フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #20 「決着」

次セクション(二話完結編)は火~水曜の予定です フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 まとめ http://togetter.com/li/1024051 続きを読む
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キメ公が激しく暴れる。それ位しか出来ねぇだろうよ。ヤリ共の脚は背中側には攻撃できねぇ。揺れる度に痛みが酷くなるが些細なこった。 「ハル!」 「構うな!そっち殺れっ!!」 10箇所以上ぶっ刺した所で、ナガヤリの体がころりと落ちる。どっか決定的な所を壊した手応えがあった。 12

2016-11-10 00:11:20
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俺は続いて、四節目のヤリグモの背中を壊すべく下がり…殺気を感じた。気付いた時には最後尾のツリイト野郎が糸をぶっかけたところだった。さっき程の爆発的な威力はねぇが、俺もろとも五節目辺りまでまとめて糸に巻かれる。奴は地面すれすれまで体を前傾させ…背中を一気に壁に叩きつけた…! 13

2016-11-10 00:19:45
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俺は四節目へと下がりながら、敵を挟み込む両足の力を少し抜いた。殺気を感じた瞬間、横っ飛びに躱す。ツリイトの放った範囲優先の糸弾は、四・五節目を糸に巻く自滅という結果に終わった。俺は両足と左手で衝撃を殺して着地する。恵里も無事、雑魚との戦闘を再開しているようだ。 13-2

2016-11-10 00:23:35
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俺はゆっくりと立ち上がる。ツリイト野郎はまだ2・3発は糸弾を撃てるはずだし、トビバケグモの蹴りも脅威だ。雑魚共も俺達が糸で巻かれた状態なら十分な脅威だ。コイツと戦い始めてもう…いやまだ10分位だろうか…援軍はもう来ても良い頃だが…俺はまだ…俺は… 14

2016-11-10 00:30:01
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俺は##$&!…恵里が振るう…俺の刃を踏んで……先輩が俺に%%%…赤い炎に包まれる■■は神楽鈴を……ラッタ…すまねぇ■■■助けられなかった…剣を…「はる君なら良い未来を選びとってくれるって思うから…×を宜しくね…」###%%!!!! 159647556241555615

2016-11-10 00:39:27
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視界が途切れる。黒でも白でもねぇ。色そのものが認識出来ねぇ。音も聞こえねぇ…予知の使い過ぎだ。脳が限界に来た。五感が混ざって共感覚に近い状態でも有る。誰かがが俺を呼んでる気がする。多分恵里の筈だが、体を揺らすのが声なのか手なのかも分かんねぇ。触覚まで曖昧になってきやがった。 16

2016-11-10 00:43:13
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「ハルッ!」 恵里の声が痛ぇ。 「片桐君!片桐君!」 この呼び方、真っ先に思い出すのは先輩だが何か違う気がする。今の俺には音よりも文字で認識しちまうから声の高さが分からねぇ…この声が下からがんがんと響いてくる。いや下な訳がねぇ上だ…口の中にヤバい色が流れ込んで来て寒い。 17

2016-11-10 00:50:57
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「うぎゃああああああっ!!?」 激痛で世界が戻ってきた。現実に引き戻される。体ごと飛び起きた俺の顔を、覗き込んでいた人がすっと躱す。桐葉さんの隊の義奥の兄ちゃんだ…呼び方が同じだけで何で一瞬でも佐祐里先輩と間違えた、俺?死にてぇ。今男に膝枕されてたんだぞ。 18

2016-11-10 00:54:30
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(セクション中にアイキャッチが入った場合は、セクションを変えずに中断となります。通常、1・2日後に再開予定です。今回は明日の予定です。) (なお、第二話は次の #21 で完結予定です。これは来週火~水曜の予定です) (第三話は月末頃からを予定し、それまでは用語集などを投下します)

2016-11-10 00:59:32
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「フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #20 「決着」 (途中)」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1046754

2016-11-10 01:20:42
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まとめを更新しました。「フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 まとめ」 togetter.com/li/1024051

