司書さんとの会話

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シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 『あ、いらっしゃいました。あの方ですよ』「あの女性の司書さんですか?」少年と少女が一人の司書の方にちらちらと視線を送りながら何事か話している。

2016-02-07 21:33:26
図書館 @old_library

@applex002 『――あれ?あの利用者の方、先輩にご用事みたいですよ。確かよく来ている方ですよね?』「ええ、何度かお話したこともあるわ。何かしら?」視線を向けられた長い髪の司書が少年と少女に歩み寄り、にこやかに訊ねる。「こんにちは、何かお探しでしょうか?」

2016-02-07 21:59:21
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「あ、はい。…その、レーナさん?でよろしいでしょうか?」急に話しかけられると思っていなかった為か、咄嗟になんといったものかと迷った挙句、これではちょっぴり変な子だと思われたのでは少女は頰を染めてちらりと相手を伺った。

2016-02-07 22:51:17
図書館 @old_library

@applex002 「ええ。確かにわたくしはレーナですが……ふふ、“司書”で構いませんわ。」少女の様子を一瞬不思議そうに見つめたが、すぐに笑みを作る。「本日はどのような本をお探しでしょうか?それともカフェへご案内いたしますか?」

2016-02-07 23:37:35
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「はい。では、司書さん。…あの、今日はそのどちらでもなくて、司書さんに用があって来たんです」相手の柔らかな笑みに少女もつられて微笑んだ。「あの、突然で申し訳ないのですが、少しお時間を頂けないでしょうか?もちろん、お仕事が終わるまで待ちますので!」

2016-02-08 18:55:08
図書館 @old_library

@applex002 「わたくしに、でございますか?でしたら折良く休憩の時間になりますから、すぐにでもお相手をさせていただきますけれど……お話になるのでしたらやはりカフェへご案内いたしますわ。そちらでよろしいでしょうか?」

2016-02-08 21:29:49
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「本当ですか?すみません、ありがとうございます」お仕事中に関わらず快諾してくれた相手にぺこりと頭を下げた。『ぼくはその間に諸用を済ませて参りますので、またお帰りの頃にお迎えにあがりますね』

2016-02-08 23:22:44
図書館 @old_library

@applex002 「ふふ、どうぞお気になさらないでくださいませ。それではどうぞこちらへ、」少年を見送ると、司書は先に立って少女をカフェへと案内した。「何をお飲みになりますか?よろしければスイーツもご一緒にいかがでしょう」

2016-02-09 21:10:09
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「では折角なので頂きます。ふふ、なににしようかしら?」席につくとキラキラした瞳でメニューに目を通す。「えっと、じゃあ、コーヒーと、スイーツは司書さんのおすすめのものをいただけますか?」

2016-02-09 23:07:20
図書館 @old_library

@applex002 「コーヒー、ですね。かしこまりました。おすすめですと……そうですね、コーヒーに合う程よい甘さのオペラはいかがでしょう?」記憶の中の白い少女と目の前の少女を重ね合わせて疑問を抱きつつも、そのことは口に出さずに注文を確認する。

2016-02-11 00:37:40
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「まぁ、とっても美味しそう!ではそれでお願いします!」甘いもので心が踊るのは記憶のあるなしに関わらず女の子の共通事項だろう。つやつやのチョコレートの表面を飾るのはどんなデコレーションだろう。コーヒーのクリームの味は。と想像するだけでだらしなく頰が緩んだ。

2016-02-11 01:37:18
図書館 @old_library

@applex002 「ふふ、それでは少々お待ちくださいませ。ただいまお持ちいたしますから」女の子らしい愛嬌のある笑みにつられるように口元を綻ばせ、一礼をするとカフェのカウンターへと向かった。

2016-02-11 13:49:33
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 席を立った相手に礼を言いその背中を見送る。図書館という場所に備わるカフェは適度に落ち着けて少女の緊張も随分とほぐれたようだ。

2016-02-12 23:23:29
図書館 @old_library

@applex002 暫くすると、先程の司書が注文の品を載せたトレイを手に戻ってきた。そのトレイの端には何やら冊子も置かれている。「お待たせいたしました。コーヒーと、オペラでございます」

2016-02-16 21:33:43
図書館 @old_library

@applex002 少女の目の前に品を並べると、向かい側に同じくコーヒーと、サンドイッチの乗った皿を並べた。「まずは一口お召し上がりになって、落ち着いてからで構いませんから、お話をお聞かせ下さいませ」

2016-02-16 21:34:08
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「お願いに来たのはわたしの方なのに…任せてしまってすみません…。ありがとうございます!」しゅんと申し訳なさそうに頭を下げるも、可愛らしいチョコレートの地層を前にどうしても頰が緩んでしまう。何故スイーツとはかくも乙女心をくすぐるのか。

2016-02-19 22:44:59
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library お言葉に甘えて一口。幸せが舞い降りた瞬間だった。「美味しい!すごく美味しいです…!ああ、でもガナッシュはもう少しビターを効かせてコーヒークリームとの相性を…いえ、層のバランスを考えたら逆にコーヒークリームがもう少し甘くても…嗚呼、すっごく美味しいです!」

2016-02-19 22:48:12
図書館 @old_library

@applex002 「いえ、こちらこそ出過ぎたことをしてしまっていたら申し訳ありません」少女の様子をそっと見守っていたが、不意に饒舌になった相手に思わず目を瞬く。「ふふ、とてもスイーツがお好きなのですね。ご自分でもお作りになるのですか?」

2016-02-24 20:50:07
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「はい!甘い香りに包まれて、ドレスを作るようにクリームを重ねるのはしあわ……って、最近はめっきり。それどころではなくなってしまって…」うっとりと話していたかと思うと、次の瞬間にははっと苦笑を浮かべ。「突飛な話になってしまうのですが、聞いて頂けますか?」

2016-02-26 22:46:58
図書館 @old_library

@applex002 「ええ、勿論お聞かせくださいませ。何かお力になれることだとよいのですが」楽しげに語っていた少女が話の本題に触れる気配に、司書もにこやかな表情を微かに引き締める。

2016-02-28 18:47:46
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library ここ数日いろんな相手に繰り返してテンプレートになりつつあった台詞を紡ごうと口を開き、そして閉じた。 「……司書さんは、世の中には許される嘘ってあると思いますか?」

2016-03-08 21:29:51
図書館 @old_library

@applex002 「……この図書館は大修道院に属するものですが、わたくしどもは神に仕えているわけではないのでございます。それでもよろしければ、答えを急ぐものでなければ、もう少しお話を聞かせていただけますか?」

2016-03-13 10:49:00
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「あっ、えっと……いえ、大したことじゃないんですけど…」コーヒーカップを両手で包み込み、真っ黒な水面に映る顔を覗き込む。「ほら、良く人の為につく嘘は場合によっては良い嘘とか言うじゃないですか。自分の為についた嘘でも、許される嘘ってあるのかなって」

2016-03-14 23:19:49
図書館 @old_library

@applex002 「ふふ、それは難しいお話でございますね。“ある”と答える方も“ない”と答える方もいる、正しい答えが存在しないお話のようにわたくしは思うのですが……ただ一つ確かなことは、良し悪しは別として“嘘”は“嘘”であるということでしょうか」

2016-03-15 22:56:11
シャオイー(小伊) @applex002

@old_library 「嘘は嘘…」なるほど、確かに。手厳しくもある相手の言葉を口の中で反芻しては少女は一人なにかを考えているようだった。「…嘘がばれなければそれは嘘とは気づかないけれど、嘘が真実になることはないですもんね」

2016-03-17 00:13:11