- ami_qitt25
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1 深く… 深く… 水の底に、 誰にも気付かれず 潜ってしまいたい もう2度と浮き上がらない様に もう、何も見ない様に 貴方の事を全て忘れる為に 今あたしは 何も考えない 何も聞こえない 何も見えない 出来るなら このまま消えてしまいたい… #向日葵
2016-09-16 23:59:552 貴方となんて出会わなきゃ良かった そうしたらこんなに 辛い思いをしなかったのに いくら忘れようとしても 貴方の声や温もりが蘇る どうしたらいい? どうしたら忘れられる? #向日葵
2016-09-17 00:01:153 貴方との関わりを全て絶って 貴方の事を忘れるまで どのぐらいの日にちが必要 貴方も忘れて… あたしの存在を 優しくしないで もう… 忘れて… #向日葵
2016-09-17 00:01:514 出会いが偶然なのか必然なのか それは今も分からない でも、あの瞬間 確かに貴方とあたしの時間が 重なった 休みの日 1人でぶらぶらするのが唯一の楽しみ #向日葵
2016-09-17 00:03:145 あの日も1人で大好きな セレクトショップを覗きちょっとあたしにしては奮発して買おうと手を伸ばしたシャツに同時に手を伸ばした人 「あ、ごめんなさい…」 『いえ、…こっちこそ』 声を掛けながらその人の指先に 視線が止まる #向日葵
2016-09-17 00:04:466 綺麗に揃えられてちゃんと手入れされた爪 小指のピンキーリング 女の人では無い筈…男の人の手 顔を上げて相手を確認する そこに居た人は男の人にしては ふわりとした不思議な雰囲気の人 その人がじーっとあたしを見つめてて… #向日葵
2016-09-17 00:05:297 「ごめんなさい…あの、どうぞ…」 『でも…』 1歩後ろに下がって… 何時でもこの場から離れれる様に 「大丈夫ですから、あたしには似合わないから…」 そう言って立ち去ろうと1歩踏み出した…その瞬間、あたしの手首をしっかり掴んで #向日葵
2016-09-17 00:06:088 『ちょっと待ってて…これお会計してまうから』 え?な、なんで…あたし関係無いし そう思ってると引きずられる様に レジまで行き 『待っとってね…すいません、 これ同じのもう1枚ありますか?』 #向日葵
2016-09-17 00:06:489 店員がバックヤードに探しに行くと あたしに向き直り 『あるとええけど… こういう店は1点ものが多いからな…』 「あ、あの…あたし、大丈夫ですから、気にしないで下さい…」 そう言って掴んでる手を振りほどこうとすると…更に強く掴まれて #向日葵
2016-09-17 00:07:3011 結局、シャツは1枚しか無くて 彼がそれを購入して…これで 終わると思って居た 「じゃ、あたしはこれで…」 軽く頭を下げて その場を動こうと… 「あの…離して貰えませんか?」 彼の手はまだあたしの手首を掴んだままで #向日葵
2016-09-17 00:11:1412 「あの…」 『離さへんって言うたやん』 にっこり笑うけど手の力は更に強くなって 「でも…もう、…」 こう言う人、本当に苦手 人のパーソナルエリアにズカズカと 入って来られると本当にダメ… 『お待たせ、ほな行こか』 #向日葵
2016-09-17 00:11:5813 そう言うと相変わらずあたしの手首を掴んだまま歩き出した 暫く歩いた所で 「あ、あの… 離して貰えませんか?…これ?」 立ち止まりあたしをじっと見て 『やって、 離したら逃げるやん…やから離さへん』 意味が分からない #向日葵
2016-09-17 00:12:4414 そりゃ逃げるよ…だって関係無いでしょ… 「じゃ、逃げないって約束したら離してくれます?」 『…ダメ、そう言って逃げるやん』 掴んだまま、また歩き出した 本当にわかんない… この人何がしたいの? いったい誰なの? あたし…どうなるの? #向日葵
2016-09-17 00:13:2515 『好きなもん頼んで… 遠慮したらあかんよ』 彼に引きずられる様に連れて来られた 場所は…有名なスィーツのカフェ 絶対1人なら入らない店 「…ごめんなさい、 あたし…甘いの苦手で…」 #向日葵
2016-09-17 00:14:0816 『え?そうなん?… 女の子は甘いの好きやと 思ってたから… ごめんな、どれもあかん?』 彼の落胆ぶりが… メニューにざっと目を通して 「あ、じゃコーヒーを…」 #向日葵 pic.twitter.com/2BgmB7m1gH
2016-09-17 00:15:3217 『それだけでええの?… ごめんな… シャツ譲ってくれたお礼が したかったんやけど… なんか、裏目にでてもうて…』 彼の凹み具合いが可笑しくて クスッと笑うと 『あ、やっと笑った…』 「あ、…ごめんなさい」 急に眉間に皺を寄せて #向日葵
2016-09-17 00:16:4718 『自分、 会ってから、謝ってばかりやん』 確かにあたしの口癖は… ごめんなさい そうして波風立てず 静かに過ごしてれば 誰にも何にも言われずに過ごせる そう思って過ごしてる それが間違ってるとは思わない #向日葵
2016-09-17 00:17:2419 「ごめんなさい…」 『また、謝る…』 彼は呆れた様に溜息を付いて 『寂しい、癖やね…』 何も言い返せない… その通りだから 通り過ぎる人がチラチラとこちらを 見ていくその視線すら落ち着かない ちらっと彼が腕の時計に目をやる #向日葵
2016-09-17 00:18:2420 『あのな… 俺、もう時間無いんよ この埋め合わせは また次回させてくれへん?』 そう言うとあたしの手を掴み 手の甲にペンで何が書き出した 『これ、 俺の番号、連絡して…じゃ、…』 #向日葵
2016-09-17 00:19:0021 そう言うと伝票を 持って出て言ってしまった 取り残されたあたしは 手に書かれた番号を見つめてて 「なんなんだ…あの人…」 1人呟いてた #向日葵
2016-09-17 00:19:2622 取り残されたあたしは 暫く手に残された 番号を見つめて… おしぼりを掴んで… 消せない… 擦れば落ちる そうすればあの人と もう2度と会う事は無いだろう それがら一番良い筈 だって、私は… 静かな自分だけの生活が 好きなんだから… #向日葵
2016-09-17 00:20:3923 なのに何で? バックの中でスマホが鳴ってる 画面には隆平の文字 着信を押して 「もしもし、隆平?どうしたの?」 スマホの向こうから 《どうしたの?やあらへん、 約束忘れてる? もう30分も過ぎてるし… 何処に居るの?迎えに行こうか?》 #向日葵
2016-09-17 00:21:1824 隆平のまくし立てる様な言葉に 表示の時計を見ると約束の時計を 遥かに超えて居た 「ごめんなさい、今行くから」 そう言って通話を終わらせて 手の甲の番号をスマホに移した #向日葵
2016-09-17 00:22:0625 おしぼりでそれを拭き取り 薄ら残る程度まで消して 急いで店を出て隆平との 待ち合わせ場所に向かう 隆平は会社の同僚 資料整理で手こずってる時に 手を貸してくれて それから言葉を交わす様になって いつの間にか自然と付き合う様に なってた #向日葵
2016-09-17 00:22:34