @shingi_kensho

【検証結果 まとめ 2/4】 キメラ:『Fate/Grand Order』『ドラゴンズクラウン』どちらの作品も文化財「アレッツィオのキメラ像(紀元前5世紀)」に代表されるギリシャ神話のキメラの描写に忠実。 pic.twitter.com/BT0dIeFIE6

2016-09-25 19:56:16
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774氏らのFGOパクリ認定デマについて @shingi_kensho

【検証結果 まとめ 3/4】 ゴースト:一見似通って見えるが、ヴェールの構造、幽霊部分のパーツ構成は大いに異なる。 ヴェールを被った幽霊の一般イメージはディズニー『ホーンテッドマンション』に登場する花嫁幽霊か。 中世の芸術作品群「死の舞踏」と関連の可能性も。 pic.twitter.com/H859xGXgYn

2016-09-25 20:05:40
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774氏らのFGOパクリ認定デマについて @shingi_kensho

「ヴェールを被った女幽霊(スケルトン)」のモチーフを捜索した現状ですが、 ディズニーランドのアトラクション「ホーンテッドマンション(1969年)」に登場する花嫁姿の幽霊が知名度的にもパブリックイメージに近いようです。 pic.twitter.com/tI61dXvLsk

2016-09-13 09:20:16
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774氏らのFGOパクリ認定デマについて @shingi_kensho

【検証補足 ゴースト骨格比較】 骨格に過度な誇張(デフォルメ)が加えられているのが『FGO』ゴースト独自の特徴です。 同作品のスケルトンや『ドラクラ』ゴーストとサイズを合わせて比較しても、長大化した両手指と背骨が際立ちます。 pic.twitter.com/thV27iMu18

2016-10-09 20:46:37
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※両作品のゴーストは一見シルエットが似通って見えますが、『幽霊がヴェールを被っているからパクリ』という方向で断罪することは難しいです。
まず、50年前開設の米国ディズニーランドアトラクション『ホーンテッドマンション』の時点でヴェール幽霊は存在し、
「頭から白い布を被った骸骨」モチーフであれば発祥は更に古く、中世の芸術作品群「死の舞踏」などにルーツがあるからです。


ヴェールを取った幽霊部分のデザインを比較してみても、
極端にデフォルメされた腕・手のパーツと、残された脊髄が蛇のように下まで伸びる下半身パーツ皆無のフォルムが特徴的な『FGO』ゴーストと、
極端な人体デフォルメやパーツ欠けが存在せず、骸骨の外側にふくよかな幽体の肉付きが残っている『ドラゴンズクラウン』のゴーストとでは、造形がかなり異なる事をご理解いただけると思います。

↓ 個別まとめ【「ヴェールを被った幽霊」モチーフはどこから来たのか http://togetter.com/li/1032938 】

まとめ 「ヴェールを被った幽霊」の原型はどこから来たのか 一見似通って見える2作品のクリーチャーデザイン。でも「パクリ」と断定する前に…もっと古いモチーフがあるかもしれません。 29568 pv 116 26 users
774氏らのFGOパクリ認定デマについて @shingi_kensho

【検証結果 まとめ 4/4】 デーモン:古典RPGゲームの金字塔『Wizardry』に登場するグレーターデーモンを源流に派生した、RPGお約束の青デーモン。 『ドラクラ』スタッフが元ネタに『Wiz』を挙げており、『ドラクラ』プレイヤーの間でも『Wiz』パロディと認識されている。 pic.twitter.com/eUwa3YmvF8

2016-09-25 20:07:44
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↓ 【個別まとめ】wizardryとFGOデーモン、またはTYPE-MOONと懐かしゲームパロディ http://togetter.com/li/1038545 】

「デーモン」と「ゴースト」の2つは、当検証を見ても納得できず「やっぱりパクったか、ドラクラを参考にしたのは確定なんじゃないか」と思う方も出てくるだろうと思いますので、投稿者の私見を補足します。

まず前提として、『ドラクラ』も『FGO』の原作TYPE-MOONも、作品内にパロディを散りばめる作風であること。

Dragon's Crown ドラゴンズクラウン 攻略まとめwiki@2ch  元ネタまとめ
https://www55.atwiki.jp/dragons-crown/pages/83.html

This Dragon’s Crown Trailer is Full of Epic Homages
(日本語意訳:『ドラゴンズクラウン』予告は古典のオマージュで溢れている)
http://art-eater.com/2013/03/from-mickey-mouse-to-jesus-the-latest-dragons-crown-trailer-is-full-of-epic-homages/comment-page-1/

