ラマヌジャン革命について／素数大富豪日記11月編

みうら @miura_prime

ここで面白いのは、「パッと見素数」は人が"素数っぽい"と感じる数であり、「絶対擬素数」は機械によって(フェルマーテストによって)"素数っぽい"とみなされる数だということ。57と1729には対照的な素数っぽさがあるのです。

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もっちょさんの定義した「パッと見素数」には以下の4つがあります。 51=3*17 57=3*19 87=3*29 91=7*13 これらは全て異なる2つの素数の積です。2桁の数に限らず、人がよく素数と間違えてしまう合成数は大概この形をしています。

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実際に私たちがある自然数nを素数であるか判定したいとき、大抵は小さい素数から順に割り算をしていくと思います(試し割り)。これをn^(1/2)以下のすべての素数で確認できればnは素数と決まりますが、持ち時間1分で素数大富豪をしているときなどは、途中で終わってしまうことも多いですね。

みうら @miura_prime

最後まで確認できず、n(1/3)以下の素数までで終わってしまったとしたらどうでしょう。このときnは素数であるか、そうでなければ必ず(異なるとは限らないが)2つの素数の積です。 これは、私たちが素数と間違えやすい合成数の多くが2つの素数の積になっている理由の一つと言えるでしょう。

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それに対して絶対擬素数は、実は「3つ以上の異なる素因子を持つ」ことが必要条件です。これはフェルマーテストの弱点が人力の試し割りとは大きく違うということを意味しており、この違いも大変興味深いと思います。

みうら @miura_prime

以上のように、僕はラマヌジャン革命という新ルールを通して、1729や57をはじめとする自然数のいろいろな特徴を知ることができました。 対戦で使われた素数、合成数、さらには特別な役割を担う数。そのような数の性質に触れるきっかけをくれるのも、素数大富豪の魅力の一つだと思います。

みうら @miura_prime

サイエンスアゴラ、そして1729の魅力に触れた11月。僕にとって、11月にはもう一つ大きなイベントがありました。それは第17回数学カフェです。この日僕は初めて、せきゅーんさんとお会いしたのです！

みうら @miura_prime

第17回数学カフェの講演者は、tsujimotterさん、せきゅーんさん、水槽ゼリーさんのお三方。まずトップバッターtsujimotterさんの講演で最初にリーマンゼータ関数が紹介されたのですが、その数式が映し出された瞬間、せきゅーんさんが一言つぶやきました。 「かわいい…」

みうら @miura_prime

この方は数学を愛している。そして素数大富豪にはきっと、せきゅーんさんの数学愛が、素数愛が、詰まっている。そう思うと急に嬉しくなりました。 僕の好きなものは、一番を目指して練習したゲームは、楽しいとか面白いとかいうだけではない。数への愛情から生まれた本物の遊びなのだと確信しました。

みうら @miura_prime

3つの素晴らしい講演、さらに二次会にも参加させていただき、とても刺激的な時間を過ごせた一日。今回初めて数学カフェに参加できたのは、アゴラで主催の方やtsujimotterさんにご紹介頂いたからに他なりません(もちろん数学カフェのブースにも行きました。四次元VR楽しかったです)。

みうら @miura_prime

親切な方に恵まれ、10月に加えて11月も、素数大富豪をきっかけに僕の周りの数学の世界、数学のコミュニティが大きく広がりました。感謝の気持ちはもはやどんな定数Nでも抑えられません。 そして12月も、今週末のヴェイユ予想物語と来週末のロマンティック数学ナイトに参加する予定です。

みうら @miura_prime

来週のAdvent Calendarにロマンティック数学ナイトのことを書けないのは少し残念ですが、12月は今日までで既に多くの、素数大富豪にまつわる出来事がありました。 次回はその12月編を、僕の大好きな素数「17」の話を織り交ぜながら書こうと思います。