2016年12月14日

[2016年版]尾崎将也の脚本に関するつぶやきをまとめてみました

今年も終わりが近いので、twitterに今年一年間に書いた脚本の書き方・勉強の仕方についてのつぶやきをまとめました。書籍「3年でプロになれる脚本術」もよろしくお願いします。
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尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

ちゃんとしたドラマは、表面の物理的な出来事(仕事がうまく行くかどうかなど)の進行と同時に心の中のドラマが描かれて行く。生徒の多くは前者を描けばドラマになるという錯覚にとらわれている。自分がドラマを見て感動するのは後者に対してなのに。表面に見えないところにドラマの本質がある。

2016-01-05 11:52:49
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

「①テレビドラマや映画を見て面白かったり感動したりする 」普通の観客はここで終わるが、脚本を学ぶ者はその後に「②自分が何を面白がったり感動したりしているのかよく見つめる」「③その作品のどこがどうなっているから面白いのか分析する」「④その分析を元に自分も書く」という過程が必要。

2016-01-05 12:20:22
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

@ozakimasaya しかし多くの生徒は、①の次にいきなり「自分も書きたいものを書いてみる」か来てしまい、その結果は当然「面白くないものしか書けない」になる。

2016-01-05 12:22:33
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

.@ozakimasaya 補足すると③と④の間に「咀嚼して自分のものにする」というのが入る。それがあれば真似にはならない。というか、③の中に「咀嚼」が自然と含まれるという感じ。あとこれは「どう書くか(HOW)」に属する事柄で、「何を書くか(WHAT)」とは別のこと。

2016-01-05 12:49:00
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

脚本を学び始めるほとんどの人が「書きたいこと(WHAT)」をただ頑張って書けばいい作品が書けると勘違いしている。しかしそんな都合のいいことは起こらない。「どう書くか(HOW)」を学び、その技術や知識を踏まえた上で書きたいことを書いた時にいい作品が出来る可能性が出て来る。

2016-01-07 11:35:22
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

ストーリーテリングにおいて「中断」は有効な方法。会話の肝心なところで邪魔が入って中断し、先に興味を持たせるとか。脚本の初心者はシーンの中で何かを始めると最後までやらねばならないという思い込みがあり、この手法がなかなか使えない。ただしこれは作為的な感じになりやすいので注意が必要。

2016-01-18 12:46:25
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

最近気づいたこと。描写を「誇張する」のと「極端にする」のは重なる場合もあるが、区別すべき場合がある。例えば「普通の人」を極端にするのは理屈として成立しないが、誇張は出来る。毎日判で押したような生活をしているとか。この両者を混同して失敗したことが過去の自分の作品でもあった気がする。

2016-01-14 10:41:03
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

書きたいこと(WHAT)は自然と出て来るかも知れないが、面白い作品を書く技術や知識(HOW)は自然には湧いて来ないので、後天的に脳にインプットする必要がある。それには時間と手間がかかる。「えっ、そんなことしなきゃいけないの?聞いてないよ」みたいな人が生徒には多い。

2016-01-07 11:48:56
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

ベテランになると悩まずに脚本が書けるわけではなく、悩む内容が高度になる。野球に例えると、初心者はバットに当てる方法で悩むが、ベテランはホームランを打つ方法で悩む。しかし初心者の中には、バットに当てたことがないのにホームランをどう打つかで悩む人がいる。その悩みが解決することはない。

2016-02-01 12:19:52
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

脚本では「大嘘はついても小嘘はつくな」とよく言われる。初心者の中にはフィクションだから全てが適当でいいと勘違いしている人がいるが、大きな虚構に乗っかって見てもらうためにはちょっとした常識問題などは逆にきちんとする必要がある。

2016-02-27 11:24:58
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

脚本のト書きで「ガン見する」などと正しくない日本語を書くと、コンクールなどでは減点対象になると思っておいた方がいい。しかしセリフの中で書く場合は、その人物が「そういうことを言うキャラ」という設定なら問題ない。

2016-03-03 11:42:23
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

ストーリーを考えるときプロが気にするのは「面白いか否か」だが、生徒が気にすべきことは「ただの現象になっていないかどうか」。例えば怪我をして病院に行くのはただの現象。そこで意外な人と会ったり、怪我のせいで大事なことが出来なくなったりするとストーリーになる。面白いかどうかは次の段階。