2016-11-10 01:23:55
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「うぎゃああああああっ!!?」 激痛で世界が戻ってきた。現実に引き戻される。体ごと飛び起きた俺の顔を、覗き込んでいた人がすっと躱す。桐葉さんの隊の義奥の兄ちゃんだ…呼び方が同じだけで何で一瞬でも佐祐里先輩と間違えた俺?死にてぇ。今男に膝枕されてたんだぞ。

2016-11-11 00:16:01
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「フォビドゥンフォレスト2話「バケグモ大進撃」 #20 「決着」(後半)

2016-11-11 00:16:54
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「かぁぁっ!」 コートを翻しながら、壮年の男が腕を突き出す。手から放たれた閃光弾は、まだ動けるクモ集団の真ん中へ着弾し光が迸る。今日の部隊長にして礼太の父、永友雷牙。彼の家が受け継ぐ光の力は本来この様な使い方が本流で、礼太の様に攻撃に使う者は家の歴史上でも稀である。 19

2016-11-11 00:23:08
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クモ達が怯んだところを桐葉ともう一人が次々に切り裂いて行動不能にする。その間、幸市達三人が佐佑里に拘束されたクモ達を攻撃する。拘束が解け掛けているものから優先的に倒していく。援軍の最後の一人、保葉は衰弱の激しい者から順に水で希釈した回復薬を飲ませていく。 20

2016-11-11 00:30:16
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彼ら魔術師(ウィザード)は小瓶をそのまま煽って問題ないが、常人、それも絶食状態の者には栄養が濃すぎて逆に害となる。救出任務は全く想定外だった為、経口保水液の類は殆ど用意がなかったが為の措置である。本部から急遽物資を受け取った後続が来るまではこれで保たせるしかない。 21

2016-11-11 00:33:55
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「にしても、なあ…」 雷牙は拘束済み討伐に加わりながら辺りを見回す。一度にこれほどの生存者を一度に救助した例は40年以上の討ち手人生の中でも数えるほどしかない。大勢がまとめて森に拐われたり迷い混む例がまず少ない上に、生き餌を大量に貯蔵しようとする妖怪も少ないからだ。 22

2016-11-11 00:37:49
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そもそも瘴気の濃い森の中で、常人を何日も生かすのは難しい。その場で必要な分だけ食うほうがむしろ楽な筈だ。この洞穴は頑丈な岩壁とそれを覆うクモの糸で魔力的な気密性が相当高く、瘴気が入りにくい。それで生存者達は数日間生きていられたのだろうが、そんな面倒をクモがするだろうか? 23

2016-11-11 00:44:01
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「ふん!」 拳で手近なバケグモを側面から粉砕する。この手のことは分析班や専門家に任せるに限る。永友家は、僚勇会誕生前から討ち手達の指揮や運営に関わってはいるが、戦闘では専ら前衛に専念するのが性分だ。雷牙はその専門家の一人がいる東に一瞬目をやり、すぐに正面の敵に向き直った。 24

2016-11-11 00:53:58
フォビドゥンフォレスト@カクヨム投稿中 @fbd_forest

「気が付きましたか。片桐くん」 俺に膝枕をして下さっていた義奥の兄ちゃんが立ち上がる。いっそ岩の地面に直接寝かせてくれよ、とも言えず俺は周囲を見回す。まだ視界がぼやけているが、数m先の知り合いの見分けはなんとか付く。恵里は無事だ。短刀と刀の鞘の二刀流で戦ってる。 25

2016-11-11 01:01:14
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短刀は兄ちゃんが持ってきた奴だろう。短いつっても折れた刀よりは長い。残り大小合わせて十数匹一人で倒しそうな勢いだ。表情はよく見えねぇが…。 「ハル!起きたのね!良かった!バカ!死んじゃうかと思ったわよ!」 …『!』の度に1・2匹敵が減っていく。げんきそうでよかった。 26

2016-11-11 01:04:46
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「ビィィッ!…ハル!もうちょい休んでろ!」 今、新種野郎と戦ってるのはラッタだ。少しは休めた筈なんだが、微妙に声に疲れがある。まずはお前が休め。 「永友君は、貴方達が戦っていると聞いて、力づくでコモリバケグモを倒して…その後も何匹かと戦ったんですよ」 27

2016-11-11 01:10:33