「フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #17 「進撃」

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フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

<Mighty!/タイマー!> 氷結を免れたモノに剣モードで斬りつける。浅い。森で戦ったマダラの大物並の硬さだ。構わずに連続で斬り付ける。反撃で繰り出された脚を氷上を滑って躱す。掠っただけで手足を奪われかねない威力だ。追撃を射撃反動で攻防一体に更に滑って躱す。 19

2016-11-05 01:02:26
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右レコードを排出、ビリヤードの要領で氷上を滑る他のレコードに連続反射し、僅かばかりの動けるクモ達を翻弄する。入口側から滑ってきたドロイドからすれ違い様に次のレコードを受け取り、手で装填する。 <Mighty!/ペネトレイト!!> 佐祐里が構えた瞬間、硬皮グモに変化が現れる。 20

2016-11-05 01:06:57
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「タイマー」の攻撃を受けた部位が一斉に爆ぜた!耐え切れず硬皮が砕け散る。同時に無属性の力で強化された貫通弾がクモの体の正中線を貫通、四散せしめた!タイマーの黒盤(レコード)は最大12分の範囲で「起爆」時間をセット出来る。全ての攻撃がこの瞬間に起爆する様に合わせたのだ。 21

2016-11-05 01:12:11
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単純威力強化のMightyと一点集中のペネトレイトの組み合わせが既に必殺の威力だ。タイマーと併用すれば、この広間で最強格だった今の硬皮グモと言えど耐えられはしない。他のクモ達も硬皮グモの「格」は分かっていたのか、それが倒されたことで、再び萎縮し始めたようだ…いや、これは…? 22

2016-11-05 01:24:16
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(洗脳が解けている…?) 気付けば、東から聞こえる声は大分弱まっている。新種が片桐達に集中しているのか弱っているのか、或いは声帯の様な部分が傷ついたのかも知れない。この場のクモ達のほうも戦闘に集中して生存本能を刺激され、洗脳にも抵抗出来るようになった、とも考えられる。 23

2016-11-05 01:31:02
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片桐達の危険度が僅かに下がったのは良いが、佐祐里達には良くない。再びクモ達が自由意志で動き出せば、生存者の危険度が増し、更には動きが乱雑になり狙い辛くなる。幸い粗方の動きは封じ、戦意も多少削げてはいる。拘束や洗脳が完全に解ける前に少しでも数を減らすべきだ。 24

2016-11-05 01:41:19
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佐祐里は氷の少ない西側の岩の上に着地し、まずは動ける親グモの1匹の半身を吹き飛ばす。同じくもう1匹。これで動けるのは僅かな子グモだけだ。コレは一度放置し、最初に拘束した東側の親クモに狙いを付けて撃つ。消費は重いがレコードと佐祐里自身の魔力を遣り繰りすれば、まだ余裕はある。 25

2016-11-05 01:44:29
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1匹、2匹と強化貫通弾で仕留めた所で、左胸に違和感を覚える。先程天井から落ちてきた、片桐の仲間のクワガタのエイジだ。胸ポケットに入れていたのだ。洞穴を冷やしてしまったせいで他2匹は活動が鈍ったのか、途中でリタイアし、ドロイドの1体にくっついて熱で暖を取っている。 26

2016-11-05 01:49:40
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氷上を離れたことと、彼を気絶させた新種の声が弱まったことで起きたのだろうか。片桐と違って虫と会話する能力はないが、援軍への礼儀として何か言うべきか。そう考えていると、エイジは足をバタバタと伸ばす妙な動きでもがき出した。 「あっ…ちょっとくすぐったいですよ…!」 27

2016-11-05 01:53:13
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厚みのある隊服とはいえ、中で動かれたら流石に妙な刺激が来る。射撃どころではない。制するようにポケットの外から軽く掴もうとすると、動きが変わった…腹と鋏を打ち鳴らし始めた。妖怪の気配を感じたときの動きだ。周りには手負いとは言え未だ大量の妖怪がいるから当然のことだ…いや、違う。 28

2016-11-05 01:58:57
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そんな無駄な動きをするクワガタに片桐は隊長を任せはしない。鋏の音が激しくなる。割らんばかりの勢いだ。これは確か敵の近さを表していた筈…佐祐里は思い出した。イワダマシという岩に擬態するバケグモがいることを。瞬時に飛び退いたその体を「岩塊」が吹き飛ばした。氷上に叩きつけられる。 29

2016-11-05 02:05:08
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「が…っ…!」 真下から腹への体当たり、不完全ながら受け身を取ったがダメージは大きい。完全に岩だと思っていたその塊は何時からそこにあったのか、記憶がはっきりとしない。イワダマシは認識に干渉する幻術を使う説があったが本当なのかも知れない。佐祐里は一枚のレコードを地面に差した。 30

2016-11-05 02:09:54
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ノゾム達2匹と飛行型メカがイワダマシを攻撃する。元より彼らの力では妖怪に大したダメージは通らないが、岩に擬態するだけあって特に頑丈らしく、眼球を刺されてすら平然としている。硬度だけならさっきの硬皮グモに近い。佐祐里は起き上がり、飛来した治療用レコードを受け取る。 31

2016-11-05 02:14:52
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装填しようとしたところへイワダマシの溶解液が飛んでくる。身を捻って躱すが、激痛が走る。骨折ではなかろうがヒビくらいは入っていたかも知れない。一瞬動きが鈍ったのを見逃さず、岩グモが再び突進した。武器を宙に放り、後ろに倒れるように躱す。クモの爪が佐祐里の胸を掠める。 32

2016-11-05 02:19:15
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その一撃は浅く服を裂く程度で済む筈だった。だが佐祐里は胸を庇うように、全力で体を左に捻り、地面に倒れ込んだ。痛めた肋の辺りの激痛を堪える。胸を庇った右腕にも薄い切り傷が走った。彼女は何も胸が外に晒されるのを嫌った訳ではない。ポケットのノゾムが斬られる可能性を避けたのだ。 33

2016-11-05 02:22:37
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イワダマシは意外な戦果に一瞬だけ驚いたかのような様子を見せたが、すぐに接近を再開した。佐祐里の見せた隙に動ける子グモたちばかりか、拘束状態のクモもなんとか反撃しようと脚や、口などを動かし始める。岩グモに対処している以外のドロイド達が阻止を試みるが、大した足止めにはならない。 34

2016-11-05 02:28:52
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佐祐里は落下してきた自分の武器をしっかりと受け止める。無属性弾で岩グモを牽制し、その隙にレコードを手早く交換する。治療用ではない。まずイワダマシを素早く倒し、他が動き出す前に治療せねば一気に押し負ける。痛めた肋ごと左胸を庇いながら、佐祐里は敵を見据え、引き金を引いた。 35

2016-11-05 02:32:32
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フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #17 「進撃」 終わり #18 に続く 実況・感想タグ: #禁森実況

2016-11-05 02:32:44