始まりの場所

亮ちゃん×パラレルワールド的なお話です。 #妄想なので、ご注意ください
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ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 26】 『おん。それに俺も…お前と同んなじこと思ってた』 アホやん… 俺、気付いてやれんかった 何を差し置いてもお前が大事やのに ココ戻って来んかったら お前の気持ち、知らんままやったんやな 「え?」 ゆっくりと病室の扉を開けた先には

2016-10-16 20:47:47
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 27】 『看護師さんに用意してもらってん』 2つ並んだベッドがあった 『まだ離れたくないんは、お前だけちゃうってこと』 一分でも一秒でも長く 傍に居らして? 「ねぇ、亮ちゃん」 『ん?』 消灯時間が過ぎた薄暗い部屋の中

2016-10-16 20:48:14
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 28】 「これから私が言うこと…怒らないで聞いてね?」 少し遠慮気味に話し出す彼女 『なんなん?俺お前にそんな怒ったことあったっけ?笑』 「あのね、亮ちゃんはずっと笑ってて欲しいの…何があっても」 投げ掛けられた言葉が

2016-10-16 20:48:32
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 29】 「私ね、亮ちゃんの笑った顔すごい好きなんだ。笑った時のくしゃってした顔が。亮ちゃんは私の太陽なんだよ」 胸の奥深い所に落ちて広がる 『イキナリ、どしたん…』 「ふふっ。言っておきたかったの」 …お前はもう気付いてるんやな…

2016-10-16 20:48:44
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 30】 自分の命が、そんなに長ないってこと 「そろそろ寝よっか?亮ちゃん居てくれるから、今日は良く眠れそう」 『ん、ゆっくり寝ぇ。おやすみ』 指を絡ませギュッと手を握る 温もりを忘れんように お前の寝顔も何もかも この目に焼き付けて眠りについた

2016-10-16 20:52:49
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 31】 ふわふわと心地好い微睡みの中 ⦅亮ちゃん⦆ 誰かに呼ばれた気ぃして ん…誰…? 声のした方を振り向こうとするんやけど、身体が全く動かへん ⦅亮ちゃん…⦆ なぁ、誰なん? ちゃんと返事したいんやけど、出来へんねん

2016-10-17 22:03:47
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 32】 ゴメンやけど、もうちょい待ってくれんかな? あ、でもその前に一個教えてや ⦅りょ…ちゃ…⦆ 少しずつ少しずつ 俺を呼ぶ声が遠のいていく …なんでそんな悲しそうな声してんの…? 重たかった瞼が開きかけた所で、パッと目が覚めた

2016-10-17 22:04:03
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 33】 『あれ…なんか夢見とった気ぃしてんけど…』 思い出そうとしても何一つ浮かび上がってこない 『思い出されへんって事は大した事ちゃうかったんかな』 ふと隣を見ると、すやすやと眠る彼女の姿 髪に指を絡め 引き寄せられる様に、そっとキスを落とした

2016-10-23 18:05:35
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 34】 『あー、もぉ…っ、何してんねやろ俺…//』 自分の枕に顔を押し付け、1人呟く どうしようもなくて、布団の中で彼女が起きるのを待っとこうとも思ったけど 『…顔洗ってこよ//』 いたたまれなくなって、部屋を抜け出した 洗面所に着くと唇に触れ

2016-10-23 18:05:59
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 35】 『キス…久しぶりやったな…』 さっきの事を思い出す 『…っ!?あかん、あかんっ!//』 頭の中から追い出す様に、蛇口を捻って何度も顔を洗った ばしゃばしゃ…っ 水滴を滴らせたまま 『こんなんで浮かれてる場合ちゃうねん』

2016-10-23 18:06:49
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 36】 鏡に映る自分に活を入れる 時間までまだあるハズ 病院から連絡あったんは夜やったんやから 猶予はあと半日… 俺はお前に何をしてやれる? もっと伝えたいことも、見せたいもんもいっぱいあるけど ありすぎて…時間が足りひん

2016-10-23 18:07:12
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 37】 その時、 バタバタバタ…っと廊下が突然騒がしくなった 『何かあったんかな?』 気になって洗面所を出ると、慌てた様子の看護師たち その向かった先は… 『…え、?』 彼女の病室だった 『なん、で…』 だって夜やったやん

