結局のところ、経営というものは、望ましい結果にたどり着くための道筋を、一連の制約として、可能な限り少ない言葉で記述することなのだと思う
- lucifer_af
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「消化しなくてはならない情報は莫大で、必要な時間は限られている」と考える人と、「消化しなくてはならない時間は莫大で、手に入る情報量は限られている」と考える人とは、一つの社会で衝突することなく共存している
2011-02-24 07:43:23電子化の流れは、情報は莫大であると考える人に対してはより多くの情報を、時間こそが莫大であると考える人に対しては、より収斂した情報を、それぞれもたらした
2011-02-24 07:45:08時間がないと考える人にとっては、情報は無限に多様化していくように見える。消化可能な範囲は限られているから、人は多様化する。時間のある人が手を伸ばすような情報は、淘汰の結果として、むしろ特定のコンテンツに収斂する。誰もが似たようなことを考えるようになる
2011-02-24 07:46:31多数決ルールで集計すると、団結した少数の意見が大勢を決定する。多様な意見を持つ人たちがどれだけたくさん存在しても、それが全体を代表する何かに反映されることはなくなる
2011-02-24 07:48:08結果としてたぶん、メディアにしても政治にしても、「消化しなくてはならない時間は莫大で、手に入る情報量は限られている」と考えている人たちに向けて、リソースの大半を割り振る必要が発生する。それがどれだけ歪んでいても、小さなパイに誰もが殺到していく
2011-02-24 07:49:29たんぶらうざテキスト (だと思う) で流れてきた、「朝その日の夜に食べたいメニューを希望しておくと、準備する側の負担が減る」、という指摘はいろんなところに使えそうな気がする。仕事の伝達方面で
2011-02-24 09:43:25患者さんに関するあれこれを、実際に手を出して行うのはほとんどの場合看護師さんで、手術みたいな場を除外すれば、医師は自ら手を下すというか、オーダーを通じて、誰かに何かをお願いする場面のほうが多い
2011-02-24 09:44:34そこで現場をあまりにも「きっちり」と縛りすぎてしまうと、看護師さんの振る舞いに許される公差がほとんどゼロになる。これをやると、わずかなぶれは全て「ミス」になる。たいていはろくな結果を生まない
2011-02-24 09:45:37一方でこう、「とにかくよくして下さい。手段は問わない」なんてオーダーは、オーダーどころか診療になっていない。落としどころは極端と極端の中間にある
2011-02-24 09:46:55夕食で食べたいものの話題だと、「おいしいもの」だの「何でもいいよ」だのは、オーダーにならない。材料の指定オンリーも、厳しいんだと。メニュー自体を指定するといいらしい。山岡四郎クラスの厳しいオーダーをやると、たぶん離婚される
2011-02-24 09:48:06オーダーを受ける側がある程度気分よく働ける落としどころは、けっこうストリクトな側であって、「誰がやっても、結果がある公差の範囲に収まる」レベルで、もっとも緩い縛りというのが正解なんだと思う
2011-02-24 09:49:17「普通にやってくれればいいのに!」という叱りかたは、「おいしいものが食べられればそれでよかったのに!」なんて夕食にケチ付ける亭主関白みたいなもので、やっちゃいけないんだと思う。家庭というものを「経営」して、果たしていいものなのかどうかはともかく
2011-02-24 09:50:45結局のところ、経営というものは、望ましい結果にたどり着くための道筋を、一連の制約として、可能な限り少ない言葉で記述することなのだと思う。
2011-02-24 10:40:58