早期発見と症状発見のQOL損失を比較する

早期診断は死亡率を改善しなくてもQOL上のメリットがあるとの誤解がありますが、過剰診断だけでなくいずれみつかる癌の早期診断にも病悩期間が若くから始まり、長くなるというデメリットがあります
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シュー @shu_n148

検診などの何か対策をとれば甲状腺癌による被害があっても少なくできるという多くの人が信じている前提をまず疑わないといけない。県はもともとそういうメリットはないと言ってるし検診ではなく調査だと言ってる。

2016-09-16 08:14:46
シュー @shu_n148

成人では害が上回っていて推奨されない検診でも福島の子どもには利益が上回るかも知れないと期待するのは構わないけど、成人では推奨されていないこと、小児でも殆ど実績がなく有効性が確認されていないこと、不利益の原因の主なものが早過ぎる早期発見や過剰診断であることを知ってもらった方がいい

2016-09-22 11:23:13

検診のデメリットは理解されにくい

シュー @shu_n148

過剰診断は一般的に認められる検診の問題。甲状腺癌検診では特に問題で推奨できないとされているのに、なぜ「ないはず」と全否定するのでしょう。身体に直接的な害のない超音波検診が一般に推奨されない理由をよく考えてみて下さい twitter.com/Shimazono/stat…

2016-08-26 07:44:30
島薗進 @Shimazono

「治療は〝過剰〟があるかもしれないが、検診に〝過剰〟はないはず。被ばくしたという現実はあるのだから、検診をしてもしがんが見つかれば、治療の必要があるがんかどうかを見極めて、慎重に治療に当たればよいだけ。縮小すれば余計に不安を助長する」と述べて、検査をしっかりやってほしいと要望した

2016-08-25 11:05:43
シュー @shu_n148

福島と周辺地域を比べた場合、現時点では福島子どもたちの方が検査の不安、針による細胞診、癌の宣告、甲状腺切除などはるかにQOLを損なっている。死亡率低下も期待されない。これでどうして検診がQOLの改善に役立っているなどと言えるのか。togetter.com/li/965125

2016-08-27 01:02:33
シュー @shu_n148

検診のメリットについて、先行調査の手術結果からはリンパ節転移は防げない(ただし、小さなリンパ節転移は予後にはあまり関係ないとされています)し、伝わってくる家族会の話では再発もあまり防げない。確実にありそうなメリットは手術範囲が小さくてすむ人がいるだろうということ。

2016-08-27 12:23:15

補足すると、「手術範囲が小さくて済む」のは、検診がなくて症状発見されてからだと全摘が必要なものが検診のおかげで片葉切除で済みなお且つ術後再発しない場合。再発した場合は、早期発見による縮小手術が裏目に出て再発や難しい再手術が必要になってしまったことになる。

早期発見はQOL低下ももたらす

シュー @shu_n148

早期発見し経過観察することをメリットと考える人もいるが、すぐに(或いはずっと)治療しなくてもいい癌をみつけて宣告し経過観察するのはその時点ではQOLを損なっている。QOLだけを比べれば検診群が劣ると思われ、それを逆転できるのが死亡率の有意な改善。でも、それは見込まれていない。

2016-08-28 06:34:43

早期発見によるQOL上のメリットとデメリットを比較する

シュー @shu_n148

小児と成人の違いが重要だと考えるなら、発見契機が超音波検査か発症かの違いも重要だと考えないと。多くは成人の甲状腺癌の前倒し発見だと考えられているわけだから pic.twitter.com/SY03OoyDVO

2016-10-06 16:05:13
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シュー @shu_n148

小児甲状腺癌の特徴とされているものは小児期に発生した癌のうち成長が速くて小児期のうちに発症まで至る稀なものの特徴であって福島で検診により掘り起こされている癌の特徴ではないことに注意。福島での発見例のうち小児甲状腺癌だと言えるのは数例で他は成人の甲状腺癌の前倒しか過剰診断と考えます

2016-10-09 06:55:04
シュー @shu_n148

図の全体の面積が検診での早期発見に伴うQOLの低下(子どもに対する癌の宣告、甲状腺切除されて再発の不安を抱えて生きる人生…)。一方、右下の部分の面積が検診が無かった場合のQOLの低下で明らかに小さい。ただし、一部で術式が大きくなる場合があるので単純には比較できない pic.twitter.com/f93HxzC4Y5

2016-10-10 03:21:12
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シュー @shu_n148

しかし、早期発見によりQOL上のメリットがあると考える人たちは、右下の三角形部分のいわば「重み」の違いだけを比較しているようだか、面積の違い(左上の台形部分)を軽視してはいけない。特に低年齢であればあるほど早期発見の弊害の重みが増すと思う。

2016-10-10 07:10:19
シュー @shu_n148

図について質問があったので補足すると、検診で発見される甲状腺癌について検診がなければ発症する割合が時間の経過とともに増えていく様子を表しています。そして、QOLの低下は癌と診断された瞬間から始まるので、検診発見分のQOL低下の総量は全体の面積に相当すると考えました。 pic.twitter.com/VrO5EqIM1M

2016-10-10 22:22:05
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図を3次元と考えて「重み」を「厚さ」に言い換えてもいい。つまり、損失QOL総量=癌と診断された人数x診断後の期間xQOL損失の程度