効率とスピードは両立しないと、理論的に示された(熱エンジンの話)

慶應義塾大学理工学部の齊藤圭司准教授と、東京大学大学院総合文化研究科博士課程3年の白石直人、学習院大学理学部の田崎晴明教授の研究グループが、熱エンジンについての「パワーを求めると効率が落ちる、効率を求めるとパワーが出ない」というトレードオフについて理論的に示し、またその出力についての原理的限界を発見した。 関連ツイートを読むと、論文やプレスリリースの理解が深まり(というか、広まり)ます。
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Jun Makino @jun_makino

「考えうるほぼ全ての熱エンジンにあてはまります」と書いてあるけど動作ガスを捨てる内燃機関とかガスタービンにはあてはまらなくないこれ? twitter.com/Hal_Tasaki/sta…

2016-11-01 18:12:35
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

【プレスリリース:一般の熱エンジンの効率とスピードに関する原理的限界の発見】 白石+齊藤+田崎のプレスリリースを出した。今時めずらしい、ものすごく基礎的で渋い話だけど、長い目で見て重要な仕事だと思っています。 解説は読みやすいはず。 keio.ac.jp/ja/press-relea…

2016-10-31 17:43:19
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

内燃機関は(今のままでは)ダメです。熱エンジンという言葉を物理では普通の意味(複数の熱源と熱のやりとりをして仕事を取り出す装置)で使っています。 twitter.com/jun_makino/sta…

2016-11-01 18:16:50
Jun Makino @jun_makino

.@Hal_Tasaki 了解です。「一般的な熱エンジン」は通常の意味で一般的な熱機関(内燃機関とかガスタービン)は含まない、ということですね?注意深く読めばそう分かるとは思います。

2016-11-01 18:22:38
Jun Makino @jun_makino

.@Hal_Tasaki まあなので、スターリングエンジンとかその手のものは何故駄目で、ガスタービンや内燃機関はよいのか、を改めて明らかにしている論文だと思いました。

2016-11-01 18:24:01
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

なるほど、そんな意義が。 @jun_makino まあなので、スターリングエンジンとかその手のものは何故駄目で、ガスタービンや内燃機関はよいのか、を改めて明らかにしている論文だと思いました。

2016-11-01 19:36:21
Jun Makino @jun_makino

論文にある熱エンジンでは、熱浴とエンジン(の動作物質)の間の緩和 時間が本質的にエントロピー生成をもたらすんだけど、内燃機関ではそういう 制約はない。

2016-11-01 18:44:00
Jun Makino @jun_makino

動作流体を入れ換えることに伴う仕事は発生する。少なくとも、速度を 大きくしていくと入れ換える流体の速度が無限に大きくなって、例えば吸気速 度が音速を超えることは可能かというと、、、

2016-11-01 18:44:03
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

あ、そうか! 内燃機関を「単一温度環境下で化学エネルギーを仕事に変える『化学エンジン』」としか認識していなかったのですが「化学反応で内部に熱を発生させそれを仕事に変える『熱機関』」という見方があるということですね。というより、そういう見方が普通なのか・・ @jun_makino

2016-11-01 23:17:06
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

内燃機関は単一温度環境で化学エネルギーを仕事に変える化学エンジンであり、最大仕事は反応前後のギブス自由エネルギーの差。ドカンと爆発させ外に熱を捨てるやり方はエネルギーは無駄にしているがスピードは実に速い。ここでも効率と仕事率のトレードオフはありそうだが一筋縄ではいかないか・・

2016-11-01 23:25:48
Jun Makino @jun_makino

.@Hal_Tasaki そういう見方をして、熱機関としてサイクル線図を書くことで内燃機関のエネルギー効率についての議論が可能になっているわけです。例えばこんな感じ: fnorio.com/0102heat_engin…

2016-11-01 23:33:45
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@jun_makino なるほど。狭義熱機関のカルノー限界用のようなぎりぎりの原理的な限界といった話とは違うけれど、こういう近似的な扱いで実用的な意味はあるということなのですね。

2016-11-01 23:39:39
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@jun_makino そして、そういう見方だと「エンジンの中に高温の熱源が瞬時にして何のロスもなく出現した」ことになり、パワーへの制限はおそらく何もないということですね。

2016-11-01 23:41:33
Jun Makino @jun_makino

@Hal_Tasaki 速度への制限としては、自明なものとしては自由膨張よりも速くは動けないし、自由膨張であれば定義からして仕事を取り出すことが出来無い、というものがあります。圧縮のほうも、音速を超えて衝撃波が立ってはいけないということに。

2016-11-01 23:54:34
原田 裕史 🥚 🧷 @harada_hirofumi

@Hal_Tasaki 瞬時というわけにもいかないですね。火炎伝播の速度があります。@jun_makino

2016-11-02 00:07:47
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@harada_hirofumi はい、おっしゃる通りで、実装を考えるとそういうことはあると思います。 牧野さんも書かれていますが、ぼくもさしあたって第ゼロ近似というつとりでした。 @jun_makino

2016-11-02 09:57:02
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@jun_makino はい。実装を考えるといろいろ出てくると思います。あのツイートは、牧野さんが↓で書かれていたことを拙く表現したものでした。 twitter.com/jun_makino/sta…

2016-11-02 09:58:50
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

そして、それをまったく任意の非平衡プロセスについて(熱浴がマルコフ過程で記述できるという条件のもとで)証明してみせたところが今回の仕事の「売り」なわけです。

2016-11-02 10:01:05

電池への適用

nushio @nushio

@Hal_Tasaki @jun_makino 上の方でも電池について言及されてますけど、電池は内燃機関と同様のマクロな仕掛けで化学ポテンシャルを仕事に変換する装置だと思ってよい?そうなると、電池の仕事率や効率に関する定理も将来出てくるのかな。

2016-11-03 16:02:43
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@nushio @jun_makino 基礎的な熱力学の目で見れば、電池も内燃機関も化学エネルギーを力学的エネルギーに変換する装置なんですが、やってることはすごく違う。そこに何か本質的なものがあれば面白いですね。

2016-11-03 19:35:49
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@nushio @jun_makino ただ、今回の論文でも熱浴をミクロにモデル化する必要があったし、そういう深い(細かい)ところに入っていくとモデル化の良し悪しみたいなことも効いてくるので難しそう。

2016-11-03 19:37:08

内燃機関と生物のパワーと効率

Jun Makino @jun_makino

@Hal_Tasaki 富塚清「動力物語」に、内燃機関とタービン以外の色々な提案は全部死んでしまったんだけど、それが何故かの理論化はできていない、という話があって、その一端を明らかにしたということではと思います。

2016-11-02 11:18:48
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@jun_makino ううむ。そこまでの意義があると素晴らしいけれど、内燃機関については「この制約はあてはまらない」と消極的なことが言えるだけですから。 いろいろとご丁寧に教えていただいてありがとうございました。まったく非常識でした。プレスリリースは改訂するつもりです。

2016-11-02 14:10:57
Hal Tasaki @Hal_Tasaki

@jun_makino 内燃機関を「温度・圧力一定環境(=大気中)で化学エネルギーを仕事に変換する装置」ととらえると、最大仕事は反応前後のギブス自由エネルギーの差ですね。これが内燃機関の唯一の熱力学的な原理的限界のように思えます。 しかし実際に爆発させて取り出している仕事はずっと

2016-11-02 14:14:17
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