2016-03-03 12:12:47
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

脚本を書いている途中で何かいいアイデアが浮かんだとしても、その面白さが成立するためには、前に戻って伏線を張っておく必要がある場合がある。伏線は逆算で出て来る場合が多い。

2016-03-07 12:34:19
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

物語の中で深刻度の高い出来事を起こすと、相対的に普通の状態よりは人物の行動が画一的になる傾向がある。例えば重病になれば病院に行くのは誰でも当り前、というように。そんな中でどうやって人物の個性を描くかということに、より意識的になる必要がある。

2016-03-10 14:18:57
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

主人公がAさんに頼み事をされて、その解決のために行動すると、問題の原因はBさんにあるとわかり、しかしBさんにも事情があって、その事情とはCさんが・・・と話を作って行くと、話は転がっているようだが拡散するばかりで何の話かわからなくなる。主人公とAさんの話なら、そこに戻る構造が必要。

2016-03-18 11:59:45
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

脚本の教室では、HOW(どう書くか)を教え、WHAT(何を書くか)は本人に任せているが、生徒はわざわざ自分から遠いWHATを選ぶ人が多い。自分に近いところにある素材を書くことで自分をさらけ出す結果になるのを恐れているのでは。それを乗り越えないと人の心を動かす作品は書けないと思う。

2016-03-08 12:40:54
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

脚本の初心者には身近なところで題材を探せと言うようにしているが、生徒は自分の平凡な日常に面白さなんてないと思いがち。平凡な日常の中に面白さを発見する独自の視点を持てるかどうかがかなり重要。それがないと、結果的によく知りもしない題材に手を出して失敗することを繰り返すことになる。

2016-03-25 12:02:39
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

ドラマは圧力鍋に例えることが出来る。材料を入れて蓋をして、圧力を高めて行く。圧力が十分高まり、どこか(クライマックスあたり)で破裂する。チェック項目としては、入れた材料がちゃんと圧力を発生させているか(対立・葛藤)、途中で蓋を開けてしまい圧力が下がっていないかなど。

2016-03-18 13:41:01
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

「身近なところで題材を見つけろ」と言うと、自分の日常をそのまま書けということだと勘違いする人がいるけど、そんなことはなく、「平凡な日常に、もしこんなことが起こったら」という「if」の発想を持ち込むことも当然ありうる。

2016-03-25 12:18:50
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

時々、自分の作品は先人の優れた作品の劣化コピーに過ぎず、それが一応プロとしてやって行けるレベルに達しているだけではないかと思う。創作は過去に見た作品の記憶とは無縁でいられないが、そこから新しいものや、より優れたものが生まれるメカニズムは何か。自分にとって大きなテーマになりそうだ。

2016-03-27 14:15:25
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

人間の脳は、目の前にあるほとんどのことを知覚せずにスルーするように出来ている。全てを知覚して処理しようとすると脳がパンクするから。優れた脚本や小説を書く者は、普通の人がスルーしていることを自分なりのフィルターで取り入れる作業をしている。フィルターの大きさや種類は人によって違う。

2016-03-31 12:58:16
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

生徒が書く脚本が大人のドラマにならない大きな原因は、人物がAをしたいからAをする(またはしたいと主張する)という単純な構造だけで書こうとするから。例えば、Aがしたくても言えず、ついBをしてしまい、それが思わぬ結果を生み、というように表と裏を描くと、少し人間の真実に近づく。

2016-03-31 11:32:23
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

脚本の勉強を始めた人は、脚本のテクニックやノウハウを知らないのは当然だが、同時に「人間としての知識や見識の浅さ」という壁にもぶつかることになる。多くの生徒はそういうことが問題になるとは思いもせずに勉強を始め、始めてからもそこに問題があることになかなか気づくことが出来ない。

2016-04-01 14:24:13
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

例えば時計を作りたいと思えば、時計を分解してどういう仕組みで動いているかを知ることが必要だろう。ドラマの場合も同じ。分解して中身を調べ、どんな仕組みになっているかを研究する。それが優れた作品を分析するということ。

2016-04-02 11:41:46
尾崎将也(脚本家・映画監督) @ozakimasaya

年をとると連ドラを書くのが精神的、肉体的にきつくなるかと思ったら、そんなことはなく、どちらかというと楽になって来た。慣れとは恐ろしい。あと朝ドラを経験していると「あれに比べたら楽」と思えるのが大きい。(ただしどのドラマも一回ごとに新しい体験なので中身で苦心することは楽にならない)

2016-04-04 11:10:14
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