銃砲小話~航空機銃の地上・艦載転用例をすこし

各種航空機銃の地上転用例について、割と無作為・無軌道に
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

MG131航空機銃は大戦末期にいくらかの数が地上転用されましたけど、その貴重な写真がついに……ではなくて、これは131ベースで最初から地上用として作られた「STL 131-VI-3」ですと。作られたのは何と終戦直後というから、機銃それ自体よりも作られた経緯のほうが気になる pic.twitter.com/4ZV67IHAPv

2016-12-23 23:23:26
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他にMG151にもSTL151/12なる地上型が作られてたみたいで(地上用銃架が作られてた、と言うべきかしら)。MG151の地上・艦載転用版は47年までに少数が量産されたというから、ドイツ空軍なき後に航空機銃メーカーが生き残り策を探ってた感がなきにしもあらず pic.twitter.com/VxSynDTvOv

2016-12-23 23:27:10
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2cm MG-FFも地上転用とな。こちらは終戦直前辺りのものらしいですが、普通の大口径重機と比べてもちょっと大掛かりな銃架で(何かの流用?)、ちょっと大砲に片足突っ込んでる。銃自体はcal.50 M2より軽いんですが、流石に大弾量なだけあって反動がヘヴィなのかな pic.twitter.com/jRJXEDul3F

2016-12-24 10:39:28
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

MG-FFはコッキング時に圧搾空気で稼働するシリンダを使うんですが(なんせAPIブローバックの強烈なバネを縮めなきゃならないのです)、こいつは一体どうなってるんでしょ。何やら銃尾周りが妙な事になってますから、空気圧を使わないが工夫されてるのかな。ラチェットとか?

2016-12-24 10:46:01
えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

MG-FFの地上転用といえばキューベルワーゲンへの搭載例も知られてますけども、こいつもコッキング周りはどうしてたのやら。こいつなら三脚と違って多少の補機を積み込む余裕があるだろうし、空気ボンベ程度は持ち込む事も出来なくはないだろうけど、写真ではよくわからない pic.twitter.com/23PyDc8c5b

2016-12-24 10:59:09
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普通に航空機にMG-FFを搭載する場合は、こんな感じでコッキング用の圧搾空気ボンベを近くに置いておく。旋回銃でも同様。エアの量には限りがあるんでそう何度も使えるものではないでしょうが、実際にゃ一飛行での使用回数も知れてるでしょうし、これで足りるんでしょうね pic.twitter.com/12Bu27EW23

2016-12-24 11:05:13
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

こうした訳で航空機銃は空気圧だったり、あるいは電気だったりで機銃本体だけでは機能が完結していなくて、何かしらの補機を要するものもしばしばあります。なのでそういうタイプは地上転用が少々厄介に。単に引っこ抜いて地面に刺せばいい、とは行かない場合もあるのですね

2016-12-24 11:06:54
えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

GSh-23を応急銃座でピックアップトラックに載せてみたら上手く行きませんでした、というお話。昨今(と言うほど新しくないけど)の航空機関砲は昔より一層ピーキーなので、地上転用は容易ならん感じです。尤もこいつは機関砲の種類云々以前に、砲口高さと脚がマズすぎるようでもあるけど pic.twitter.com/YfawuGXwIO

2016-12-26 17:10:21
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

かつてに比べて昨今の航空機関砲は地上転用が一層面倒になってると思うのですが、それでもやっぱり無くなりはしないんだなあとか。GSh-23は補機の類が要らなさそうなので、その点楽ではあるのかしら

2016-12-26 17:15:54
えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

MG151/20の地上転用といえば本家ドイツの三連装が印象的ですが、フィンランドもやってたのね。電気発火式のMG151Eでなけりゃ補機も要らないだろうし、転用にあたって面倒も小さいかも。ただこいつは通常榴弾を使うと意外に低初速なんで、高射機関砲として使うにはそこがチョイと難点 pic.twitter.com/TI6rF11VtG

2016-12-27 16:41:25
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

このMG151/20銃架は何やら鋼管がグネグネと妙な事になってますが、これはフレームの類というより一種のグリップだったりします。大仰角を取るときにはしゃがむのでなく、弧状の鋼管の上部を持つようにする。銃架の背がとても低いので、通常の対空銃架のようにしゃがむ事ができないんですね pic.twitter.com/G5jSqUDoss

