みにっつめいど

はち公。 @funkastic_8er

151 信ちゃんのママは 信ちゃんだけ連れて この街に戻ったらしい 〈駆け落ちした相手が どうしたのかは 一切言わなかったよ･･･〉 それから･･･しばらくは 3人で過ごしてた でも･･･ 〈あの子に 病気が見つかって 余命幾ばくも無かった･･･〉 #みにっつめいど

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152 『え･･･』 思わず呟く信ちゃん ･･･私は 無意識にその手を握った 〈だからあの子は お前を信頼出来る人に預けて 手放す事を決めたんだ･･･ この家に残っても わしだけじゃ満足に育てられないし お前が可愛そうだと･･･〉 #みにっつめいど

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153 それで･･･頼まれたのが？ 『俺を頼んだ相手は･･･誰ですか？ 知ってます？』 〈大学で出会った 駆け落ち相手との共通の友人と 言っていたが･･･ 何度かこの家にも来ていた子だよ〉 共通の･･･友人？ 私は慌てて パスケースの家族写真を出した #みにっつめいど

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154 「それは･･･この人ですか？」 私はパパを指さした すると 〈あぁ！この人だ！ 連絡をしたらすぐに来てくれてね！ 事情を話したら 快諾してくれたんだ！〉 って･･･ そこで 私と 信ちゃんの 奇妙な糸が繋がった────── #みにっつめいど

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155 〈でも･･･自分の奥さんが 出産を控えていて とても養子にはできないから 子供のいない使用人の養子として 迎えさせてほしいと言ってくれてな〉 それで 村上爺の養子になったのか 点と点が繋がって 満足しかけてる私をよそに 信ちゃんが核心に迫った #みにっつめいど

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156 『その･･･友人という方が･･･ 俺の父親ですか？』 ･･･私のパパが 信ちゃんの父親ですか？ 〈え･･･〉 最大級の緊張が 私達の間に張り詰めた だけど 〈そんなわけないじゃないかw〉 おじいちゃんがそれを一蹴した #みにっつめいど

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157 〈娘を奪った駆け落ち男の顔は 頭にこびり付くほど覚えているよ すごく･･･憎んだからね でも、そいつと 娘が君を頼んだ友人は全く別の人だ ここで話をしていた時も 本当に久しぶりだねと 2人で話していたからねw〉 #みにっつめいど

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158 ──────たくさん話して その店を出た頃には 日が傾き始めていた 〈またおいで〉 『はい･･･ありがとー、じいちゃんw』 信ちゃんがそう言うと おじいちゃんは すごく嬉しそうに笑った ･･･私達は 黙ったまま車に向かい それに乗り込む #みにっつめいど

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159 私は もちろん助手席で ドアを閉めた瞬間･･･ 『璃子っ･･･』 信ちゃんが私を抱きしめた 「信ちゃん･･･」 私は その背を擦りながら 泣きそうになるのを我慢した だって･･･信ちゃんが、泣いてたから 『よかった･･･よかった！！』 #みにっつめいど

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160 喜びと 『でも･･･母さん･･･』 悲しみと たくさんの感情を 突き動かされたのは 信ちゃんの方だと思ったから 今･･･たくさん泣いていいのは 信ちゃんだと思ったから 『･･･璃子？』 「なに？」 『キス･･･してもええか？』 #みにっつめいど

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161 それを断る理由はなくて 「いいよ？ いっぱい･･･しよう？」 ためらいを 必要としなくなった私達は 一心不乱に 互いを 確かめあった･･･ #みにっつめいど pic.twitter.com/fnAl6XpJKN

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162 私と信ちゃんが 家に帰ったのは夕飯が終わった頃 幸いパパとママが出掛けてたから 咎められる事は無かった 「でも残念」 『なんで？』 「パパに、信ちゃんが好きだから お見合いなんかしない！って 宣言したかったのに･･･」 『あぁw』 #みにっつめいど

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163 笑いながら 自然に信ちゃんが 私の部屋に入ってくる そして 優しく抱きしめながら 『まぁ、そんな慌てんでも･･･』 囁いて 私の肩に顔を埋めた （お、おお･･･） なんだろう なんか･･･急に距離感が 詰まった気がするんですけど！？ #みにっつめいど