『Fate』作者・奈須きのこ氏と『ドラクラ』ディレクター神谷盛治氏が概ね同年代(4年差)であり、パロディ元に選ぶ題材が似通っている事。

『ドラクラ』の元ネタに神谷氏はギルガメッシュ王を題材にした84年のゲーム『ドルアーガの塔』を挙げていますが、奈須きのこ氏も『Fate』英雄王ギルガメッシュのデザイン発注にあたり、「ドルアーガ」に何度も挑んだ世代だから」という理由で『ドルアーガの塔』主人公ギルを踏まえた黄金の鎧を指定しています。https://pbs.twimg.com/media/CtMmHKaVYAIlC1Y.jpg

Wikipediaやアマゾンはおろか、スマホもネットも無い時代は、西洋ファンタジー風創作の参考にできる手近で代表的な資料が『D&D』等のTRPG、新紀元社『Truth in Fantasy』そして『Wizardry』だった事。

以上3項目を頭に入れた状態で『Wizardry』のデーモンのデザインと、そこから派生したと推測されるデーモンのデザイン群を眺めてみてください。
ヴァニラウェア作の2体のデーモンが、ポーズも含めて『Wizardry』グレーターデーモンのオマージュになっていることが見て取れると思います。
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『ドラゴンズクラウン』デーモンと『Wizardry』デーモンについて言及されたブログ記事を見つけましたので紹介します。
http://ameblo.jp/impoman0614/entry-12198219241.html?timestamp=1473381761

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9月上旬の「FGOパクリ認定騒動」経緯について・後編

2016年9月4日
 『FGO』プレイヤー A氏が、人気ゲーム作品の盗用問題・トレス疑惑と、盗用疑惑を無視して楽しむファンを風刺する漫画を自身のツイッターに投稿。
数千RT・Favの反響を得るが、内容に反感を覚えたユーザーからのリプライ攻勢をも受ける。

9月7日未明
 「名無し」の語呂合わせで2016年9月に新規作成された匿名アカウント『すぐに消します(@774 )』がA氏の風刺漫画にかかるリプライツリーに[、「FGOにもパクリありますよ」と、半年前に作成された匿名掲示板発祥の『ドラゴンズクラウン』比較画像を流用して返信。]

A氏が匿名アカウント『すぐに消します』から提供された比較画像を使用し、自身のツイッターで『ドラクラ』『FGO』のモンスターデザイン類似に言及。(中略)

9月8日 昼~夕方 
A氏の『FGO』モンスターパクリ疑惑問題提起がツイッター上で拡散される。
匿名アカウント『すぐに消します』の他にもA氏を焚きつけて真偽不詳の盗用疑惑を煽る複数の捨てアカウントの存在が話題になり、異様な状況に違和感を抱いた第三者がA氏の説得にあたる。

くりすたる @9rystal

@mitsuru_43 FGOのドラゴンやアークデーモンがパクリだ!と主張する人が現れました。 ただし、その主張に利用している検証画像は2015年に広まった古いものです。終わった話題。 また、その人を"援護"し、燃やせ燃やせと焚き付ける悪しきアカウントが、複数確認されています

2016-09-08 15:21:30

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9月8日夕方 A氏が問題提起を取り下げる。

当アカウントがA氏宛に提示した再検証画像「ゴースト」「デーモン」「キメラ」のほか、「ドラゴン」「ワイバーン」再検証画像の作成、ついでにA氏周辺の事情聴取にあたる。
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(番外) A氏の炎上を焚き付けていたのは何者か

「いかにしてA氏の元に、9ヶ月前の『FGOパクリ認定画像』が送付され、9月1日から8日以内に作成された多数の捨てアカが群がったのか」の調査と経緯まとめも終えています。
発端になったA氏作の漫画の再掲載許可も受けていますので、後日ネットへのざっくりとした経緯掲載を行う予定です。 (→ 公開しました http://shingikensho.hatenablog.com/entry/2016/10/05/011421

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端的に述べますと、『FGOにパクリがあったほうが好都合』あるいは『風刺漫画の作者であるA氏を攻撃する口実が欲しい』という利害が一致した「ある種の方々」が、
2016年1月に匿名掲示板で作成された例の『パクリ比較画像』を無検証のまま利用し、捨てアカウントを使ってA氏を焚き付けようとした(そしてA氏が『パクリ比較画像』をそのまま信じてしまった)顛末が、こちらで把握した限りのA氏炎上事件の経緯です。

