アンガーマネジメントは「怒りを感じなくする訓練」ではなく「怒りを受容して適切に扱うための訓練」という解説と活用法
- motoyaKITO
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臨床心理士・公認心理師。学習支援などについて長々とつぶやく人。 まなびルーム ポラリスという小さな学習教室をやっていました。 学習支援についての研修・講演のご依頼はこちらにお願いします。 polaris.manabi@gmail. com
アンガーマネジメントの話をちょっとしようかな。よく勘違いしている人がいるんだけど、アンガー(怒りの感情)マネジメントというのは怒りを感じなくする訓練ではないんですね。怒りの感情を持つことを許しながら、それを適切に扱っていくことをアンガーマネジメントといいます。
2016-10-13 13:52:36私は大学時代にちょっとだけオーストラリアにいたのですが、そこで驚いたのは、オーストラリアに暮らす人たちがとてもはっきりと怒りや悲しみや苦しいといった感情を口に出すことでした。「私は今イライラしているんだよね」とか「その言葉には傷つきました」とか。
2016-10-13 13:54:54日本の良さでもあり、見方を変えると生きづらさでもあるところに「婉曲に表現をする」というところがあると思います。もちろん、これがあるから比喩が生まれ、和歌や俳句などの美しい文化も生まれます。ただ、辛いことを直接「辛いよ」と言いにくい土壌を形成してきたことも確かなのではないかと。
2016-10-13 13:57:19当時は大学でストレスマネジメントの研究をしていまして、自分の感情をはっきりと言葉に出すことってどんな意味があるんだろうかと考えました。 ここがアンガーマネジメントにも繋がってくることだなあと考えています。 私たちは、自分の心を自然にコントロール可能なものだと考えがちです。
2016-10-13 14:00:07果たして本当にそうなのか。ふとした出来事から突然嫌な思い出が喚起されてネガティヴな気持ちが心の中に広がることは誰しも経験があるかと思います。美しい風景を見ていて、急に涙が溢れてくることも、懐かしい香りを嗅いで、ふと幸せな思い出を思い出すこともあります。想像以上に、心は奔放です。
2016-10-13 14:02:53そういうものですから、意識して怒りを感じないように……悲しみを感じないようにというのは不自然なことだと思います。しかし、ネガティヴな感情に支配されて体が動かなくなったり、辛い思いをすることはとても苦しい。そこはなんとかしたい。 その時に重要になるのが、「今私は何を感じているの?」
2016-10-13 14:05:02「今私はどんな感覚?」という自己への問いかけなのかと思います。自分に問いかけ、「これは怒ってますよ」「これは怒ってるのと悲しいのがミックスされてますよ」「これは色々混ざって判断不可能ですよ」などと、言葉をつけていく。調味料の瓶にラベルを貼るのに似ています。
2016-10-13 14:08:05感情にラベルをつけて、自分の心を整頓していく。そうすると、「今怒ってるなあ」など、自分と感情の間に少し距離ができます。そうなると感情を少しだけコントロールしやすくなる。もしミックスされた感情をが出てきて判別不能なら、休息をとる。そういった判断にもつながります。
2016-10-13 14:13:16その後はお互い引きずらずに、共に仕事をしている。こういう人が多い。 すごいなあと思います。 感情のラベル付けの話に戻りますが、これをネガティヴな感情から入ると、大変苦しい。できることなら苦しみなんか感じずに行きたいですから、それを意識して!ラベル付けして!と言われたって……て感じ
2016-10-13 14:18:06だから、まずは楽しい感情からラベル付けしてみるといいかなと思います。お風呂に入った時のポカポカとした気持ちは?涼しくなってきて外を歩いた時の気持ちは?欲しかったものが手に入った時の気持ちは?ガリガリ君で当たりが出た時の気持ちは?多分、どれも心地よいけど、違う言葉になるかと思います
2016-10-13 14:19:51