Age of Wonders III -Chronicle of Valmsun Runekeeper- その10(完)

PCゲームソフト、『Age of Wonders III』のプレイ記録その10です。 "荒肌の"ファイラックを降したヴァルムスンの前に、ついに競う敵はいなくなった。 第1章 ロガーン・ドゥルの勃興 http://togetter.com/li/1003681 続きを読む
0

最終章 大ロガーン王国の勃興

Manbo_AoW3 @manbo_aow3

ファイラックとの戦いから半年後。 ヴァルムスンは仲間たちを連れ立って、"灰色の"エディスの首都トルロデンを訪れていた。 「見事であった、ロガーン・ドゥルのヴァルムスン。」 エディスは宮殿の大広間にて、自らヴァルムスンらを出迎えた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/ZYOx8xNrvM

2016-11-30 02:14:42
拡大
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「今こそ、かつてお前と誓ったことを果たす時が来たな。」 エディスはそう言うと、玉座から立ち上がり、フードを取った。 編み込まれた長い髪はすっかり白くなり、そして顔には深い皺と傷跡が刻まれている。 長い歳月を、強い志を持って生きたドワーフの顔だ。 #AoW3CoV pic.twitter.com/1KZtVP5iz5

2016-11-30 02:22:41
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「いや、むしろこちらから頭を下げて、お前に頼まなくてはならぬな。」 畏敬の念に満ちてエディスと向かい合うヴァルムスンに、エディスは言葉通り頭を下げる。 「エディスどの?!」 「見ての通り、我ももうあまり長くはないだろう。"全ての父"の元へ帰る時が迫っておる。」 #AoW3CoV

2016-11-30 02:25:25
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「後に残される者のことだけが気がかりであったが、」 エディスは恐縮するヴァルムスンの手を取った。 「おお、"父"は慈悲深きお方よ。こうして我が民を託すに、還すに相応しき、若き王をここに遣わされた。」 「エディスどの…」 ヴァルムスンはそう呟くことしかできない。 #AoW3CoV

2016-11-30 02:27:54
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「それでは、同盟を?」 「かつて我はお前にロガーンの玉座にふさわしい者か、証を立てろと申したが、お前は見事それを成し遂げてみせた。」 ヴァルムスンの言葉に、エディスは頷いた。 「非礼を詫びよう。そして改めて頼む、ヴァルムスンよ、」 #AoW3CoV

2016-11-30 02:30:13
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「どうかこの"灰色の"エディスの西ロガーンと同盟を結んで頂きたい。 そして行く行くは、我亡き後の民を導いてはもらえぬだろうか?」 「光栄です、エディスどの。このヴァルムスン、若輩者ながら、父祖の誇りを穢さぬよう、全力を尽くしましょう!」 エディスは微笑んだ。 #AoW3CoV pic.twitter.com/u6OONkEMuk

2016-11-30 02:33:42
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

こうしてヴァルムスンとエディスの間にようやく同盟が結ばれた。 これを以ってヴァルムスンが覇を競う相手はいなくなり、ここにウユルタの統一は成し遂げられたのである。 #AoW3CoV pic.twitter.com/TgV6gihZOt

2016-11-30 02:44:57
拡大
拡大
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

"灰色の"エディスは、東西ロガーンの統一後、2年生きて病没した。 「頼んだぞ、ロガーンの子ヴァルムスンよ。我ら頑健なる民に永久の繁栄を。」 彼女はそう言い遺すと、後事を全て託して安らかに息を引き取った。享年243歳。 #AoW3CoV pic.twitter.com/ZRU4FlK8bx

2016-11-30 02:50:20
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

西ロガーンの主であったエディスには子がいなかったため、ロガーン・ドゥルのヴァルムスンが、正式に大ロガーン王国として東西ロガーンを継承することとなった。 ヴァルムスンは西ロガーンのトルロデン出身のドワーフの娘と結婚し、大ロガーン王国第十五代となった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/wMFyEEOuyB

2016-11-30 03:00:55
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

かくして大昔に栄え、そして一度は衰亡の淵に立ったロガーン王国は復興を遂げ、ウユルタ地方はその名の下に再度の統一を見たのであった。 人々はあまねくヴァルムスン王の名を讃えて平和に暮らし、民の間に争いなく文化は花開き、大ロガーンに二度目の繁栄の時が訪れたのである。 #AoW3CoV pic.twitter.com/tCQYZ65Pt6