2016-12-27 16:45:10
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

後ろの114mmと比べてみると、この対空銃架の背の低さがよくわかります。照準器にも注目で、大仰角を取っても高さが変わらないように工夫されてる。ちいと面倒な造りですが、体を上下させずに手だけで仰俯する背の低い銃架ですから、高射するにはこれしか手がないんですわね pic.twitter.com/i2XNVzYUOQ

2016-12-27 16:50:57
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

本家ドイツの三連装はこんな背の高さですから、フィンランドのは確かにかなり低姿勢になってると言えます。面倒な事やっただけの意味はある……のかなあ pic.twitter.com/HbRWjD9ITq

2016-12-27 16:56:02
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

弧状のフレームをグリップにした対空銃架はメジャーではないですが、体をほとんど上下に動かさずに手だけで広範囲の仰俯が出来る(それを本格的な歯弧式仰俯機構なしで実現する)というメリットを買われてか、ほんの時折見かけます。変わった所では戦車の砲塔上銃架なんかでも検討されたりとか pic.twitter.com/27xfjBpgY9

2016-12-27 17:05:37
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

眠れないので航空機銃の地上転用についてもういちょっと引っ掻く。20mm ShVAKとかVYaは軽戦車の搭載武装になったり検討されたりしてたけど、陸では他に見ない……と思いきや、海軍向けの軽対空武装として少し採用されてたのね pic.twitter.com/PaGcI7FeCE

2016-12-28 22:36:28
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

20mm ShVAKはカッターだの魚雷艇だのの軽舟艇の対空武装として部分的に遣われたと。ただこの用途にはあまり良いものではなかったようで(20mm級としては軽量弾なので高射時の射程はイマイチなはず)、少しでも余裕のある艦艇ではエリコンだのボフォース25mmコピーだのの方が主 pic.twitter.com/S2w7k5reNC

2016-12-28 22:41:51
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

23mm VYaや20mm ShVAKが艦艇用に転用されたのは、急降下爆撃機等への対策に取回しの良い火器を求めたから、という話も。あんまり天候の良くなさそうな気がするバルト海とかそのへんを思うと、普通の高射機関砲の長射程が活かしにくい面とかあったりしたのかも知れません[要出典]

2016-12-28 22:47:05
えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

20mm ShVAKは開戦後に応急的に方々に積まれ出した訳ですが、同じ航空機銃でもその前身の12.7mm ShVAKはもうちょっと早くから、広く地上転用が模索されてたようでもあります。雰囲気としてはDShKと似たような立ち位置を狙ってたのかしら? pic.twitter.com/skuS5jdEhe

2016-12-28 22:50:13
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

@sudo_simoigusa なにより、かなりの高初速大弾量なのがまず対空火器として正義ですわよね。弾倉容量云々は、人間が取り扱い可能な重量に制限がある以上はどうにもならんもんですし。30年代に選び得るものとして匹敵するのはなかなか無い感じです

2016-12-28 22:59:37
えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

ただ面倒なことに、12.7mm ShVAKの弾は12.7x108(上)ではなく12.7x108R(下)。開発時期が微妙だった関係で、赤軍の基幹弾薬からはずれちゃってます。この時点で弾薬共通性フェチの赤軍としては、12.7mm ShVAKの大量採用という目は失われたと言ってもいい筈 pic.twitter.com/Fb3LSU7EOL

2016-12-28 23:03:24
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えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

航空機銃の地上転用は要求される弾道能力と実際にミスマッチ(初速が重点される対空機銃と、多少低速軽量弾でもよく全体としての軽量さが重点される航空機)があって、あまろ素敵な結末を迎える例は少ないようにも思います。応急的に持ち出されたりはしても、そう広くは使われない感じ

2016-12-28 23:19:10
えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

つまり、ある程度近くで、多少低速でもいいから瞬時に大量にばら撒きたい・それを軽量に実現したい航空機銃と。多少遠めから高速大重量弾をぶつけたい・そして多少重くてもいい高射機関砲とは、要求が真っ向から……とは言わないまでも。かなり一致しないものがあるのです。ありもの流用も楽じゃない

2016-12-28 23:30:24
えすだぶ@C99金曜東ホ01b @FHSWman

例えばMG151のパワの源として揚げらえる薄殻集弾ですが、あれは弾量を落とした代わりに初速を稼いでおるので、高射機関砲としては軽すぎで(つまり早々に弾道が落ち始める)のでよろしくない。しかし薄殻榴弾でない重量榴弾を使うと初速が一気に落ちちゃうんで、これも対空機銃としては良からん

2016-12-28 23:26:51