創作落語？『そば楽』

志らく @shiraku666

今度時そばやる時に、ヌーハラを入れてみよう。

春風亭柳昇bot @Ryusho_bot

楽「ご隠居さん、ご無沙汰しまして」　隠「ああ、楽さんか。まあまあお上がり」　楽「ご馳走さんです」　隠「何だいその、ご馳走さんです、ってのは」　楽「だって、ご隠居さん、マンマおあがり、って」

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隠「誰がマンマおあがりっていった。まあ、まあ、お上がり、だよ」　楽「ああ、ああ、つまらねェ」　隠「何だい。...お前さん、ずいぶん姿見せなかったね」　楽「ええ、じつは、中国の奥地を旅してましてね」　隠「...まさか、日本の中国地方でした、っていうオチぢゃないだろうね」

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楽「違いますよ、チャイナの中国ですよ。其処で、こんなみょ～な草を見つけましてね。...アタシが山奥を歩いてたと思いねェ。そしたら向こうのほうで大蛇が、猟師かなんか、とにかく人間をひとり丸呑みにしようとしてんですね。...」

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隠「...まあ、お前さんの話は後でゆっくり聞かせてもらうよ、悪いけどね。じつは、わが町内にいささか困った事が発生しててな」　楽「はぁ、マラリヤか何か？」　隠「古いよ、いう事が！...この町内に、さる国から越して来たもんが居てな」

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楽「また、みょ～なのが越して来たんですね。さるなら他のさるの処へ引越せばいいのに、何でわざわざ人間の町へ」　隠「さるの国ぢゃない、或る国！ アタシはいっぺん聞いただけで、国の名前が長くて覚えきれなくてな...」　楽「はァ、寿限無寿限無、ぐらい？」　隠「そんな長い国があるか！...

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隠「...困った事というのはだね、その人がわれわれがごはん食べてると怒ってくるんだ。おつけ(味噌汁) を音を立ててすすっちゃ怒られね、蕎麦をたぐってりゃ怒られね、もう、どこへ食事したんだかわかりゃしない」

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楽「そんなら怒鳴り返してやれゃいいでしょ？ あんたの生まれた国ぢゃ、ごはん食べる時に音を立てたらいけなかったんだろうけど、此処は日本だ、郷に入っては郷に従え、って言葉を知らないのか！、って」　隠「其れぐらいで引き下がる相手なら、アタシゃ顔にシワ寄せてないよ」

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楽「どのシワですか？...ご隠居、元々、シワぢゅう顔だらけだから、わかりませんよ」　隠「あべこべだよ！...え？ また来たって？ しょうがないねェ、来客中だからっていって、待たせておきなさい。...楽さんや、早速その人が来たそうだ」

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楽「へぇ、早速お出ましですか。なんて名前なんです？ やっぱり長くて覚えきれないの？」　隠「え～、確か、...ヒラシャイン・クリキントン、とかいったな」　楽「何だい其れゃ。...日本人が外人のふりしてるだけなんぢゃないんですか？」

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隠「いやそんな事は無い。日本語は達者だけど、顔かたちを見れば、われわれと全然違うとこから来たってわかるから。...ところで、そば楽さんや、お前さんに折り入って頼みたい事がある」　楽「何です、急に改まって」

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隠「今、玄関に待たせてあるクリキントンをやっつけてほしいんだが」　楽「えっ!? アタシが!? どうやってやっつけるんですぃ？」　隠「何、お前さんが時々やるみたいに、そばを五十人前ぐらい、一気に平らげる、それを初めから終いまでクリキントンに無理やり見せてやる」

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楽「はあはあ、そのクリキントンのほうは、そばを食べるわけぢゃないんですね。どうなりますかね？」　隠「さあ、それはアタシにもわからない。クリキントンが考えを改めるか、目を回してひっくり返るか、この町内から逃げ出すか、...」

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楽「それなら任せてください。この町内のためなら、五十人前が百人前でも」　隠「やってくれるかね。...お～い、盛りそば百人前注文しておくれ。でき次第順番に持って来てくれればいいからって」

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楽「...何だか玄関のほうで怒ってる声がしますよ、ご隠居」　隠「クリキントンさんが怒ってるんだよ、しょうがないねェ。...こっちへ通してあげなさい」　ク「オー！ ゴインキョさん！ ワタクシをさんざん待たせて、どういうつもりデスカ!?」

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楽「...なるほど、日本人には見えねェや。また、どっちが客だかわからねェや」　隠「そば楽さんはちょっと黙っていておくれ、アタシがこれから掛け合うから。...あの、クリキントンさんねェ」　ク「ヘ～イ、何デスカ!?」

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隠「この人がね、どうしてもクリキントンさんに勝負を挑みたいというんだ。もしクリキントンさんが負けたら、今後、われわれが食事してても、うるさいとか何とかいわないこと」　ク「オー、禁止されてしまうんデスカ!? デハ、ワタクシが勝ったらドウシマスカ!?」

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隠「クリキントンさんが勝ったら...しようがないからアタシゃ、音の出ない物ばかり食べて暮らすよ。パンとか」　ク「ハハハハハ！ いいでショウ！ ごはんが食べられなかったらパンを食べればイイんですからネ！」

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楽「...ねェ、ご隠居、昔、パンが食べられなかったらお菓子を食べればいいぢゃない、っていって、首をちょん切られた人がいましたよね。...アタシも、おんなじ事したい心持ちになってきたんですがね」　隠「そば楽さんは余計な事しなくていいの！」

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ク「ゴインキョさん、勝負はどうやってつけるんデスカ？」　隠「え～と、この人は、そばを百人前いっぺんに食べられる、っていったら、お前さん、信じるかね？」　ク「...ソレはいくら何でもウソデスヨネ？」　隠「ならこうする。これから百人前食べられたらクリキントンさんの負け、駄目なら勝ち」

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ク「イイデショウ」...ってんで、そば楽さん、次から次へと届けられるそばを頑張ってたぐり始めましたが、その音をずっと聞かされるクリキントンさんのほうはたまったものではありませんで...

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ク「...アノ、ゴインキョさん、ワタクシ、違う部屋へ移動したくなってきまシタ」　隠「...何だしょうがないねェ。...ならわれわれは隣の部屋へ行って、間の戸を閉めておこう。アタシもそばを食べるのを手伝ってる、なんて思われたら、かたはら痛いしね」

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...食べ終わった器を置く音を隣の部屋で、勘定してまして...五十、六十、七十、八十、...九十超えるぐらいになると、みんな数がわからなくなってきてしまいまして、そばをたぐる音も、だんだん聞こえなくなってきまして...

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隠「...う～ん、そば楽さん、さすがにのびちゃったかね、そばだけに()」　ク「少しでも残ってたら、ワタクシの勝ちデスカラネ！ ゴインキョさんはパンデスヨ！」...一方、そば楽さんのほうは、百人前なんていうんぢゃなかった、と後悔して、身動きがとれません。ちょっとでも動いたら以下自粛

春風亭柳昇bot @Ryusho_bot

...と、懐に入れてあった、大蛇がお腹をへこますために食べていた草の事を思い出しまして、やっとの思いでそれを出して、ペロペロ...