140ssログ11月

Twitterで書いてた雑多ssのログです。刀です。男同士です。
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やまたに@極めのネタばれをします @mw_snc

特別を、作りたくはなかったなぁ、と青江は思う。それは隙だ。弱くなる。武器が弱くなって得るものなんて何も無い。そういうと、人と触れ合う神様は笑うのだ。人間はね、大事なものを作って強くなるんだよ。私も人に似た体を持ってよくわかる。青江がいるから強くなれるんだ。(石かり)

2016-11-01 22:40:02
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綺麗だねぇ。青江は秋の木々に声をあげた。同じように思いながら、石切丸はそれを見る。染まる前の緑、色付き始めた黄、艶やかな赤。その三色の美しさを自分は知っている。ああ、綺麗だね。溜め息を含んだような声に、そうだろう、と色違いの目を煌めかせた子供がなにもわからず頷いていた。(石かり)

2016-11-15 17:51:57
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宗三、こっちだ。薬研が呼ぶ。こっちの方が赤い。こっちは少し形が違う。短刀の体を活かして動くものだから、宗三では追い付けない。待って、待ってください。紅葉が降る。置いていかないで。彼の姿を隠す。赤く舞った火の粉みたいに。ああ、桜よりこの赤の方がよほどあの子を浚いそうだ。(薬宗)

2016-11-15 17:58:51
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紅葉丸。落ち葉を髪にさされて膝丸は苦笑した。兄の意図は掴めない。俺は赤色はしておらんぞ。そう言い終わる前に唇がちゅっと音を立てる。突然の口吸いに動揺して顔が熱い。ほら、紅葉にそっくりじゃない。秋の名前になっちゃいなよ、兄者はくすりと笑って、もう一度唇を奪った。(髭膝)

2016-11-16 02:31:41
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あらわな太股、はだける胸元。乱れた髪と、欠伸で涙を張った瞳。無理して大人のように誘うよりも、よほど質が悪いと思う。いしきりまる、おはよう。舌足らずにすり寄れば尚更。起きたのならば着替えなさい。せっかちだなぁ。伸びをする。無理させていいのなら昼まで布団の上でもいいけれど。(石かり)

2016-11-19 09:59:19
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僕の価値はそこからだ。青江は知っている。僕の名はそこからだ。よくわかっている。幽霊を切った。石燈籠を切った。丸亀の宝よ。払いの刀よ。守り神よ。それは彼の誇りであり、白装束に伸びる幼い手だ。青江が得意気にそれを語るとき、彼はいつだって切った女と子供の気配を纏うのだ。(青江)

2016-11-20 19:07:10
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寒い、と宗三は暖を求めて足を伸ばす。横で寝ている男の足へ。ところが、触れた足も冷えていて。僕は今、浮気したくなりました。呟けば、薬研も目を開けて。奇遇だなぁ、行光のとこでも行くか。そうしましょう。そして、俺を挟んで寝るなっあったまるなっ、と悲鳴が聞こえた。(薬宗+行光)

2016-11-24 06:50:42
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僕は折れるかもしれない。がたがたと震える脇差を石切丸は布団の中で抱き締める。火鉢を持ってこようか、それとも熱いお茶でも。寒がりはどの提案にも首を横に振って。君が離れたら死んでしまうよ。体温がなくなるから、そこまで言わせずにさらにきつく抱き締めた。質が悪いのだ、彼は。(石かり)

2016-11-24 06:57:13
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よしよし、と毛布ごと弟を抱き締めた。さむい。うんうん、寒いねぇ。あにじゃ、さむい。駄々のように繰り返すのは、頭を使う分を体温維持に回しているからか。それでも肌は冷たいけれど。どうやったら体温が上がるかなぁ。考えて、ふと思い付いたそれを耳元で。ひざまる。あ、少し熱くなった。(髭膝)

2016-11-24 07:06:40
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雪だ。布団から這い出た獅子王が呟く。雨戸に開けた隙間から、ちらちらと白いものが吹いていた。どうりで寒い。欠伸混じりの三日月が細い体をひょいと持ち上げ布団に戻す。起きなくていいのかよ。大人しく腕の中に納まったくせにそう言うから。外が暗い内は夜だからな。分厚い雲を指した。(じじしし)

2016-11-24 07:18:46
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みつただ。するりと背中に体温が当たる。みつつただ。ぎゅう、と腹に回る手。首筋に埋まる頭。その可愛い仕草を前から見たいなぁ。そう思うのだけれど。伽羅ちゃん。これでいい。僕が見たい。なれあうつもりはない。僕からも抱き締めたら暖かいと思わないかい。腕の力が緩んだ。(みつくりみつ)

2016-11-24 07:22:16
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僕の愛人なんだよ。そう青江は炬燵に潜る。その半纏は。石切丸が問えば、少し悩んで。浮気かなぁ。魔法瓶のお茶は。初恋の君。襟巻き。飼い主の奥様。火鉢。下宿先のおかみさん。よくも例えが出てくるものだと面白くなってきて。なら、私はなんだろう。わかってるくせにね、恋人さんだろう。(石かり)

