恋する整備士（スザ ルル）　完結

あるみ @alumisorane

（よりにもよってそれ!?）って特派の皆さん心の中で総つっこみ。

あるみ @alumisorane

「いや…いないよ」目を伏せ答えるルルーシュくんはポーカーフェイスだったけれど、声音だっていつもと変わりなかったけれども。恋する少年の心情を思いやってそっとため息をつく特派の面々。殿下…とっても甘酸っぱいです。

あるみ @alumisorane

「そっか。良かった」「…え？」伸ばされた手がさらりと黒髪を撫で梳いて、聞き捨てならないことを言われた気がするんだけど…？？「どういう意味だ？」「なんとなく」「なんとなく？」背もたれを挟んで顔を合わせる二人、思案顔。「えーと…その方がルルーシュらしいなって」「らしい…？」

あるみ @alumisorane

「スザク、シミュレーターを起動しろ」「わかった」計器を外して席を交代するスザルル、調整箇所に不具合がないかモニター上の数値をじっと見るルルーシュくんだけど、頭はさっきの会話でいっぱい。「俺らしさ、か…」「ストイック」「ん？」「ルルーシュのイメージ。あと、鈍い？」「ほう」

あるみ @alumisorane

低くなった声に、すざっくんがルルーシュくんの顔を覗きこんでにっこり。「あれ、怒った?」「怒ってない」「でもむっとしてる」眉間の皺をつつく指を払いのけて、そっぽを向くるるーしゅくん、ちょっと拗ねた横顔。それが妙にかわいくて、すざっくん思わずくすくす笑い出すよ。

あるみ @alumisorane

「スザク！」「あはは、ごめんごめん。だってルルーシュすっごくかわいいんだもん」「なっ」動揺するルルーシュくん、動揺しすぎて天井に後頭部ぶつけちゃって。「ルルーシュ、大丈夫!?」「つぅ…だ、だいじょ、!?」身を乗り出すすざっくんと至近距離で顔を合わせて固まる二人、時が止まる。

あるみ @alumisorane

互いの呼吸が触れ合う距離は心音すら聞こえてきそうほどで、思考は完全停止、五感の全てがすざっくんに向かう。「…怪我はない？」「い、痛い」「どこ？…ここ？」「んっ」痛みにきゅっと目を閉じるルルーシュくん、さらに近くなる唇と唇の距離。「瘤になってる」「ぁ、やっ…触るな」

あるみ @alumisorane

「セシルくん、アレ止めておいでよ」「嫌ですよ、馬に殺されたくありません」「僕だって豆腐で死にたくないよ～」「いいじゃないですか、意外性のある凶器で」「意外性ありすぎでしょ!?どうやって死ねばいいの！」「それを考えるのがロイドさんの仕事です」「えぇえ～!?」大人組、現実逃避中。

あるみ @alumisorane

迷走してしもた～(*￣▽￣*)~ﾟ

あるみ @alumisorane

「チョコレート業界の策略か」恋する乙女、じゃない整備士のルルーシュくん、日本式バレンタインを知ったら呆れちゃった。けど、はたと手を止めてシンキングタイム。あ、動き止った…こうしてると人形みたいだなぁうっわ睫長い！とか思ってるすざっくん、ルルーシュくんのテンポを理解している男だよ。

あるみ @alumisorane

ルルーシュくんの席はなぜか社長が使うような革張りの立派な椅子で、つっこんじゃいけないんだろうなぁとすざっくんは思っている。他はお安い事務椅子なのに。

あるみ @alumisorane

隠す気のない兄上の気遣いだよ…

あるみ @alumisorane

ルルーシュくんは言うだけ無駄だから諦めている。本人はパイプ椅子でも頓着しないんだけどね、すざっくんの側にいられれば！

あるみ @alumisorane

「お前もチョコレートがほしいのか？」甘いの苦手だろって副音声に頷きつつ、ちょっと首を傾げるすざっくん。「もらうのがステータスだからね」「くだらない」「うん、僕も気にしたことなかったんだけど」モテ男が何か言っているよ。「ルルーシュのはほしいな」「…お、俺は男だぞ」「ダメ？」「っ」

あるみ @alumisorane

すざっくんにそんなこと言われたら頑張らないわけにいかないルルーシュくん、でも口では「気が向いたらな」ってクールぶってみる。でも、「ちなみに好きなチョコレートは何だ？」「あまり甘くないのがいいな」「ビターか…」「作ってくれる？」「手作りは基本だろう」クールになりきれていないよ？

あるみ @alumisorane

かくして、チョコレートと格闘する日々が始まった恋する整備士くん、工具箱に『いざ決戦の時！バレンタイン特集 ~チョコと恋の薬の意外な関係~』をそっと忍ばせてみたり、端末に専用フォルダを作ったり、セシルと試作してはロイドたちを震撼させたり。

あるみ @alumisorane

普段はオイルや金属の独特の匂いがする特派にあま~い香が充満して、もちろんバレバレなんだけど黙ってにこにこしているすざっくん。いざバレンタイン当日へ！

あるみ @alumisorane

マフラーに真っ赤な顔埋めて「ほら」ってチョコ渡すルルーシュもいいけど、つなぎ姿のルルーシュくんはどんな渡し方するかな？

あるみ @alumisorane

いよいよバレンタイン当日、すざっくんと買い出し=デートにでも…とセシル勧められたルルーシュくん、さりげなく渡したいからと断って、万難を排して通常勤務についたんだけど、 テロ、発生。 いつでも出撃できるように待機するすざっくんに、チョコなんて渡せるわけがない。

あるみ @alumisorane

「──コンディションは？」ランスロットのコックピットで戦況を見守るすざっくんを視線で示してルルーシュくんが低く問えば、ロイドが阿吽でにんまり。「良くないですねぇ」「何？」「バイタル値は良好。でも、メンタルが落ちているようですよぉ？」虚を突かれるルルーシュくん、思わず目を見開いて。

あるみ @alumisorane

「何か甘ぁ～いものをあげると回復するかもしれませんよぉ」「っ」皇族の顔が剥がれて、ただの恋する少年が現れたりしたら。

あるみ @alumisorane

誰だって応援したくなるデショ？

あるみ @alumisorane

「スザク！」「ルルーシュ？どうしたの？」「あ…いや、その」コックピット近くの足場で一瞬ためらうルルーシュくん、こんなの俺のジャンルじゃないとか何とか思うんだけど、上気した頬を隠す余裕もなくすざっくんの胸にきれいにラッピングされた箱を押しつけて、ぼそり。「やる」「え、うん。うん？」

あるみ @alumisorane

「これってもしかしてチョ」「たまたま持っていただけだ！」「あ、うん」すざっくんカラーでラッピングされているけどね。そういうことみたい。勢いに押されて頷くすざっくんと、（その調子です、殿下！あともう一押し！）って心の中で大声援の特派の皆さん。「…食べてもいい？」「あ、ああ…」

あるみ @alumisorane

ぺりぺりっと開けて、もぐもぐごっくん。「ど、どうだ…？」不安げに尋ねるルルーシュくんに、すざっくんが少し腰を上げて、ルルーシュくんの耳近く囁く。「おいしいよ。ありがとう、ルルーシュ」「！そ、そそそうか。たまたまあったものだが、口に合って何よりだ」あくまでその設定です。