2016-10-23 18:08:11
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 38】 あの日のあの時間まで、まだ半日あんねんで? それやのに… 目の前で繰り広げられてるこの光景はなんなん 色んな管繋がれて 飛び交う言葉の中 先生が肩を落として、こっちを振り向いた あぁ、あかんかったんや

2016-10-23 18:08:23
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 39】 膝から崩れ落ちそうになる身体を支え、彼女に歩み寄る キスした時はまだ確かにあった愛しい温もり 時間が早まった理由も原因も分からず ただ、掌から零れ落ちていく命 今はもう…消えゆくだけ 辿りたくなかった“時”が再び繰り返されたんだと理解した

2016-10-23 18:08:34
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 40】 何があかんかった? コイツと居りたいって思っただけやん どうせやったら、コイツが楽しい、嬉しいって思うことしただけやんか それがあかんかった? 俺が…前とちゃう事したから…? お前の気持ちを大事にしたい

2016-10-24 21:04:47
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 41】 やけど、それでお前の時間が短なるんは嫌や …俺はどぉしたらええん? なぁ、誰か教えてや… 遠ざかる意識 目の前が霞んで暗闇に飲まれていく 目を覚ませば また愛しい君がそこに居る 手を差し伸べると嬉しそうに笑って

2016-10-24 21:04:59
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 42】 抱き寄せると恥ずかしそうに俯く君 何度も何度も 君との幸せだった時間を辿るも いつも最後に待ち受けるてるのは 白い部屋 白いベッドに横たわる君の姿 そして灯火が消える、あの瞬間を目の当りにする このループする時間の中で

2016-10-24 21:05:09
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 43】 どんなに迷って 悩んで もがいても 結末が変わることはなかった 彼女が倒れた“時” 同棲するようになった“時” 病気を知らされた“時” 付き合い出した“時” どの“時”も 突き付けられるのは彼女の死

2016-10-24 21:05:21
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 44】 もぉ、見たない… 何回も何回も アイツが死ぬとこ もぉ見たないのに なんで繰り返すん…? 心に引っかかったトゲみたいに ずっと頭の端にあった思いが痛みとなって広がっていく …俺ら出会わんかったら良かったんかな

2016-10-24 21:05:32
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 45】 小さかった思いが大きくなる頃 〈亮ちゃーん、明日の花見やねんけど一緒に場所取りせぇへん?〉 この時間に 『マル…悪いんやけど、俺やっぱ行くの辞めてええ?』 アイツと初めて会ったこの時間に 〈え!?なんで!?〉 戻ってきた

2016-10-24 21:05:46
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 46】 『ホンマごめん、皆にも言うといて』 〈ちょ、亮ちゃん!?〉 困惑するマルに構うことなく、その場を後にした …これでええねん 最初からこぉしとけば良かったんや そしたら、あんなツライ思いもせんで済む 翌朝、目が覚めると1件のメールに気付く

2016-10-24 21:06:01
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 47】 〔遅くにごめん。 あんな亮ちゃん珍しいから心配でメールしてもた。 嫌やったらスルーしてくれてええから…なんて言うか、俺は亮ちゃんの笑ってる顔が好きやねん。 突然なんやねん!って言うかもしらんけど、お日様みたいにポカポカして安心するんよ。

2016-10-24 21:06:31
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 48】 しんどい事もあるやろし、投げ出したい事もあるやろうけど…花見で騒いだら気分転換出来るんちゃうかなって。亮ちゃんに何があったかは知らんけど、俺ら待ってるから!長なってしもてごめん。おやすみ〕 何をするワケでもなく、ただボーっと時間が過ぎるのを待つ

2016-10-24 21:06:50
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 49】 そうしよって決めてたのに 『はは…っ、ホンマ長すぎ…』 マルのメールから、アイツの言葉を思い出した “亮ちゃんはずっと笑ってて欲しいの…何があっても” “亮ちゃんは私の太陽なんだよ” 何度も“時”を繰り返し過ぎて忘れてた

2016-10-24 21:07:02
ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 50】 俺の大事なもんやのにな 溢れる涙を手のひらで拭い、身支度を整えると 待っといて ちゃんとお前に会いに行くからっ 靴紐をキツく結び、家を飛び出した (『ただいまぁ、居らんの?』 玄関で出迎えてくれるハズの彼女の姿が見えない

2016-10-25 21:32:03