発達障害のある人の認知と思考②~ASDのある人の職業適正を考える~

前回まとめた発達障害のある人の認知と思考の特徴をベースに、特にASDの人に向いた仕事は何か、という観点から考えてみました。 前回はこちら。 発達障害のある成人の認知と思考~アナログゲーム療育の実践から見えてきたこと~ https://togetter.com/li/1063538
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松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

こちらのまとめ、多くの方に御覧頂いているようだ。 発達障害のある成人の認知と思考~アナログゲーム療育の実践から見えてきたこと~ - Togetterまとめ togetter.com/li/1063538 @togetter_jpさんから

2016-12-27 18:20:23
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

今日は発達障害中でもASDのある人の適職について考えてみたい。たとえばこちらの記事ではASDのある人の適職を挙げている。私が就労支援に携わって得た印象とも概ね合致する。 【大人の発達障害】仕事での困りごと・就職方法・対処法まとめ h-navi.jp/column/article…

2016-12-27 18:28:06
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

先の記事では下記がASDの適職として挙げられている。 •プログラマー •マーケティングリサーチ •在庫管理 •経理 •点検・調整作業 •工場での流れ作業 •機械の部品の組み立て •システムエンジニア •学者 •芸術家 これらの仕事には1つの共通点がある。

2016-12-27 18:31:08
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ASDの適職の共通点とは「業務上必要な判断の根拠となる情報の全てに、本人が自由にアクセスできる形になっている」点にある。プログラマはプログラム全体を自由に閲覧できるし、点検・調整する人は機械に自由に触れる。学者や芸術家は必要な資料や自己の作品に常にアクセスできる。

2016-12-27 18:37:27
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

たとえば、ASDの適職として挙げられたマーケティング・リサーチと、逆に苦手な職と言われる営業を比べてみよう。両者とも顧客ニーズを把握しそこに応える提案を導き出す点では変わらない。にも変わらずなぜ得手不得手の差が現れるのか。

2016-12-27 18:40:53
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

私が考えるに、マーケティング・リサーチャーが顧客の意向をつかむために参照する情報はアンケート結果などの具体的なデータであるのに対し、営業職が顧客の意向をつかむためには、顧客の言動や表情などにあらわれる兆候からそれを推測せねばならないからだ。この点リンク先のツイートと関係する。 twitter.com/gameryouiku/st…

2016-12-27 18:44:02
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ASDの人が得意な仕事とは「業務上の判断に必要な全ての情報が静的データとして提示されている仕事」と言えないか。逆に苦手なのは「判断に必要なデータが動的であり実行して初めてわかるような部分が多い仕事」であると言えないだろうか。

2016-12-27 18:54:26
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

もっとも静的データ・動的データというプログラミング用語は今思いついて適用したもので正しい使い方かどうか覚束ない。プログラミングに詳しい皆様のご意見を待つ。

2016-12-27 18:55:36
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

それで、私達の社会で、事前に明示されておらず把握できず実行してみないとわからない「動的データ」って何かと考えると、大きく2つある。「人の心」と「未来」だ。この2つに関わる仕事はASDの人にとって難しいという仮説はどうだろうか。

2016-12-27 19:02:07
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

「未来」を扱う仕事ってなんだろうと思ったときにトレーダーが真っ先に浮かびました。ただ私の知り合いのトレーダーはみなASDっぽいな、という反証も(汗)。刻々と変化するとはいえ、一つ一つのデータは静的だから扱いやすいことはあるかもしれない。 twitter.com/mirailist/stat…

2016-12-27 19:04:57
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

トレーダーと一口にいっても、PCの前に張り付くデイトレから、数ヶ月~数年単位で持つ形もあり、はたまたAIに任せるようなのもありますから、一概にこの仕事の向き不向きというのは言えないかもしれません。@mirailist

2016-12-27 19:12:04
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

一連のASD適職ツイートの背景にある問題意識として、ASDの人は定型業務が得意と言われ、実際その通りなんだけど、こういう業務は今途上国とAIに奪われて国内の仕事が低賃金・不安定労働になりがちだということがある。その突破口はどこにあるだろうか、と考えている。

2016-12-27 19:15:22
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

先の仮説によれば、ASDの人が定型業務が得意だというのは、業務内容がマニュアルなどの形で静的に提示できるからである。裏を返せば定型的でない、適宜判断が要求されるような業務でも、判断に用いる情報が静的データのみであれば、複雑な業務でもこなせる可能性があると言えないだろうか。

2016-12-27 19:18:59
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

たとえば、ASDの人の多くが苦手とする業務に電話応対があるが、その理由は「電話に出るまで相手の用件がわからない」ことに拠る。つまり「電話先の相手の用件」が、事前に把握できず「電話にでる」という行動を実行した後初めてわかる動的データなのである。

2016-12-27 19:25:06
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

このようにASDの人に任せたい1つ1つの業務を、その業務上求められる判断に必要な情報が動的であるか静的であるかによって切り分け、極力前者を減らし後者を増やすことで、ASDの人のパフォーマンスを最大限発揮させることができるのではないか。

2016-12-27 19:28:03
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ざっくり言えば、おそらくASDとは「眼の前の具体的な状況には強いが、心の中や未来のような今眼の前に見えない状況を考えるのが難しい人」。もっと言えば、「『事実』の取り扱いには強いが、『可能性』の取り扱いが苦手な人」と言えるのではないだろうか。

2016-12-27 19:34:31
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

そして、今私達の社会でASDという存在がクローズアップされてきているのも、情報化の進展により、私達が日々下す判断やその結果起きる社会の変化が、只今の現実よりも未来の可能性によって判断される、言いかえれば「未来が現在を決める」形に移行してきているからかもしれない。

2016-12-27 19:41:54
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

先に営業が苦手と書きましたが、こちらの記事では「知識が豊富なほど営業トークが高まる電化製品の販売などモノの販売業にも適性を感じる人が多い」とも。電化製品のようにスペックが静的データで明示されている分野なら営業職でも強い。 kaien-lab.com/faq/jobasd/

2016-12-27 19:48:29
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

同じ販売員でも、部屋をトータルコーディネートするコンシェルジュみたいに、相手の漠然としたイメージを形にしていくような仕事はASDの人はおそらく難しいのではないか。

2016-12-27 19:52:11
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

お茶くみが大変なのは、いつ、だれにお茶くみをすれば良いのかが事前に明示されていないからではないかと推測しますがいかがでしょう。「11時と16時に職場全員にお茶出してください」と明示されたらラクになるのでは。 twitter.com/morikanoko/sta…

2016-12-27 19:52:26
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

いずれにせよ、ASDの人は単純な仕事は得意だけど複雑な仕事は苦手と安易に考えるのは危険。

2016-12-27 19:55:32
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

なるほど!これはまさに典型的なエピソードですね。時間も人数も予め決まらないという。 twitter.com/morikanoko/sta…

2016-12-27 20:06:00
松本太一@アナログゲーム療育 @gameryouiku

ASDの人の適職という話題では、こちらのtogetterも参考にされたい。 ASDのある人の職域開拓~「単純な業務」「煩雑な業務」「複雑な業務」の違い~ - Togetterまとめ togetter.com/li/1032621 @togetter_jpさんから

2016-12-27 20:08:26