- GREAT_NONSIX
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公演開始10分前と成りました。18歳未満のグロテスクな描写がお好きな活字中毒のお客様は、どうぞお席におつきください。
2016-09-25 20:51:09……ア、繋がってますね、良かった。 開演直後にハプニングが起きたら洒落になりませんから、確認って事で。テストです
2016-09-25 21:06:24(劇場に響く革靴の音。産声をあげる音色は余韻を少しずつ、それこそ仄暗い照明の向こうへとまるで融解するかのように新たな音を生み出す。短く、されど長い間、靴を鳴らし止まった先。相反するように観客の視線が集中する宙から一つ降り注ぐ円形の光に自ら足を踏み入れ、男が姿を現した)
2016-09-25 21:10:17紳士淑女の皆々様、今宵はようこそ足を運んで下さりました。皆様の御眼鏡に適うかは分かりませんが、チケット代と戻らぬ時間を頂戴する事は又事実……。 貴重な観客の皆様を飽きさせぬように私から一つ、昔話を致しましょう。
2016-09-25 21:13:39自己の性格から日々の暮らしが灰色にしか見えず、生きる希望も見出せない。 変わらぬ日常を過ごしていく内に何時しか心の中で漠然と、「死のう」。 それだけを胸に抱え込んでいた中で起きた話を。
2016-09-25 21:15:38それならば樹海へと足を運び首吊りなどを選ぶのか今の世の鉄板でしょうが、生憎そんな路銀は有りません。 一旦隠れたまま死んで、直ぐには見つからないような場所。
2016-09-25 21:25:34そうですね……二日から五日程度、死んだ時に見つからない場所であれば何でもいい。 発見されずに死ぬ期間には多分文句無しでしょう?
2016-09-25 21:28:07…………嗚呼、死んだ後の事とかは考えられる余裕が無かったもので。 自分の死体が見つかったら見つかったで、もうメモみたいな簡素な紙を遺書として持っていれば良いかという考えでした。 思考停止一直線です、お笑い種ですね。
2016-09-25 21:30:42そんな心境の中で死に場所を探して彼方此方……、迷い子さながらに歩く姿はある者は薄気味悪く、ある者は酔っ払いのように滑稽だと笑う。 第三者視点からだとそんな風かと。
2016-09-25 21:35:55ふらりふらりと歩く内に私はとある森を見つけまして。 森は辺り一帯を覆い隠すような壁の役割を果たしていて、其処だけ抜けると広い場所に出るのですが、先はほぼ崖に近いような急斜面の坂がある危険な処。
2016-09-25 21:40:00森で覆われているお陰からかパッと見は誰も判らないので、都合が良いとばかりに崖の底や周辺は極稀に置きに来るのかガラクタだらけ。 崖の底では物がゴミの様に積み重なり形成された、山、山、山。
2016-09-25 21:44:11ゴミはゴミに相応しい死に場所があるのかと思っているそんななかで、一人の青年と出逢いましてね。 見目は自分と同じくらい、ホームレスにしちゃあ汚れていない格好なのでそれもまた違う。
2016-09-25 21:50:12何はともあれ、傍から見れば其奴も自分と同じく不審者として周りの者に扱われるのは一目瞭然でした。 そこで自分と同じ匂いを感じまして。きっと相手も似た事を考えていたのでしょう。 其処が、馴れ初めの始まり。
2016-09-25 21:50:38(暗転。少しずつ、緩やかに。彼の影が世界を覆う。暫しの間劇場は暗闇に染まり、物音が数回周りから聞こえる。二度目の天幕が上がると先程まで其処に居た男は忽然と姿を消しており、何処からともなくじわりと空間に染み込むような声が聞こえ)
2016-09-25 21:55:30『案の定、相手と私は話が合いました。私が話をするだけなのですが、それでも自殺を考えていた身としてはそれだけでもかなり救いとなりました。……ですが、』
2016-09-25 22:00:39『ある日、争いが起きてしまいましてね。 ……何故争いが起きたのかはもう覚えていません。然し、段々と其れはエスカレートしていき、果てには取っ組み合いにまで発展し、』
2016-09-25 22:04:52