A氏炎上前夜のとある匿名掲示板のやりとり(2/2枚目)

2016年9月7日~8日の『FGOパクリ決めつけ画像・再炎上』経緯(裏側編)で詳細を紹介しています。 http://shingikensho.hatenablog.com/entry/2016/10/05/011421

ただ、この一件は『A氏が風刺漫画の題材にしたゲームの過激な信者が、そのゲームのアンチを公言していたA氏を風刺漫画ごと潰すためにFGOのパクリ認定画像を利用した』といった安易な図式に当てはまるものではありません。
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また、A氏が炎上以前から『とあるゲーム』とその運営への不信を公言していたことは事実のようですが、A氏が風刺漫画を描いた経緯も「盗用発覚作品の運営や盲目なファンをコキ下ろすため」などの単純な理由からでは無かったようです。
(盗用発覚作品に疑問を呈したTwitterユーザーがフォロワーから攻撃を受け、アカウントを消してしまった光景を目の当たりにしたA氏が、アカウントを消した方の目に届くように描いたのが件の風刺漫画だったそうです)
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【皆様方へのお願い】
9月7・8日の炎上事件でA氏に匿名アカウント等からの干渉をしていた「ある種の方々」の一部は、自らが複アカであることをアピールしながら干渉や攻撃、A氏個人や『FGO』への中傷を繰り返していました。
恐らくは、A氏が風刺漫画の題材にした「過去に盗用が発見され炎上し、運営が対応を迫られた作品」のユーザーに風評被害をなすりつける目的で、過激なファンやアンチを装っていたものと推測されます。

A氏炎上前夜の9月6日23時頃から2chの「ツイッター観察板」にて、A氏が好んでいた『FGO』をA氏ごと毀損するために匿名掲示板発祥の『パクリ認定画像』を利用して囃していた「ある種の方々」も同様の手合であるものと扱っております。

ネットの上では幾らでも、都合のいい陣営を騙った情報操作ができます。匿名掲示板や捨てアカなら尚の事、どのみち自称信者と自称アンチの区別は付きません。

糾弾先陣営の詮索や悪行喧伝が主体になることは本意ではありません。
当アカウントの目的はあくまで『FGO』が被った疑惑の再検証と、本件に関心を持った皆様方が各々で真偽を判断して頂くための思考材料の掲示です。

『どの作品のアンチ・信者が痛い』『どのアンチ・信者が○○を潰した/潰そうとした』等、なにかしらの代理戦争や内ゲバの引き合いに本件を使用する行為は、何卒お控え頂ますようお願い申し上げます。

FGOモンスターデザイン 真偽再検証 @shingi_kensho

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今回の検証と事実確認のため、一時的にA氏とDMでやりとりするにあたって、
A氏には9月11日の時点で

「こちらの再検証に納得し、貴方の不安が取り除かれたなら、ログインボーナスと期間限定報酬の回収だけでもかまわないからFGOに復帰してほしいと思っている。
正確な検証は長期戦になる。イベント配布物などの取り逃がしは取り返しがつかないので、後悔をしてほしくない。
このアカウントを立ち上げたのは、真偽不詳のパクリ疑惑を投げかけられたA氏や、あのパクリ認定画像を見たFGOプレイヤーの不安を和らげたいからだった。
A氏がまた楽しくゲームを遊んでくれるならそれ以上のことはない。フレンド兼ネットでの交流先への事情説明は検証アカウントで引き受ける」とお伝えしています。

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ですがA氏からは、
「気持ちが落ち着き次第、指示通りログインは行う。だが検証アカウントがそのような擁護発言をしたら、心無い攻撃が検証アカウントに向かうかもしれない。検証を終えるまでそのことは公表しないで欲しい」という依頼を受けていました。

ですが、当アカウントが再検証に乗り出した後も、
A氏がTwitterに載せていたpixivアカウントや『FGO』フレンドコードを元に、FGOログイン状況を監視してまで「ある種の方々」からA氏に対する攻撃や晒し上げ等が続いていたことを確認しています。

『FGO』にパクリが存在するかの真偽はどうでも良く、
とにかくA氏を攻撃できれば何でもよいと言わんばかりの「ある種の方々」のグロテスクな行動を、大変残念に思っております。

A氏へ『FGO』に再ログインした罪科を問うのであれば、ログインを教唆した責任の所在はこちらにありますので、処罰や制裁のご要望があればこちら https://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/2VXXDFMWBFBLG で引き受けます。

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