茂木さん朝の連続ツイート2010年10月

「中国八策」「ジェントルマン」「胸がざわざわすること」「周辺視野」「僕が僕であるために」「私塾」「可塑性」「ケンブリッジ」「カッケー(かっこよさ)」「踊り」「戦略」「適応」[ツイッター」「言語政策」「もてる方法」「もてる女」「内面の輝き」「離」「グローバリズム」「土」「養老孟司」「秋刀魚の味」「根拠のない自信」「座右の銘」「ダライ・ラマ」「人生のエネルギー問題」「感染」「日本人と英語」「脳科学占い」「市場」
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茂木健一郎 @kenichiromogi

中国八策(1)発展を続け、GDPで日本を抜いて世界第二位の経済大国になった中国。いろいろと問題があるにせよ、中国が今後とも日本の隣人であり続けることには変わりがない。「互恵」を関係性の基調にするしかない。

2010-10-01 07:13:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国八策(2)世界帝国だった「唐」の時代のように、隣りに強大な中国が存在する状況を、私たちの祖先は経験してきた。その頃の対処、つき合い方の「DNA」を思い起こせば、未来のあり方が見えてくるはずだ。

2010-10-01 07:15:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国八策(3)「漢字」など、多くの恩恵を中国から受けてきた日本だが、科挙制度、宦官、中国式の「発音」など、日本人の感性、美意識に合わないものは輸入して来なかった。これからも、そのような選択的感受を続けていけばよい。

2010-10-01 07:17:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国八策(4)中国の政体は、常に問題を抱えていた。現実が理想から遠いからこそ、孔子をはじめとする知識人は国のあり方に悩み、理想を説いてきた。彼らから生まれた思想に対して、私たちは共感、連帯できるはずだ。

2010-10-01 07:20:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国八策(5)「易姓革命」を何度も経験し、「元」や「清」など、異民族による征服、王朝樹立が起こってきた中国における歴史観は、継続性を重視する日本のそれとは異なる。現在の中国共産党による支配も、そのような「王朝交代」の一時期として相対化すること。

2010-10-01 07:22:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国八策(6)中国人の世界観は、徹頭徹尾「人間」を中心としている。人格神が「理神論」となり、普遍的な自然法則の概念に至った西洋の枠組みとは異なる。法治主義が徹底せず、人と人の関係、面子が過剰なまでの意味を持つ中国人の行動様式を理解すべきだ。

2010-10-01 07:25:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国八策(7)中国の経済発展はめざましいが、どこかで「頭打ち」になる可能性がある。一人あたりGDPが5000ドルあたりに「踊り場」があるという説もある。経済がソフト化した時、思想、表現の自由がない社会はさらなる発展の阻害要因になろう。

2010-10-01 07:29:52
茂木健一郎 @kenichiromogi

中国八策(8)中国の隣りにあるということの利益を享受しつつ、自由な民主主義の国であるという日本の価値を中国との対照において世界に向ってアピールすることが、中長期的に見て日本の国益に適うと考える。

2010-10-01 07:31:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、中国についての連続ツイートでした。

2010-10-01 07:32:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(1)きのう、東京タワーの下のかくれ家レストランで、チャリティ・イベントがあった。そのとき、その話をしたので思い出した。ジェントルマンのことを書こうと思う。

2010-10-02 06:57:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(2)ジェントルマンとは、イギリス生まれの呼称だが、決して、金持ちだったり、社会的地位が高い人のことを指すのではない。むしろ、ジェントルマンとは、他人に対するある成熟した態度のことである。

2010-10-02 06:58:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(3)BBCのコメディ『リトル・ブリテン』の中の「ルーとアンディ」のスケッチ。車いすのアンディは、わがまま放題。何の文句も言わずアンディの世話をするルーは、みすぼらしい格好をしていても「ジェントルマン」である。 http://bit.ly/czN8PH