2016-11-24 17:52:03

寒い中攻めを待つ受けとそれに対しての反応

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冷めました。缶コーヒーを突き付けられて、そりゃそうだ、と薬研は思う。だって、今日の夜は氷点下まで落ち込むと言っていた。赤い指先に赤い鼻。いつもは赤い唇は紫色で。風邪引いたらどうすんだ。軽く叱ると拗ねた口調で。だって、早く会いたかったんです。降参だ、と冷たい手を握った。(薬宗)

2016-11-09 22:55:23
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猫舌だから。我ながらひどい言い訳だ。青江はずびずびとアイスになったコーヒーを啜る。ああもう、余計に冷えてしまうよっ。心配そうな顔に、これが好きなんだよ、と嘘ついて。寒がりは家で待っていなさい。君が定時に帰ればいいんだよ。そうしたら、僕にマフラーを寄越すこともなかったし。(石かり)

2016-11-09 22:59:30
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兄者、寒くはなかったか。第一声がそれだ。外で待つ弟と、暖かい電車から出てきたばかりの僕でその台詞だ。いつもより遅いから心配したんだ。安堵の色を浮かべる顔は可愛いけれど、赤い鼻を指でピンと弾いた。次から、風邪引きそうな子とは帰らないから。せめて暖かくして出ておいでよ。(髭膝)

2016-11-09 23:04:22
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ほら。渡された缶は温かい。いつ買ったんだ。三日月が問うと、彼はにっと笑う。俺は何回買ったでしょーか。しばらく緑茶はいらねぇや、と種明かしして見せるから。次は、きちんと連絡を入れる。おう、俺の財布と腹に優しくな。お前に優しくしたいんだ、そう言う代わりに冷えた手をとった。(じじしし)

2016-11-09 23:10:46

花丸の産物

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どうぞ。暖めた牛乳を薬研に渡す。お前まで子供扱いかよ。拗ねる声に、くすりと宗三は笑った。意地っ張りには甘い物がいいでしょう。良かったですねぇ。横に座ると、こてんと肩に重さが乗る。江雪が来て良かったな、ずっと言えなかったんだ。そんな告白より、もっと甘い告白をくださいな。(花丸薬宗)

2016-11-14 23:18:59
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お久しぶりですな。優雅な笑みを浮かべるその額を宗三は指で打った。遅いんですよ。宗三を待たせる理由はないはずですが。額を軽く押さえて一期が言う。そうだろう。待っているかと聞かれれば、別に待ってはいないのだ。ただ。あなたを待っている男が報われるのを待っていたので。(花丸薬宗+一期)

2016-11-14 23:27:45
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和泉守を見習いなさい。と何故か左文字に説教されて一期は戸惑った。何故、あの若い刀に。堀川の鍛刀祈願にすぐさま答えたからですよ。そう言われてしまえば、ぐうの音も出ないのだけれど、一つだけ。江雪殿も、なかなか出現の機会を設けられなかったでは。兄様はいいんです。理不尽だ。(宗三+一期)

2016-11-14 23:32:44
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江雪兄様、まだ来ないね。弟の小さな呟きに、宗三はそっと頭を撫でた。三人兄弟と知ってから、彼は心待ちにしているのだ。大丈夫ですよ、兄様はゆっくりしてるおひとですから、急かしては可哀想ですよ。宗三兄様は寂しくないの。僕は打刀ですから、平気ですよ。嘘を吐いた。(左文字)

2016-11-15 00:06:24
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いいこですね。宗三の手が頭を撫でる。いいこいいこ。っあー、駄目だ性に合わねぇっ。薬研ががばりと起き上がる。気が滅入ってたのは本当で、甘えたいのも本当だけれど。起き上がった勢いで、細い体を押し倒して。お前にならこういう慰め方されてぇな。一番子供に見られたくない相手だ。(花丸薬宗)

2016-11-15 00:36:27
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青江は先客のいる布団に潜り込む。どうしたんだい、と石切丸は寝惚け顔で。幽霊騒ぎがあってねぇ。隣にぴたりと陣取った。不浄の気は感じないだろう。うんうん、悪さはしないようだよ。腕の位置を好きに直して枕にする。なら、もう寝なさい。肩まで布団をかけられた。おやすみなさい。(花丸石かり)

2016-11-26 17:59:01
やまたに@極めのネタばれをします @mw_snc

やっぱり起きてたな。忍び込むように部屋に入った薬研が言う。ふたりを知っているのですか。そんな漠然とした宗三の問いかけに安心させるように頷いた。小夜が眠って動けないから、別の場所で寝るそうだ。赤い唇から零れる安堵の溜息を、口移しで飲み干して。独り寝は寂しいだろう。助平。(花丸薬宗)

2016-11-26 18:26:48