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164 「し、信ちゃん！？」 『ん？』 「な、なんか･･･接触多くない！？」 『嫌？嫌ならやめるけど』 「いや、そ、そうじゃなくて！ なんか！！急に増えて！！ パニックなんです！！！」 ほら パニック過ぎて敬語になってるし(汗) #みにっつめいど

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165 『なんやろなぁ･･･』 信ちゃんはふふっと笑うと 『なんか、触ってええんやと思うと 途端に触りたくなるんやなw』 「･･･そーなの？」 『うん･･･なんか ずっとこうしてたい･･･かも///』 言ったそばから照れる こんな信ちゃんレアだ！ #みにっつめいど

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166 だけど 『でも、あかんな。急には』 そう言うと パッと手を離して 『まぁ、続きはおいおいw おやすみ、お嬢様。』 勝手に執事モードになって 背を向ける （な、何それ！） 慌てて追いかけて 背中にしがみつく 『･･･なんですか？』 #みにっつめいど

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167 ずるいな･･･もぉ 「行かないで？」 『急で嫌なんでしょ？』 「嫌じゃ･･･ないってば」 『じゃあ･･･どうしたらいいん？』 ほんと ずるい 「･･･続き、教えてください///」 信ちゃん笑って 『はい』 そう言うと 私を抱き上げた #みにっつめいど

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168 そして そのままベッドに寝かすと ふわふわと 優しいキスが降ってくる ･･･ダメだ 泣けるほど幸せだ私 そんなふうに思ってると 伝わったみたいで 『幸せやな･･･俺ら』 信ちゃんも笑った 「うん･･･大好きだよ･･･信ちゃん」 #みにっつめいど

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169 ドキドキしながら ぎこちなく信ちゃんの肩に 手を回してみる すると信ちゃんは 『はぁ･･･』 ってため息をついて 『しばらくだけ･･･ ただの男になっていいか？ こんなん、理性保つん無理やわw』 情けなく呟く #みにっつめいど

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170 ほんと･･･不思議な人だな 頼もしくて かっこよくて なのに 守ってあげたくなるし 私の全部をあげたくなる 「いいよ･･･ 理性なんかぶっ飛ばしちゃえw」 『男前やなw』 「嫌いじゃないでしょ？」 『ん･･･むしろ、好き。』 #みにっつめいど pic.twitter.com/AzPfR3hS8j

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171 信ちゃんは いつだって 慌ただしくて 騒々しい毎日を ピシッと正して 素敵な時間に変えてくれる･･･ 「あっ･･･信ちゃ･･･」 そんな信ちゃんの 初めて見る顔 『璃子･･･璃子っ』 私の中でゆっくり動きながら 何度も 私の名前を呼ぶ #みにっつめいど

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172 少し余裕のない表情 『璃子･･･すまん･･･ もーちょい動いてええか？』 少し困ったような表情 ･･･いつもとは正反対 だけど 「大丈夫･･･でも 手ぇ離さないで？ ギュってしててね？」 それでもやっぱり 私を幸せに してくれるんだから #みにっつめいど

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173 『わかったw』 この恋が･･･ 実らない方がおかしいんだ 『璃子･･･っ』 「ん･･･っっ信ちゃぁ///」 『うっ･･･ん』 「ひあっ･･･う///」 この恋が 実らない運命なんか 私が絶対 認めないんだから──── #みにっつめいど

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174 ────それから 初めて信ちゃんと身体を重ねて 余韻の中で 眠りについた ぴったりくっついて お互いの体温に まどろみながら･･･ ────バンッ ぴくっ 車のドアが閉まる音で目が覚める 「パパだ！」 時間は もう昼前 #みにっつめいど

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175 私の声に 信ちゃんは眠そうに目を擦って 『あ･･･寝てもた･･･起きな･･･』 ぼーっとしながら 服を着直す だけど私は そんな信ちゃんにお構いなく 『え、璃子！？』 音速の速さで服を着ると 勢いのまま部屋を飛び出した 『え、え！？』 #みにっつめいど