2010-10-02 07:00:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(4)ジェントルマンは、相手によって態度を変えない。映画『マイ・フェア・レディ』で、貧しい花売り娘のイライザをヒギンズ教授はバカにするが、ピッカリング大佐は、丁重に扱う。美しくて着飾っているからレディーなのではない。相手がレディーとして扱えば、誰でもレディーとなる。

2010-10-02 07:03:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(5)恋愛において、男性がよく失敗するポイントがある。女性が、何か言ったとき、それが論理的に矛盾すると考えてしまう。3日前に自分が言っていたことと違うじゃないか、支離滅裂だ、などと思ってしまうのである。

2010-10-02 07:04:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(6)しかし、女性が矛盾したことを言ったり、前言を翻したりするのは、その背後に淋しい気持ちや、不安な気持ち、愛が足りないという思いがあるからである。事実と違うとか、論理的に矛盾するなどは大した問題ではない。その背後にある思いこそ、受け止めなければならない。

2010-10-02 07:05:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(7)どんなに支離滅裂で、めちゃくちゃでも、その背後にある気持ちをやさしく受け止めて、黙々として従う。そして、揺るがない。そのような男性は、どんなに貧しく、ボロを着ていても立派なジェントルマンとなる。

2010-10-02 07:06:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(8)どんなことがあっても他人を受け止めるジェントルマンであるためには、自分が大地となること。強く、成熟していて、世間知に長けている。そのような人間を目指せば、あなたもジェントルマンになれる。

2010-10-02 07:08:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

ジェ(9)ジェントルマンとは、つまり、愛のある「やせがまん」のことである。不安や哀しみで揺れ動いている他者をやさしく受け止める。そうして、自分は、一切弱音を吐かないのだ。もちろん、一種の理想に過ぎぬが、すべての美意識は、地上からほんの少し浮上している。

2010-10-02 07:10:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、ジェントルマンについての連続ツイートでした。

2010-10-02 07:10:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

ざわ(1)「私」が、「今、ここ」に、このようなかたちで存在するということには、何の必然性もなかった。そのような考え方が、「偶有性」の根幹にある。そのことに思いたるとき、胸の奥がざわざわしはじめる。

2010-10-03 07:21:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

ざわ(2)大野くんのお兄さんにはいつも遊んでもらっていた。お兄さんが中学生になったころ、公園のベンチで遠くを見てぼっとしていた。どうしたの、と聞いたら、「けんちゃんにはわからないかもしれないけど、ぼくくらいになると、いろいろ考えることがあるんだよ」と言った。

2010-10-03 07:23:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

ざわ(3)いつも遊んでいた大野くんのお兄さんの、そんな表情はみたことがなかった。中学生になると、自分が何なのか、どこにいくのかざわざわし始める。まだ小学生だったぼくには、そんなお兄さんの表情が眩しかったのだろう。

2010-10-03 07:24:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

ざわ(4)夕暮れ、街を歩いているときに、何とも言えぬ不安に包まれることがある。自分を包んでいる社会的文脈がほぐれ、とけ、たった一人で世の中に放り出されているかのように感じるのだ。そのような時、胸の奥が、甘美にざわざわとし始めるのがはっきりとわかる。

2010-10-03 07:25:38
茂木健一郎 @kenichiromogi

ざわ(5)フィレンツェから間違って各駅停車の列車に乗ったとき、周囲がイタリア人ばかりで、そのうちとてつもない不安にかられた。このまま、ずっとこの国で、イタリア語で暮らし、恋をし、生活しなければならないとしたら。解らぬ言葉の響きに包まれながら、胸の奥がざわざわとした。

2010-10-03 07:27:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

ざわ(6)子どもの頃、よく空想した。もし、UFOが突然迎えに来たら。君をこれから素晴らしい文明に連れていく。思いもしないさまざまなものに出会える。ただ、君の両親や、友だちにはもう会えないよ。さあ、どうする? そう言われたら、果たしてUFOに乗るか。想像すると、胸がざわざわした。

2010-10-03 07:28:46
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