2016-11-30 03:06:09
拡大
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

王国の大祭司となったタイロバーは変わらずヴァルムスン王の統治をよく助け、相談役として忠実に友に尽くした。 ハルファー・ドゥンを初めとして各地の"全ての父"を奉る寺院は彼の卓越したバランス感覚のもとに統制され、民の安らぎと治安向上に欠かせぬものであった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/UXaxACLQTD

2016-11-30 03:08:40
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

また彼は後身をよく育てたため、統治中枢と密接な関係でありながらも、"全ての父"の寺院は腐敗や不正とは常に無縁の場所であった。 大祭司としてのタイロバーの名は、ヴァルムスン王と共に、後世に長く語り継がれた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/Gndis6uFfg

2016-11-30 03:10:09
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

オランティウス公ペル・ノッチソンはヴァルムスンと転戦した折の各地の都市での着任経験を活かし、オランティウスをよく統治した。 人間の都市でありながらも他種族をよく受け容れ、互いの長所を学び合うことに非常に長けたため、都市は各年代において優秀な人材をよく輩出した。 #AoW3CoV pic.twitter.com/pzxyqlqyzn

2016-11-30 03:15:05
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

ペルは74歳まで生きた後、大勢の子と孫たちに看取られて亡くなった。 「ロガーンの旦那方への恩義を決して忘れるな」とは彼の常日頃の口癖であり、 その言葉に従ったオランティウスは、その後も何代にも渡って大ロガーン王国の中で栄えた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/HlHimYHnga

2016-11-30 03:16:09
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

サガディルヘンナはヴァルムスンの即位後まもなく玉のような男女の双子を授かった。 はたしてヴァルムスンのかつての言葉通り、男子は母の薫陶を受けて才気あふれる魔法使いに、そして女子は父の修行を受けて勇猛な戦士となった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/YkRq45eqAv

2016-11-30 03:18:41
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

大ロガーン王国の統一以降、ウユルタには乱はなかったものの、山賊や野盗の類、各地の迷宮探索、地底の発掘、あるいはウユルタの外から怪物襲撃の折にはサガディルもヘンナも(そして子が育ってからは彼らも)勇敢に戦い、大ロガーンの二柱の守護者として人々から英雄と讃えられた。 #AoW3CoV pic.twitter.com/Im1sdWXJc5

2016-11-30 03:21:14
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

ヴァルムスンは、大ロガーン王として王国を立派に治めた後、600歳まで生きた。 というより、それが記録に残る彼の最後の形跡であった。 300歳で王位を子供たちに譲った後、彼は自由気ままに王国内を歩き回り、様々な研究や探索に勤しんだ。 #AoW3CoV pic.twitter.com/O80HPEL5Q9

2016-11-30 03:24:27
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

髪の毛と髭こそ真っ白であったが、未だなお矍鑠(かくしゃく)として、精気に満ち溢れた様子であったという。 一説には、マナの流れと一体化したことによって、晩年に至り、彼はすでに定命の者の理から半ば外れた存在となっていたのかも知れない。 #AoW3CoV pic.twitter.com/Tnrq03BCpT

2016-11-30 03:27:43
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

600歳という、ドワーフとしても圧倒的に異例の長寿の誕生日の祝いの日、 彼は「ちょっと向こうを見てくるよ。」 そう曾孫たちに言い残すと、どこへともなくふらりと姿を消し、 以来、ウユルタの誰の目にも触れることはなかった。 #AoW3CoV

2016-11-30 03:29:52
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

過日、氏族長の座を継いでからの彼の決して平易ではなかった道のりの日々のことを折に触れて余人に尋ねられると、ヴァルムスンは決まってこう答えたという。 「大変ではなかったといえば嘘になるけれど、」 #AoW3CoV pic.twitter.com/DOis8Aku12

2016-11-30 03:34:58
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

「けれどつらいと感じたことはなかったのさ。本当だよ。 つまるところ、私は自分がやりたいことをやっただけなのだから。」 そう言って、ドワーフの魔法使いはいたずらっぽく微笑むのであった。 #AoW3CoV pic.twitter.com/SCp7bP16zT

2016-11-30 03:35:35
拡大
Manbo_AoW3 @manbo_aow3

かくしてヴァルムスンの物語はここに終わる。 ――― 大ロガーン王国第二期第十五代、護印王ヴァルムスンII世の年代記より #AoW3CoV

2016-11-30 03:36:25

最終章 大ロガーン王国の勃興  了

 
 
 
おまけ