キミに読む物語〜ラプンツェル（亮ちゃん）

うさぎ🐰ときどき妄想してました @eitars_h

51 ルカや 顔見んでもわかった 『…この鍵…あったんだ』 「…ウン｣ ルカの声や… その瞬間鼻の奥がツンとなり目に涙が滲んだ 親父とは別の、俺宛てのインビテーションカード "ラプンツェルは塔を降りる時がきたよ" そこに添えられたメッセージ #キミに読む物語

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52 『やっと帰ってこれた』 その言葉に顔をあげる 『錦戸くんが私の背中を押してくれたから』 同じように潤んだ瞳のルカが綺麗で… 「…髪…｣ あんなに長く綺麗やったけど 「短いのも似合うてる//｣ 用意してた言葉もなにもかもぶっとんで #キミに読む物語

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53 『ありがとう。笑 自分で切ったの。立ち向かう為に。もう人生を悲観するだけのただのお人形でいたくなかった。 だって── 錦戸くんにもう一度会いたかったから』 「…1度だけ？あ…ちゃう//｣ そんな事が言いたいんやなくて… 「こっち｣ #キミに読む物語

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54 ルカの手をとりパーテーションの裏へ誘った 「もう…僕は必要ない？｣ ルカがいつの間にかこんなにキラキラ輝いて自信に満ちているから 『なぜ？正式にお父様の後を継ぐって聞いた。それを知った時私、あなたに釣り合うようにならなきゃダメだって思ったの』 #キミに読む物語

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55 《ではここで、新しくオープンするホテルのオーナーに御挨拶をいただきたいと思います！》 ひときわ歓声が上がった 『…私はまだ錦戸くんの彼女の資格ある？』 「っ！？…あたりまえやん！｣ あの南川の叔母さんをやりこめて ここまでのしあがったんやから #キミに読む物語

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56 俺の方こそどうなん？ 『よかった//もし、心変わりされたらどうしようって、そればっかり不安だった。苦笑』 「そ…//は、、アホやん//｣ また会えてどんだけ嬉しいって思ってるかわかってへんやろ 《──あ、もう少しお待ちください》 ざわめく会場 #キミに読む物語

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57 『はー緊張する』 ルカが頬に両手をあてた うん、わかるでその気持ち 俺もこんな雰囲気苦手や でもさ ルカならできるやろ？ ここまでこれたんやから 「ルカ──｣ 彼女に近寄り3秒間…ﾁｭ… 「落ち着いた？｣ 『バカ//…行ってくるね』 #キミに読む物語

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58 前を向くルカの顔はキュッと引き結ばれてやっぱり綺麗で 登壇した瞬間待ちわびたようにあがる拍手に誇らしい気持ちになった 物語はやっぱりハッピーエンドがええな… ルカへ惜しみない拍手を送りながら心から俺は そう思った─── #キミに読む物語

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59 ＊ ──どうしてまだそこにおるん？ 外へ飛び出すことを恐れてるん？ おまえのいるその場所はどんな所？ おまえのいないこの場所はめっちゃ淋しい。苦笑 だけど俺は知ってるんよ ほんの少しの勇気と好奇心があれば、そこから抜け出すことは簡単やって #キミへ読む物語

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60 あの2人にだってできたやんか ……だから 怖がらんでよ 俺がおるやん… 「なあ？早う目を開けてや｣ そろそろ俺待ちくたびれたで？ #キミに読む物語 pic.twitter.com/fXC41kR2TL

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1 トクトクと心臓が鳴っている 非常階段を駆け上がってきたから…やない ズボンのポケットに秘密を抱えて走ってきた そっと重いドアを開けて外へでると、冬へと向かう空気を孕んだ秋の香りに襲われる 目を瞑り郷愁にも似たその香りをやりすごして給水塔の影に座った #キミに読む物語

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2 周りをさっと見渡して ポケットの中のモノをとりだして 開封済のソレから1本抜いて火をつけた 「っゴホッ…｣ 吸ったのはまだほんの数回目 慣れてへんから吸い込む時にむせてまう カッコ悪いけど誰もおらんしええやろ？ #キミに読む物語

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59 ＊ ──どうしてまだそこにおるん？ 外へ飛び出すことを恐れてるん？ おまえのいるその場所はどんな所？ おまえのいないこの場所はめっちゃ淋しい。苦笑 だけど俺は知ってるんよ ほんの少しの勇気と好奇心があれば、そこから抜け出すことは簡単やって #キミに読む物語