始まりの場所

ゆずなぎ @yuzukinagi_you

【RYO story 51】 仕方なくリビングへ向かうと 『…え、…？』 倒れている彼女が目に入った 『大丈夫か！？なぁ！？』 どれだけ呼んでも反応がなく 『あの！救急車！救急車お願いしますっ！』 震える指で助けを求めた 『早くっ！彼女助けて下さいっ！』)

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【RYO story 52】 住宅街を走り抜け (『荷物これで全部？』 「うん」 彼女の荷物を部屋の中へと運び込み 『よしっ、これで終わりかな。じゃあ…ちょっと休憩せぇへん？』 「あ、私用意するね」 キッチンから取り出した色違いのマグカップを手に

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【RYO story 53】 『ありがとう』 ソファで肩を寄せる 「今日から、なんだね//」 『なんか、緊張するな//』 「亮ちゃん、これからお世話になります//」) 長い長い道を行く (『え…、今、なんて…？』 音楽がかかる車の中、射し込む夕陽

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【RYO story 54】 「ごめんね、亮ちゃん…」 冗談やろって願ったけど、やっぱ現実で 「早く言わなきゃって思ってたけど…言えなかった…っ」 『っ！』 肩を震わせ、大粒の涙を流す彼女を抱き寄せた 「亮ちゃんと…っ、あとどれくらい居れるかなぁ…っ？」

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【RYO story 55】 『そんなん、ずっとや…っ！ずっと傍に居るよ…っ』) 階段を駆け上がり (「うわぁ、すごい…っ」 ライトアップされ、色とりどりの花たちが綺麗に輝く 「こんな所あったんだねっ」 嬉しそうな彼女が見れるだけで、俺も嬉しくなるんやけど

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【RYO story 56】 …今日はちゃう ずっとソワソワして落ち着かへん こんな緊張した事今までないってくらい、心臓がうるさい 「錦戸くん？どうかした？」 振り向いた彼女が首を傾げる 『あの、さ…これからも、もっと色んな所行かへん？２人で』 「え…？」

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【RYO story 57】 『好きや。俺と…付き合ってくれませんか？』 一瞬大きく目を見開くと 「…はいっ」 はにかんだ笑顔で応えた ぐいっと引き寄せ 『何があっても、ずっと一緒に居ろな』 「うん…っ」 イルミネーションの光の中、そっと唇が重なる)

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【RYO story 58】 目の前に広がる桜並木 〈亮ちゃんっ！来てくれたんやねっ〉 息を切らせた俺に気付いたマルが、声を掛けた 『マル…っ、メールありがとうな。おかげで、大事なもん思い出せた』 〈よぉ分からんけど、亮ちゃんが元気になってくれて良かったぁ♪〉

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【RYO story 59】 ふと、マルの向こう側で困り顔の女性が目についた 『なぁ、マル。ありがとうついでに、もぉ一個ええかな？』 〈え、なに？〉 きょとんとするマルを置いて、女性の元へと駆け寄る 《お姉さんたち、この後暇なんでしょ？俺らと遊びましょうよー♪》

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【RYO story 60】 「困りますっ、離して下さいっ！」 嫌がる女性の腕を掴む男 女性の友達らしき子たちも、すっかり怯えてしまっている 『ちょお、離したってくれへん？』 横から男の腕を掴み、振り払うと 《誰だよ、邪魔すんなっ》 女性を庇う様に間へ割り込んだ

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【RYO story 61】 『嫌がってるやんけ、見て分からんの？』 《んだよっ！やんのか！？》 男たちが構えた瞬間 〈あ？なんやコイツら〉 〈亮に用あんなら、俺らも混ぜてもらおうかいのー？〉 〈ヒナとすばる怒らしたら怖いで？〉 〈えー、俺痛いの嫌やぁ〉

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【RYO story 62】 〈悪いんやけど、こっから消えてくれへん？目障りやわ〉 〈…章ちゃんが一番怖い…(ぼそっ)〉 ぞろぞろと、みんなが加勢してくれた …マルが呼びに行ってくれたんやな 『そぉいうことやから、早よ失せろや』 大人数に囲まれ、萎縮した男たちは

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【RYO story 63】 《お、おい！行くぞっ！》 背を向けてその場から逃げて行く ホッと胸を撫で下ろし 『大丈夫やった？』 後ろを振り返った 「はい…っ、本当に助かりました。ありがとうございます」 安心した様子でお礼を言う女性に

