茂木健一郎さん連続ツイート2011年3月・4月

「アカデミー賞」「TED」「英語」「自由」「activistであること」「『はずかしいこと』を乗り越えること」「よは」「ソーシャル・ネットワーク」「感想」「教育」「ゆすり、たかり」「(題なし:震災に関する連ツイ)」「批評」「英語」「書く」「売る」「加圧」「明暗」「福島」「夢」「ベンチャー」「教養」「先生」「発話」「市場」
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茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(1)学生の頃、アカデミー賞をバカにしていた。「あんなもん、一貫してひどい作品を選んでいるじゃないか」。アカデミー賞のニュースを後追いで報じて騒ぐ日本のメディアもバカだと思っていた。

2011-03-01 06:22:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(2)少し考えが変わったのは、フロリダでユニヴァーサル・スタジオを訪れた時である。インディアナ・ジョーンズのセットがぐるぐる変わって、「そうか、こんな大規模のシステムで撮っていたのか!」と驚嘆した。

2011-03-01 06:22:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(3)ハリウッド近くのホテルに泊まった時のこと。なんだか、ウェイトレスやウェイターがみな美男、美女である。どういうことか、と思っていたら、俳優志望の若者が全米から来て、アルバイトをしているのだという。

2011-03-01 06:23:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(4)ビバリー・ヒルズを車で走ると、一つひとつの邸宅の大きさに驚嘆する。美しい緑の生け垣に囲まれた家々。アメリカン・ドリームというのは、まさにこのようなことを言うのだなと思った。

2011-03-01 06:24:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(5)アカデミー賞の質が必ずしも高いとは思えない。しかし、それは、「市場」との関係で生まれたきた一つの現象だろう。タルコフスキーやキアロスタミなどの芸術映画は、市場が小さい。ハリウッドは市場そのものであり、その作品が薄くなるのは仕方がないこと。

2011-03-01 06:26:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(6)アカデミー賞のすぐれた点の一つは、その対象が実はアメリカ映画に限らないこと。今回受賞の英国王のスピーチもイギリスとオーストラリアの映画。スラム・ドッグ・ミリオネアもイギリス映画。つまりは、英語で制作された映画ならば、すべて対象となる。

2011-03-01 06:29:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(7)日本アカデミー賞の規定がどのようになっているのか知らないが、「日本語で制作された映画」として、世界のどの国で作られたものでも対象にするという考え方はあり得る。

2011-03-01 06:30:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(8)アカデミー賞、ハリウッド映画が依拠している「市場主義」は、必要なことだけれども、それがすべてではない。興行的に成功することと、批評的評価が分離されていない日本においては、その弊害が特に強い。

2011-03-01 06:32:12
茂木健一郎 @kenichiromogi

アデ(9)必要なのは多様性。資本主義は、どんなに先端的な取り組みも必ず貪欲に取り入れてしまう。アカデミー賞を有り難がって表層的、大げさに報道する日本のメディアよりも、背を向けて勝手にやっている人の方が、むしろハリウッドの心に近い。

2011-03-01 06:34:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、アカデミー賞についての連続ツイートを、TED2011開幕間近の賀露フォルニア州ロングビーチからお届けしました。

2011-03-01 06:35:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED (1) ロングビーチのTED ( http://www.ted.com/)に来ている。TEDのスローガンは、Ideas Worth Spreading。広げるに値する価値があること。一つひとつのスピーチの時間は短く、徹底した絞り込み、作り込みが行われる。

2011-03-02 01:35:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED(2) TED参加者のバッチは、大きくファーストネームが書いてあって(私の場合はKEN)。その下に小さくラストネーム。組織や肩書き(というか、description)は、さらに小さな文字で書いてある。

2011-03-02 01:36:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED(3) TEDのオープニングパーティで、会場を歩き回って、「あっ!」と思うと、ファーストネームで呼びかけて、それですぐに話始める。そんなことをずっとやっていたら、すげー面白かった。

2011-03-02 01:37:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED(4) 要するに、組織とか肩書きとは関係なく、その人がどんなアイデアを持っているか、どんなヴィジョンを抱いているかだけが問題になる空間。TED talkでも、ステージに上がって一秒目から本題に入る。どこの誰なのか、知らない人はまったくわからない。

2011-03-02 01:38:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED(5) 会場にはWiFiがあり、話を聞いていて、面白そうだ! と思ったら、検索してみて初めて「あっ、そうか、この人はスタンフォード大学の教授なんだ」などとわかる程度。誰も組織や肩書きなんて気にしていない。アイデアだけ。それが心地良い。

2011-03-02 01:40:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED(6) 聴衆の反応も正直で、素晴らしいトークで心が動けば立ち上がって拍手するが、それほどでも、という時には儀礼的に拍手をしておしまい。ウィリアム斎藤は、「あそこは過酷な場所だ!」と言っていた。

2011-03-02 01:41:40
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED(7) まだLong BeachのTEDで話した日本人はいないらしい。「やりてえな」と言ったら、Patrick Newellが、「少しずつね」と言った。Patrickが組織したTEDx Tokyoでは話している。http://bit.ly/e3orSz

2011-03-02 01:43:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED(8) 組織や肩書きといった摩擦係数の高い世界ではなく、スコーンと、どんなアイデアがあるか、何をしようとしているか、何をしたかだけで評価されるTEDのethos。それに相当するものが日本にあるかというと、遠くを見るしかない。

2011-03-02 01:44:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

TED(9) TEDに来ていて思うのは、組織とか肩書きとか関係のないフラットな世界はすでに実現していて、その人たちが文明を作っているということ。いろいろと無駄な摩擦係数が大きい日本は、世界文明のメインストリートから取り残されて、内ゲバや足のひっぱりあいばかりしている。

2011-03-02 01:46:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、TEDについての連続ツイートでした。

2011-03-02 01:46:48
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(1)#TED に来て、久しぶりに英語力の鍛錬について考えた。厳しい現場が続いたからである。こうでないと、人生は面白くない。

2011-03-02 23:56:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(2)Patrickと、civic educationについての議論のテーブルに行った。百戦錬磨の人たちと、ワインを飲みながら、気の利いたことを言わねばならぬ。もたもたしている暇はなくて、sound biteで勝負しなければならぬ。

2011-03-02 23:58:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(3)自分の英語力は、そんなに悪くないけれども、まだまだ伸びしろはあるな、と実感する。ABCやBBCのプロデューサーも同席しているような厳しい現場で、改めてそう思う。

2011-03-02 23:59:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(4)出発前、東京大学の今年の英語の入試が新聞に出ていたから見てみた。良問だとは思うが、あっちの方向に力を伸ばしても、ネイティヴとの厳しい現場で力を発揮する英語力には直結しないと思う。

2011-03-03 00:00:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

英語(5)和文英訳、英文和訳はいわば「特殊技能」であり、そのような仕事をする人だけやれば良い。それよりも求められているのは、大量に話し、大量に書くこと。その時、適切なタイミングで、面白いことを言うこと。サッカーのピッチで走り続けるようなセンスとスタミナ。

2011-03-03 00:01:44
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