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【RYO story 64】 〈そぉや、良かったら俺らと一緒に花見せぇへん？〉 「え？」 〈また絡まれんのもアレやしさっ〉 大倉とマルが提案する 『あ、嫌やったら嫌って言うてや？さっきの奴らみたいなんする気ないからっ』 「ふふっ、分かってますよ。じゃあ…お願いします」

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【RYO story 65】 ２組のシートを並べ、軽い自己紹介のあと 持ち寄ったお弁当を分け合って食す 〈んー…まだ足りひーん〉 〈ていうか、飲みもんも足りんくない？〉 大倉と章ちゃんの言葉に反応して 〈誰か買い出し行ってもらおかー〉 横山くんが周りを見渡す

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【RYO story 66】 「あ、じゃあ…私たちが…」 〈あかん、あかん！ココは公平に行かな！〉 立ち上がろうとした彼女を村上くんが止めると 〈じゃあ…やっちゃいます？〉 マルがにやりと構えた それを見た女性たちも納得したようで 〈せーのーっ！〉

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【RYO story 67】 じゃーんけーんぽんっ！ 掛け声に合わせて出した結果は… 「あ、負けちゃった…」 『俺もや…』 〈ほな、お２人さん頼んだでー〉 肩を並べてコンビニへと歩き出す 柔らかい風が頬を撫で 時折、舞う花びら

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【RYO story 68】 ちょっとぎこちない距離感が新鮮で 今の自分を想像すると、思わず笑みが零れる 無かったらええ時間なんて１つもない 嬉しい事も辛い事も 悲しい事も楽しい事も 何もかも全部が大事な時間なんや 例え失くすと分かってても、捨てることなんか出来ん

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【RYO story 69】 《ありがとうございましたー》 『じゃあ、戻ろっか。大倉とか駄々こねてそうやし 笑』 「そうですね 笑 あ、荷物私にも持たせて下さい♪」 『え、これ結構重いで？』 「大丈夫ですよ、そのくらい持てますっ」 『じゃあ…こっちお願いしてええ？』

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【RYO story 70】 「はいっ」 『…あとさ、敬語やめへん？歳もそんな変わらんしさ』 「あ、そうだね 笑」 小さなもんを積み重ねて その１つ１つが俺の一部になる 仕草とか、眼差しとか、クセとか ふとした時に思い出して…懐かしくなって……

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【RYO story 71】 そぉやって、いつまでも俺の中で生きて 色褪せることもなく 傍に居ってくれてるんよな 〈お、帰ってきたぞ〉 〈亮ちゃーーん♪〉 〈も、遅いってー！お腹減りすぎて死にそうやぁー〉 〈そんなもんで死ぬかいな〉

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【RYO story 72】 〈ちょ、大倉！狭いねんから寝転ぶなや！〉 〈２人とも、お疲れさまぁー〉 『ほら、な？言うた通りやろ？笑』 「うん 笑」 〈あ、何笑ってんのー？〉 〈なんや、さっきよりも仲良ぉなってへん？〉 〈何あったん？教えてやー〉

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【RYO story 73】 春の暖かい陽だまりの中 初めて君に恋をした 俺らの最初の1ページ ｟…ちゃ…｠ 季節を 想いを 色を重ねて ｟りょ…ちゃ……っ｠ なぁ、俺…やっと歩いて行けそうや 『誰か呼んだ？』 〈あ？誰も呼んでへんぞ？〉

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【RYO story 74】 〈どっくん、寝惚けてたんちゃう？笑〉 『え、でもホンマに…』 ｟亮ちゃん…っ｠ 『ほら、聞こえるやんっ』 〈亮、お前大丈夫か？〉 『…俺、だけ…？』 ｟亮ちゃんっ、亮ちゃんっ｠ 誰なん？ なんでそんな一生懸命に俺を呼ぶん？

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【RYO story 75】 ｟亮ちゃん…っ、返事して…っ｠ あー…泣かんといてや 俺ここに居るやん 〈なぁ、亮。そんな気になるんやったら、行ってみたらええんちゃうか？〉 〈めっちゃ呼んでくれてるんやろ？何か言いたいこと、あるんかもしれんで？〉